ヘルメットの惑星を被ったら
最後まで走ろう
地図のない夜を越えて
景色が全て道路に見えていく
ひとつの荷物を運ぶのに
たくさんの手を借りているほど
ヘルメットの重力を感じながら ....
光は背伸びをして肩を叩き
私の半径に翼をくれる
少し前に生まれた心が
夜空を砕いた和音のように
思いや言葉が時を超えるなら
手を添えるほど高く飛んでいたい
迷いはないか
恐れ ....
メロンソーダの底で揺れる
妖精の冠が綺麗なのは
触れると弾けて消えるような
一瞬のうちに終わる恋みたい
その中で私はまた夢を見る
これは誰かの涙なんだろうか
それともあくび ....
胸のロケットが燃料を探し
手が届かないまま
延長コードの先に明日がある
ような気がしてた
ミルクを入れたばかりの
コーヒーみたいに
白い道で誘う夢がひとつ
寝返りを打つと消え ....
空の分け目に白い粉がつく
前や後ろに落ちてくるから
オブラートを飲む街の景色が
吐き出す息に口づけを交わし
窓枠に集まる結晶の跡を
なぞるたびに崩れる模様が
未来や希望のように ....
極彩色の街で振り返ると
逆光の中に落とした土曜日が
スニーカーの底で温められる
見つめ返してくれたのは
あなたなのか光なのか
もうずっと分からないまま
誰かの洋服の袖を掻き分け
....
銀河の扉を開ける鍵があれば
天秤に乗った髪の毛を買って
美しい女性になりたかった
ふたごのブランコで孤独を揺らし
鏡の前で惑星が泣いて
北斗七星の柄杓が汲んだ
....
足りないものがある気がした
こんなに背が高くなったのに
歩いても走っても届かないほど
夢はひとつの砂漠に眠る
宝物みたいな安い飴を
オブラートに包むような指先で
地球の裏側にマ ....
ゴムホースの中を夜が通るなら
瞳が導く星の世界に
強い力が泳がせる先端を
ロケットみたいにゆらゆらさせて
空を飛ぶより早く見せてくれた
あの光はまだ帰らないけれど
瞳の周りを腫 ....
自転車置き場に届く光が
まだ短くて生まれたばかりで
跳ねた髪の毛を撫でる時だけ
僕の顔を見つめるように
寝返りを打ったその体は
宙に浮くほど細かい指先で
カゴの中を編んでいるけ ....
打ち上げ花火で自転車を探す
大きな車輪を転がす間に
舞い上がる心を乗せて行くよ
見えないはずのレールを繋げて
後ろ姿だけ確かめられた
あなたの光と混ざろうとしたら
私の身体が燃やし ....
見えない星の先を想うほど
遠くなる息は綺麗に積もり
まだ呼んだことのない
あなたの名前を
銀河へ流したビー玉みたいに
探しに行くの
無数に広がる玄関の靴が
夜空で私を待っているか ....
僕達の耳は離れていても
ハートの片割れを探している
だから髪の毛で隠さないでね
風に震える柔らかいカーブを
何周すれば君に辿り着くの
脇目も触れず歩いてきた道に
ピンクの朝焼けが広 ....
汚れた街でバナナが腐ってく
自分の芯を曲げた人の心
休みたくなって陽にも当たらずに
傷ついているのが分かるだろう
ぬるっと黒い血が滑る場所で
手放してきた全ての力 ....
丸くて赤いクリスマスの飾り
掃除機で吸い込もうとした
それでもなくならなかった
休日や祝日の分だけ
飛行機やホテルのように
予約するものがない
果物も野菜も交換してきて
夜が長く ....
星も転ばない夜の空には
セーラー服の袖が届かずに
みんなとは違うものが欲しくても
インクを貰った心に描く
レコードを回す針のように
足を広げると世界が続いて
例え転んでもやり直せるから ....
紡いで解いた言葉のように
生まれ変わるならこの胸の中で
まだ熱かった心に手が届き
絵の具みたいに掻き混ぜる時間が
過去は薄くて未来は濃くなる
パレットに乗せた彗星 ....
マフラーの幅を
広くするたびに
寒さが消えて
世界が歌うの
林檎に耳をつけると
逃げるから
丸噛りの芯を
重ねたまま
倒れなかったら
恋が叶うとか
希望の中に
ほんの少し ....
半透明な指で追いかける
光に射たれて消えた感覚が
雪道で拾う手袋みたいに
新しい関節で話してる
空の穴を心で支える
椅子の上に立ち
飛んでいく光の列を見ると
はぐれた命の印をつけ ....
あとがきのような
夕方に残す
手紙の最後を
迷っているから
インクの匂いが
蜜柑と混ざり
便箋の端を
濡らしてしまう
瞳の色だ
嘘も言い訳も
全て包んで
濁りを煮立てて
....
風の一秒に止まる唇が
時の壁を破るまで透き通り
どんなものでも心が見えるほど
近づきたくなると信じてる
空と海に青が流れたのは
互いの袖を結んでいるから
似たような愛で引っ張り合っ ....
分裂していく
シャボンのように
ストローの先で
すくいあげられる
言葉が刺さり
心臓を増やして
数える間もなく
百個になった
ありがとうという
声を返したから
ひとつ減った ....
ペダルを漕ぐのはいつも空の上
丸い寝顔を追い越してゆく
安心を舐めた両足の裏に
広がる明日が水を溢すなら
吐く息の白さを堪える前に
黒い地面に叩きつけられる
アスファルトに擦っ ....
折れた傘が
螺旋に落ちる
胸元の開いた
洋服を刺して
踊ってる
わけじゃない
狂ってる
だけの足音
何度目だろう
近づく冬に
抗えないから
マフラーの先で
....
明るい空へ
消えてください
流れ星のように
祈りを囲み
佇む人たちが
待たされている
今宵の雪を
地面に降らすまで
※逆からも読めます
ズボンの人には負けると思った
スカートの裾を広げてみても
立ち位置を示すパラソルの上で
夢を転がす時間を閉じるの
下手クソだったラケットの扱い
これが人なら表しか見ない
悪い癖を抱 ....
乗り物に与えられた信号で
この街はいつも渋滞している
見えるかい空の高さと同じく
返した言葉がガスに包まれて
色も音もなく消えていく前に
君の背中に矢を放ったんだ
分かるかい翼のな ....
足踏みをしてた昨日の空を
吊り上げた指が時間を解く
小さな結び目の数だけ休み
穴のような満月に落ちると
心に通す糸を増やしたり
交わるたびに染まっていくけれど
寂しさを繋げて鈴にす ....
春の吐息は明るくて迷う
風が散らした花びらの上に
座る場所もなく青い空を立て
ベンチにするなら絵を描きたい
眩しい景色に負けているのは
心を脱いでも走らないことを
覚えてしまった大 ....
呼吸の出口を塞ごうとした
その光でもあの背中でも
届かなかったと悔やむ間もなく
踵が地面を嫌がっている
誰かのリュックで飛べるほど軽い
夢を抱えても笑わないでね
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