深海魚
夜の深海魚
夜中の深海魚
もしくは陽光を浴びない魚
陽光が嫌いな魚
浴びれない魚
何を思って夜の底
そこの地は冷たかろ
ここの水先案内人
ちらちら揺れる灯迷い人誘う
....
タイラップスクラップさ
スーツケースいっぱいの書類の山
受け取るはずの君に会いたくて
紫煙で頭を濁してシャワーを浴びる
タイラップスクラップ
投げ捨てられた書類を締め上げ
はみ出し ....
輝く
輝く
色のない空に色付ける透明な黄色
たがために輝くのではない
たがためにあるのではない
月は月のために
月は月のうさぎのためにそこに
理由をつけるのは人
あ ....
外見が十割な世界だひどい世界だ
最新のポスター
むせかえる部屋で
ぼくの理想論
くだらない宇宙で
先々のない部屋
いたらない思考で
あるはずがない
いくはずのない後悔
そうあらないはずのない
痛みのない麻酔 ....
空は雲
空は色
空は窓から切り取った光
そこに混ぜてと鳥に言う
鳥はだんまり毛づくろい
そこに混ぜてとみんなに言う
みんなは顔をあわせてクスクス笑い
そこに混ぜて
....
晩秋がない季節だった。
人々は衣服をかきあわせ
赤いままの木の葉が落ちる
寒風は人の息を白くした
電気ストーブの電源をいれた
この周囲が一番小さな世界で
これが一番の幸せの端っこ。
....
息が白いのか煙草の煙なのか
しにたい!しにたい!
そう願いつづけるのも慣れて
死にたさはもう日常で
これが異常なのだと知ってはいるものの
それが普通なのだ
このまま死んでしまえばいいのに
生にしがみついているよう ....
安泰なるしあわせのふわふわに
横たわり神を呼ぶ
神の音よ
神の言の葉よ
神の姿よ
それはわたくしに永遠に等しい眠りをもたらす
それはわたくしに暗澹たるしあわせを呼び起こす
神よ、 ....
神は眠りの神はどこへ誘う夢の底の浅い夢に
神は眠りの国へ誘うどこの夢の中のひどい裏切りへ
神は眠りのゆりかごはゆりかごの夢の夢の夢の
神は眠剤の神は誘う永遠の眠り
あなたが残していった傘が
寂しさの影を落とす
夕方には帰らないとダメなの
あなたと食べたコンソメの匂いが
苦しさの色を移す
また来週会いましょう
あなたの名残が
私を苦し ....
紅葉めいた赤いカーディガンが目に灼き付く
君はおそろいの魔の手にかかつてゐるようで
単純に安心していゐる
これにどんな効力があるだろう
さうしてどんな鎖になると言うのだろう
単純に安 ....
深みにぞ
真髄いずる
世界かな
夜長は隠す
明日の重みを
寒さに震える
手がかじかむ
あなたの帰りをずっと待っている
街から消える灯
人々より伸ばされた手
熱のない世界
私はそれを黙ったまま見ている
あの人だけを待っている
それ以 ....
浮いてます
浮いてます
空高く憂いてます
ああこの命はどこにでもある藻屑なのだと
浮いてます
浮いてます
空高く泣いてます
ああこの夢は誰もが抱く幻想なのだと
浮いてま ....
さようならと言われたので
電車の上に身を投げた
電車はごとごとと私を運んでいく
ごとごと、ごとごと、
空が綺麗な青を私の死んだ目に写す
「ここはどこです?」
「ここは天国です」
....
わんわんと吠えるのは我が心
わんわんと泣くのは我が犬
わーんわん
わーん、わん
哀しい犬があとをついて来る
泣きながら、
涙を流しながら、
犬の涙は人と等価なのだろうか
その涙 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9
0.23sec.