買ったばかりのコート
古着だから
少し大きくても諦めた

体はもう育たない
鏡はまだ遠くにある
急がずに歩く人のために

ポケットは深く
あなたも同じように
悩んだのだろうか

 ....
倒れても
起き上がり
痛みを憶えたまま
心は動いてる

無理とは言えない
私と似たもの同士

カーテンの裏側で
傷付いたら
ガラスで拭こうとして
透明な未来に
憧れてしまう
 ....
虹が消える前に
懐かしい気持ちを
連れて行った

遠くを見てるのに
近くを求めてる
私だけの遠近法

絵の具を持っていなくても
瞳を濡らして描く希望が
余計に空を滲ませる

一 ....
余ったハンドクリームを
塗る場所が欲しくて
誰かに恋してる

喉仏みたいに
尖った部分を
柔らかくできるなら

潤いを閉じ込めた
掌が滑る

これ以上
何かを落としても
綺麗 ....
一緒に過ごした日のこと
もう絵にはならないから
空へ返す時が来た

水色の風で包まれた
泣き顔ひとつ
元に戻せずに

魔法の中で
目を閉じたかった

僕たちは
違う方向に扉を作 ....
恋が終わった
同時に木々の揺らぐ音を
駆け上がった階段から落ちた

もう外へ向けて
放つ言葉はいらない

唇を閉じて
翼を畳んで

制服のスカートだけが
おしゃべりをする

 ....
あんなに好きだった人を
今では角砂糖の中に隠して 
崩れるのを待っている

いつまでも
答えをくれないから
名前の知らない花を
見つめていた

怒られるより
怒らせたこと

同 ....
恋人たちの台詞も
街の灯りも
寒さの上をゆくから
サンタクロースは
くしゃみをしている

誰かに呼ばれたように
そわそわとする一日を過ごして
フォークで傷付ける

星が二つに割れた ....
君の家の
玄関にあるもの
赤いポスト
白い雪だるま

さよならを言いに来た
僕の右手を添えた
木の枝に手紙

インクが滲んだら
涙みたいに見えるから
君ならその景色で
僕を浮か ....
花びらが落ちる時
唇を隠した
僕の秘密に
鍵を掛けたような

ハンカチよりも薄くて
透けてしまいそうな気持ち
心の中で広げていて
皺になりたくなかった

見えない空を
飛んで来た ....
リュックが擦れて
足音に混ざり
君の気配だと分かる

会えて良かったと
思いながら
どこへ行こうかと
悩んだりもする

賑やかな街を
背にすれば
ふたりの足音しか
聞こえなくて ....
叶わない約束も
守れない約束も
三日月に置けば
死刑台のように
飛び立てるはず

浮かれた時間を
粉々にしたくて
ブレーキのない
乗り物を探した

君は来なかった
僕は寂しかっ ....
あの落書きは
花火よりも
明るい色にした

真面目な名前だから
怒ってるように見えるけど
きっと呼んだら
僕の舌は甘くなる

何も食べていないのに
お腹が空かずに
君を思うなら
 ....
寝静まった夜の街に
爪先を立てて
誰かが弾いた
アルペジオの後を歩きたい

遠いと思った場所が
近くに感じるフレーズ

乗せてくれる車はないけど
星の間に落ちていく音がある

光 ....
同じ傘の中で
違う答えを出しても
ここは世界一
小さな屋根だから
身を寄せ合って
雨が止むのを待つ

ジーンズの色が
移るように
君の心を
少しでも似たような
青で撫でたくなる
 ....
誰にも言わない
イタズラな寂しさは
痣にして
空が隠すもの

静かだけど
無口だけど
心と共に
歩いてくれる

いつか前を向いて
言葉が生まれる時

どんな日でも
きっと裸 ....
あなたと離れてから
全力で生きるのをやめた

どうせもう笑えないし
涙の落ちる場所に
羽根を置いて貰えないから

黒いコートを羽織った
カラスみたいに

冷たい手を出して
はしご ....
冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない

誰かが私の本を
借りてしまったように

冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる

街を歩けば
イヤフォン ....
君は綺麗だなモノクロにしたくない
最後の日が来てまともに見れなくなる

僕の心で泳ぐ永遠は泡のように
寂しさを混ぜて溶けていく

ブックエンドのような背中
合わせて離れられない
倒れる ....
言葉の幾つかは
風船みたいに
君を誘って
心の真ん中を
知りたくなる

一度も
それらしいこと
言わなかった癖に

二度も
笑ってくれたから
しまう場所がない

幸せの表現 ....
突然、居なくなった君に
会いたくても
切符の買い方が分からない

どうしよう
この世界にまだ
君の寝息を授かる人がいて
くすぐったい夢を見る

枕ばかり高くなって
時間をやり過ごす ....
さよならから
気取ったドレスを脱がして
裸になった言葉は

背中の奥で暴れたまま
きっと孫の手じゃなきゃ
届かないだろう

住み着いて
名前を付けて
繰り返す
君の声


 ....
膝を抱えて
この部屋に沈む
自分だけが
小さくなって

叶わない夢だとか
届かない声だとか
暗闇のせいにして
息苦しくなるから
海の底だと思った

もがいて
足掻いて
黒い爪 ....
君と見つめ合った瞬間
世界から切り取られる
その欠片を瞳に入れて
僕等は目が悪くなる

ひとりでいるのに
ふたりでいるみたいな感覚で
回転ドアを潜った

待ち合わせなくても
出会え ....
偽りながら
偏りながら
擦り減っていく踵を
平気な顔して
舐めて歩くな

許されなくても
願うこと
愛されなくても
愛すること

自分らしく生きるために
傷付いたら
アスファ ....
どこかへ寄り道をするようなアルペジオ
まるで僕等みたいに
今夜も頬を近付ける人がいない

喉仏の中に三日月
飲み込んじゃって
僕はずっと朝を忘れよう

あの頃
目を閉じる感覚で
人 ....
さよならから始まる日曜日
無限だと信じていた時間が
慌ただしく値札を張り替えて
赤い文字で見つけやすくなる

暗くなるのを恐れながら
僕たちはいつまで
日曜日でいられるのかを
ずっと探 ....
真っ暗なのに
温かい場所
ポケットの中では
右手も左手も
答えを探していた

これが口なら
詰め込んだ夢とは
違うものを選ぶかも知れない

うがいのように
拾うのが先か
捨てる ....
手は信号みたいに
青い時
風を送って
黄色い時
見つめ合って
赤い時
ひとつになる

僕等が
同じセーターなら
抱きしめることも
出来なかったから

袖を通す時
自由な手の ....
重ならないように
歩いて
行き先を決めた
僕等はアルペジオ

側にいたら
どうなっていたのか
分からないのが怖くて

朝焼けの街で
誰よりも早く
目が覚めてしまう

五線譜を ....
ミナト 螢(1000)
タイトル カテゴリ Point 日付
コートの詩自由詩022/1/11 20:44
自由詩022/1/7 8:30
呼吸自由詩322/1/5 18:46
その為に自由詩022/1/3 9:11
change自由詩122/1/1 13:59
沈黙自由詩221/12/30 10:50
忘却自由詩121/12/27 19:25
eve自由詩021/12/24 20:54
雪だるま自由詩121/12/22 20:58
closed自由詩121/12/21 19:28
足音自由詩221/12/19 15:22
約束の捨て場所自由詩121/12/17 12:55
キラキラ自由詩121/12/15 18:06
delay自由詩321/12/12 11:43
√ルート自由詩121/12/8 20:13
何故、空は青いのか自由詩1*21/12/3 20:11
最近自由詩321/12/2 19:43
冬に向かって自由詩221/11/28 19:25
イエスタデイ自由詩321/11/27 16:07
アイノウタ自由詩121/11/27 10:38
悲しみに晴れの日を。自由詩121/11/26 7:03
バイバイ自由詩2*21/11/25 20:09
夜の底自由詩221/11/23 8:12
永遠自由詩021/11/21 8:12
自問自由詩321/11/18 19:39
百年先の孤独自由詩021/11/15 20:41
その先へ自由詩121/11/13 14:34
ポケットの中では自由詩021/11/11 18:35
自由詩121/11/7 11:11
その先へ自由詩121/11/6 20:21

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