ある事も
無い事もさえ
責任を
被らす上司に
そっと唾吐く

新月の
浮かぶ夕べに
酔い酔いて
早く終わった
今日の夕暮れ

その坂を
昇りつきたる
我が家には
ビーフシ ....
宵待ちの
花は遠く
なりにけり
男たちの港は
場末のパブで

みないい加減なことをほざいていた

ある奴は巨大な銛を引っ提げ
ある奴は真鍮の潜水具を抱えてきた
ある奴はフランス製の渋いマドロスパイプを手にし

自慢 ....
どうしても人には言えないことがあって

どうしても人には言葉にできないことがあって

ただ冬の林の中で落ち葉を踏みしめるだけしかないことがある

枯れ葉を一枚手に取って
溜息を吐き
そ ....
刹那と永遠の狭間で
ぼくたちは何処まで飛んでゆけるのだろう
離反と螺旋を繰り返しながら
金の龍と銀の龍は交わることなく

極微から虚無の果てまで
火の玉のように
何処までも飛んでゆく
 ....
人々は酒に酔い
大声で自慢話しをする
夜は何処までも続き
明日を知ることも無い
アスファルトに涙がこぼれ落ちても
知らないそぶり
人は冷たい

路地裏の猫だけが
ニャァと鳴く

 ....
ひそやかに歩いてきた刑務官が
彼の扉の前でたたずむと
カチリと扉が開いた
四人の人たちは無言で頷き
彼をうながし
三畳間から
誘いだす

彼の記憶はまるで空白で
肩と足だけが震えた
 ....
潮の満ち引きが鼓動と繋がっていた
あるときは優しく
或る時は激しく
わからないままに彷徨う姿は
赤や青に点滅する

夜中の踏切を渡ろうとしても
遮断機があがることはなかった
待ちくたび ....
夜ふけて
妻と語らう
ラーメン談義
最後のカード
ねぎラーメン

チャルメラが
漆黒の闇を
切り裂いて
走りゆく街
いまはまぼろし

餌のような
肉野菜には
たえられない
 ....
かけそばにネギ多めと大声でいう駅のそば

板わさと酒を仰ぎもり啜る

こくりとした天麩羅蕎麦

安いたぬきに小銭を払う

宵闇に月見そばはよく似合う

鴨南蛮ねぎとのコラボレーショ ....
納豆に
なまたまごご飯
味噌汁ワカメ
アジの開きに
焼き海苔の香り

ベーコンエッグ
気怠い朝に
珈琲苦く
疲れるまで
今日も走りゆく

板わさに
酒を啜りて
こしかた想う ....
彼は砂漠を彷徨いながら
星空を眺めた
あまねく飢えた人々のために
彼は巡礼を重ねていった

それをアジアでは
菩薩行という

石を投げられ
杖で叩かれても
彼はけっして諦めることは ....
缶詰を開けたなら
ほのぼのと
クジラの匂い

尾の身の刺身は
トロより美味かった

クジラの生姜ステーキは
母の芸術料理だった

少年時代のご馳走
細胞を解剖してみたら
電子の奥に宇宙を観た
巨大な世界の果てを知り
微細な宇宙を知ったいま
ぼくは永遠の生命体に慄き
摩訶不思議に埋没する

果てしない命を奪いながら
生きている矛盾に ....
そろそろと
ブリダイコンの
時がくる
出刃を研ぎ
銅鍋用意

雷と
ともにやって来る
ハタハタを
しょっつる鍋を
囲む年末
友を迎えて

冷凍庫
イノシシ肉が
鎮座して
 ....
木場うまれ
浅草うまれの
祖父母には
戦火に焼かれ
写真さえなく

十六代
飽きた東京
捨てもせず
山の緑に
憧れるいま

木を削る
鉋もいまは
本節を
削る手のひら
 ....
武蔵野の
枯れ葉を踏みしめ
鳴く鳥を
探し求めて
樹の枝仰ぐ

駅までの
路往く人々の
コートには
カラスのような
嘆きが漂う

巨木には
聖なるものが
宿るとは
いにし ....
歳の瀬に
固くしこる肩を抱き
小刀をとり
伽羅を聴く

静かな四畳半に
立ち込める静けさは
生まれる前の記憶を呼び覚ます

一年は走馬燈のようだと
誰かが言った

少しだけ眠く ....
物欲の塊は
妻から針金のような注射をされる
少年の頃のように
怖いわけではない

チクリと刺されれば
それで済む

反省の無い猿以下のぼくは
飽くことを知らない
留まるところを知ら ....
忙中閑あり
終末は妻とアイナメを釣りに
銚子へ行こう
ほんとは電車を乗り継いで
銚子電鉄に乗りたいところだが
荷物がかさばるので
車で行くしかない

その昔、
一年間を独りで暮らした ....
月の昇らぬ砂浜に
唐紅の空眺め
忘れた歌を想い出す

衣を染めた白鳥は
空ろな波に身をまかせ
還る棲家を識らぬよう

解れた髪は風に散り
軋む素足は地に呑まれ
潮にこうべを晒しゆく ....
あなたの面影は
白い石鹸の匂いと
サイダーの匂いがした

おかあさん

何処に往ったのですか

ぼくはいま
武蔵野の林を歩いています
あなたを探しながら

足跡は何処にもみえな ....
虹色の
鱗がきらり
冬の午後
タナゴがゆらり
昼を楽しむ

らんちうの
静かな泳ぎ
かいま見て
今宵の夕餉
楽しみにする

梅花藻の
ゆれる水槽
眺めては
こしかた想い
 ....
たぶん外国の人が食べにくい物は

いかの塩辛
くさや
納豆
梅干し
生卵
鮒ずし
筋子

まだまだ在るけれど
メジャーでないので
ここでおしまい

ラーメン屋で観察している ....
潮騒の岩鼻に立って
潮の流れを見つめてゆけば
そこにどんな大魚が潜んでいるかは
だいたい察しがつく

今日は石鯛狙いなので
サザエに間借りしたヤドカリを金槌で一撃を加え
遠くの潮目に放り ....
岩山の岩壁の岩棚に
産み落とされたぼくは
産声もあげず
銀の龍に鷲づかみされてしまった

遠い記憶の底

あれから言葉など誰も教えてくれなくて

ぼくは誰とも話などしたことは無い
 ....
イトヨリの虹色美しき

脂が誘うサバの文化干し

アジの開きにたまごかけごはん

イワシを購い飯をかきこむ

鮮やかなカツオをさばく母の面影

サンマの煙りに涙する

冬の寒ブ ....
あてどなく
彷徨う闇路
桜舞い
ひとひらふたひら
頬をかすめる
どこまでも吹き抜ける青空

伽羅を焚き明日の夢みる

銀河鉄道どこまで続く

青い青い海のいろ
とても食えないから
詩人の食事は貧しくて
目玉焼きと納豆が精々のところ

まてまて!
立ち食いの天玉そばを思い出せ
松家の朝定食でもいい
そこに天国があるのだから
貧くともプライドを忘 ....
レタス(1128)
タイトル カテゴリ Point 日付
白暮短歌2*15/12/15 19:01
月見草俳句015/12/15 18:41
真夜中の港街自由詩315/12/15 17:54
青蛾自由詩3*15/12/15 17:18
水への回帰自由詩215/12/15 16:50
重力の都自由詩415/12/13 15:10
執行の朝自由詩215/12/13 8:18
閉ざされた夜自由詩10*15/12/13 5:58
中華そば短歌115/12/11 23:19
そば屋俳句015/12/11 23:00
食欲短歌015/12/11 21:24
伝説の人自由詩215/12/11 20:21
ナガスクジラ自由詩115/12/11 19:59
人体宇宙自由詩615/12/11 19:14
短歌015/12/10 21:18
ご先祖さまに短歌115/12/10 21:01
年末に短歌015/12/10 20:34
忙中閑自由詩415/12/10 20:03
まるで駄目男自由詩215/12/10 19:38
銚子自由詩215/12/10 19:03
もがり笛自由詩415/12/9 19:24
夕映え自由詩515/12/9 18:48
陽だまりの水槽短歌315/12/9 12:03
世界の味覚自由詩315/12/8 19:18
磯釣り自由詩615/12/8 18:44
仙境自由詩515/12/8 18:27
俳句3*15/12/6 7:31
命の果てに短歌015/12/6 7:13
透明俳句1*15/12/6 7:01
詩人の食卓自由詩415/12/6 5:14

Home 戻る 最新へ 次へ
7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 
0.19sec.