冬になると
思い出す香りがある

ストーブよりも冷たくて
だからこそ肌の上で
物語を読み始める

不安が消えない日は
何か楽しいことを考えたり
柑橘系の甘酸っぱさに
腐ることのない ....
ナイフとフォークで
青い空を切り取れたなら

いま雨が降っていて
悲しい目をした人に
温かい光をあげられる

側にいられない代わりに
空を贈るから
見上げて欲しい

僕のわがまま ....
イヤフォンの中は爆音だけど
誰も怪我をしないから好きだ
自分と他人の世界に
柔らかい線を引きながら
朝も昼も夜も
心を工事している

トンネルが暗くても
音楽を聴きながら
光を受け取 ....
吐く息の白さで
秒針が溶けてしまいそうな朝

そうなったら
きっと今よりもゆっくりと
呼吸が出来るはず

窓の外を眺めながら
あなたのことを考えたり
意識だけなら
高く飛べるから
 ....
手に入らなかったものは
ポケットにしまえない

だから置き場を探すうちに
冷たくなっていく

思いはこんなにも
熱いというのに

君との未来が
空を突き刺す日は来ない

星でさ ....
病院が白いということ
全ての記憶に
カルテのような
置き場があること

始まる命と終わる命が
手を振りながら
点滴よりも静かに
空を見上げてしまう

誰かいないか
何か聴こえるか ....
君の腕の中に横たわり
安らぎが散らないように
僕の呼吸を置いたら
君の産毛が逆立っていった

知らなかった花を見るように
君のことを観察したい

肌の光り方とか
爪の切り方とか
ど ....
君の声が僕に届く
受話器を少し曇らさせて
その空気を庇った

時間がないような気がして
一度に沢山のことを
話したくなる

僕らはまだ
何も知らないはずなのに
どうして同じ方向を
 ....
天井が透けないまま
朝が来るのだとしたら
それは夢を見ていないからだ

こうしたい
あぁなりたい

頭から漏れる息は
軽いのに
最後まで昇り切れずに
目玉焼きの白身になったりする
 ....
夏の夜空に
打ち上げられた花火を
僕の車輪にして

遠く離れた
君のいる場所まで
漕いで行く

群青の草原を
駆けて足りるなら
炎の縁に
君を飾りたい

花火が街を照らす間に ....
寝息が包んでいた闇を抜けて
小さな呼吸は
始発電車よりも早かった

眩しいからなのか
朝を薄目で盗んで
それを混ぜるための
パレットが欲しくなる

乗せるものが無くても
軽くて透明 ....
ピアスの穴が2つある
どちらも好きなバンドが出来た時
何か印になるものが欲しくて開けたのだ

好きなものが出来ると
生き方が前向きになるし
傷口に塗り込むマキロンは
僕にとって夏の匂いだ ....
ふわふわとした
形のないものを抱いて
目を覚ました

今日は何だか
うまくいきそうだと思わせる
朝の匂いは甘くて

誰かの柔軟剤の残りが
空気に溶けて
酔っているだけなのか

 ....
どんな花だって
一度は誰かに歌われたはず
だから綺麗でいることに
意味があると思うの

君に見つけて貰って
安心したせいなのか
少しわがままな癖を
隠し切れなかった

それでも花の ....
雨の音が聞こえる
少し不規則なドラムみたいで
何かに合わせるつもりがない
そんな所が私と似ている

程々に働いて
たまに遊びに出掛けても
ひとりの時間が好きだから
返事のないものばかり ....
君に出会う前の僕は
腕を組んだまま
解けない闇を抱えていた 

今の場所から進めない時
君は上から光を当てずに
僕の心を工事してくれた

傷を見ても
深さを知ってる人の声は
僕より ....
傷付いたら
雨より細かく泣いて

出口を知らない涙だけが
途切れなく流れている

終わったはずの事なのに
思い出に秒針をあげて
ずっと回り続けようとした

嫌われても
避けられて ....
ひらひらと舞う桜に
頬を切られて
春なんだと気がついた

痛くない傷の後ろで
遠近法みたいに
並んでる思いは
順番通りに死ねない

好きなものを
好きでいるために
さよならを決め ....
橙の灯りみたいに
優しい君の声は
頭の中では
涼し過ぎるから
心の中で
聴いていよう

音符は黒のはずなのに
君の歌はロウソクみたいに
探し物を照らし続けている

その炎を借りた ....
イヤフォンは有線で
曲がり切れない孤独が
頭の中で渦を巻いた

長いノイズは
トイレにも流せないし
寂しい未来を想像する

ずっと信じて来た人に
感謝されたい訳じゃなくて
ただ愛さ ....
君と出会って
一秒の間に
星を溶かすほど
熱くなった
この指で
約束したんだ

誰も信じなくても
震えた命は
ひとつじゃないから
もっと先まで
信じていたい

僕等は同じよう ....
歩く時
地面と仲良くなって
見えないペダルを借りた

いつもより高い目線に
希望が泳いでいて
それを捕まえるために
ペダルを漕いだ

憧れる気持ちが
重力に逆らって
紐なんかじゃ ....
いつも優しくなれなくて
ざらざらしている舌を
外に出せるほど幼くはない

昨日の影に怯えながら
誰かの愛を求めても
オブラートみたいに包めない

きっと破れて
光の方を選ぶでしょう
 ....
いちばん好きな場所は屋上で
鳥かごみたいな制服のスカートが
風を受けるとひらひらと舞って
本当に飛べるような気がしたから

空を見ている間は
瞬きをして
雲を何針も縫ってしまう

上 ....
恋が終わって
首を吊りたい

花屋に売ってる
ドライフラワーみたいに

枯れても
悲しみたくはない

もうこれ以上
色を失くさないし
だからこそ
安心して見れた

乾いた花 ....
二人でいつも
放課後を探した

教室のカーテン
裏から見える世界は半透明で
人が踊るには丁度良い

誰かが食べ残した
ドーナツの穴を潜り抜けて
知らない場所まで行こう

セーター ....
寂しさと
同居しているから
楽しいことが
分からない

僕だけは
理由がなくても
空っぽなまま
バスに乗る

揺れて
気持ち悪くなって

いつもの場所で
降りたことを
悔 ....
行きたい場所
会いたい人

そのふたつが
夜空で交わる時に
星が見える

どんな距離でも
飛べる光を
瞳の中で踊らせて
旅をする

探し物ばかりで
ちゃんと
歩けない日も
 ....
何処にいても 
居場所がなくて

眠る時だけ
楽になれた

逃げるように
毛布を抱いたら
とても暖かくて

夜には夜の
処方箋があった

それでも
ひとりで
生きるために ....
桜前線の
前と後ろに
あなたと私がいる

住む場所も
暮らし方も
想像では
追いつかなくて

あなたより
少し遅れて見る花に
あなたの言葉が
書いてあることを
期待している
 ....
ミナト 螢(1000)
タイトル カテゴリ Point 日付
香水の詩自由詩423/11/22 21:00
カトラリーカチャトラ自由詩4*23/11/19 16:00
メトロ自由詩223/11/18 21:05
silence自由詩423/11/9 20:33
金木犀自由詩2+23/9/24 21:17
旅立ちの詩自由詩623/9/17 21:32
人間開花自由詩223/8/27 18:48
月下美人自由詩423/8/11 19:19
spring and fall自由詩223/7/19 18:49
車輪の詩自由詩6*23/7/5 20:37
ブルーアワー自由詩3*23/6/21 20:11
神飾り自由詩423/6/2 19:54
again自由詩323/5/21 19:04
勿忘草自由詩123/5/8 19:25
chill自由詩423/4/28 17:40
butterfly自由詩123/4/23 18:57
雨女自由詩1*23/4/19 18:34
beautiful world自由詩1*23/4/15 12:39
アカペラ自由詩3*23/4/10 19:37
LOVELESS自由詩1+23/4/3 18:21
メゾンスペシャル自由詩2*23/4/1 17:13
ペダル自由詩123/3/27 20:44
drop自由詩123/3/22 18:07
teenager自由詩023/3/19 19:42
ドライフラワー自由詩123/3/16 20:09
アフタースクール自由詩523/3/13 21:37
その先へ自由詩323/3/10 20:21
トロイメライ自由詩323/3/7 19:29
百年先の孤独自由詩223/3/5 16:50
桜前線自由詩023/3/4 16:53

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