昨日嫌な事があった
正しいと思う事を
伝えるために
必要以上に
焦っていた
人を傷付ける
言い方が
賢いとは
思えないのに
今にも牙を
向けそうになった
ギリギリの所で
....
鳥かごみたいな
カバンの中に
大切な本を
持ち歩きたい
部屋の隅で
広げた世界を
丁寧に折り畳んだ
それはまるで
スカートの裾を
抑えるように
風の誘いを断った
カバ ....
恋が終わっても
気持ちは続いている
甘くて霞んだ
ドライフラワーみたいに
掴んだら壊れそうで
だからこそ
リボンでは束ねられない
ひとり分の光が
慌てて逃げ出した
さよならから
....
繋ぐ手はない
だから揺れる花を
殺さないで済む
有り余る孤独に
言い訳をしなきゃ
許されなくて
心を擦り減らす
斜めに構えた
空が水色になれば
僕の寂しさも
透けて見える ....
失敗ばかりした
分析などしない
理由は幾つもあるから
その割れた風船を
腰に結んで
風を待っても
飛べるはずがない
この先
過去に戻れなくても
忘れ物はしたくない
だか ....
僕の隣は
相変わらず空席
君の気配に
囚われながら
座りたがる人もいない
あの頃みたいに
ばったり
出会えたら
ふたりして
迷路を抜け出せる
街が広くなったのか
....
降る雪は積もらずに
口から溢れた諦めが
恥ずかしそうに転ぶ
寒さのせいにして
何もしなかった日は
冬が嫌いになるし
たまに晴れたりする
空を見ると
春を待つしかない
季節 ....
傷だらけで
言葉を掴んでも
その端っこで
手を切った
無数の星より
鋭い歯を持つ言葉たち
それを磨くため
時には光を受け入れる
詩に向かう時
いつも夜で
あって欲しい
....
ふわりと
瞼に乗せた
シャドウの光
今更のように
化粧を始めて
恋する身体は
発色するんだ
君に会いたい
場所も考えず
不思議な顔で
僕に近付いて
覚えたてのメイクを ....
白いコートに
光が入り込む
旅人みたいに
春を感じながら
このくらい
薄い生地なら
心も透けるのか
隠し切れない想いを
ポケットから
取り出して
南風に
触れてし ....
鉛筆は握らない
それでも
胸の中で尖った芯を
マスカラに
変えられたら
あの子みたいに
可愛くなれるの
変わりたい訳じゃないし
今のままで良いとも思えない
時間だけが賢くて
....
空から降るものは
どうして冷たいの
手に触れた時
逃げる場所がなくて
小さな怪我をする
雨なら雨の音を聞き
雪なら雪の音を踏み
いつもより
遠い場所で
叫びたくなる
....
夜と朝の間で
目を開ける
光と影が
折り紙のように
生まれる街で
美しいものを
見るたびに
何か返事を
したいと思った
僕なら声で
猫なら尻尾で
星をなぞりながら ....
教室のカーテンに
隠れた放課後
チャイムの音の間から
君の歌が聴こえた
小さいけど
傷だらけで
それは優しい
裏声の中に
住んでみたかった
何か言えば良いのに
何も ....
ひとつの愛しか
知らなくても
笑わないで下さい
僕等は
同じような目で
光を差した
他の誰かが
気付かないように
印を残した
世界を欺きながら
深めていく季節は
木の ....
抱いてくれた夜は
背中に羽根が生えて
どこまでだって
飛べると思う
時間に割かれた空を
見上げながら
星座よりも近くに
君を感じている
何も聞こえない街を
僕等の息で汚してい ....
君と僕の楽譜に
好きという
記号を書いたら
何回だって
同じ景色を見て
何回だって
同じ物を食べて
そして
感謝の気持ちを
伝え合っているうちに
朝が来るような
生活がし ....
君が手を叩かない日は
雨が降る
傘を指し
見知らぬ人との隙間に
安心したりする
君が窓に触れない時は
虹が架かる
なないろ
言えないままの幼さに
恥ずかしくなる
君 ....
ひとりでいるのに
寂しそうに見えない
それは真っ直ぐに
歩いて行くから
派手な看板の下で
待ち合わせたりしない
ただ生きるために
必要なものを探して
好きとか嫌いとか
....
僕等はまた
出会えるかな
遠ざけた日を
何度も悔やんで
君のことを
悪者にしていた
許されなくても
きっと誰よりも
信じてしまう
罪の重さで
君の物語は
読めなくなっ ....
三色ボールペンの
赤は忙しいから
青になりたい
黒は寂しいから
青になりたい
必要とされる日が
少しあれば良い
赤みたいに
強くはないし
黒みたいに
怖くはないし
涙 ....
毛布の中で
繋いだ手が
汗ばんでいく
時計は見ない
太陽が怒ってる
僕たち
そろそろ
準備をしなくちゃ
君とふたりで
今日も旅に出る
おはよう
始まりの声が
....
片結びの恋でした
蝶じゃないから
空は飛べません
ただひとり
取り残された
教室で頰杖
テストの点なら
負けないのに
好きという
気持ちだけが
うまく伝え ....
夢を追い駆けたら
純粋でいられるのは
ほんの少しの間だけ
それでも僕等は
好きなことがしたい
苦しくても
つまらなくても
最後には
笑わせてくれるから
この道を
選んで ....
誰もいない
海なら
押し寄せる波で
君を抱きたい
激しくて
離れられない
そんな運命を
信じながら
忍者のように
足音を消して
昼の真ん中で
鏡を見よう
寒そう ....
降り積もる雪が
脂肪のように
纏わりついて
うまく歩けない
傷だらけの体は
その痛みを
忘れたいのに
思い出してしまう
幸せだった日の事も
闇の中に消えて
帰れなくなる
....
胸の中にあるから
光る言葉を
信じている
どんなに長い指でも
拾うことは出来ない
私だけの秘密を
書き初めした部屋は
誰にも見せないから
掃除をしないで
鍵を掛けて置く
....
好きだという気持ちが
ひとつ割れても
残りの形を
抱いて生きてる
人混みの中で
ぶつかりながら
萎んだ恋には
踵を踏まれる
まだ好きで
いられるだけで
さよならの
意味を ....
飛べないと決めていた
窓から捨てたい
勉強しなくなった机
未来に爆弾仕掛けた時計
他人が書いた物語
私を不安にするものは
全部埃の中で
走りなさない
燃えそうなゴミほど
....
もう心から
笑える日は来ない
大切なものを
失くしてしまったから
それでも
朝が来れば
パンを焼き
その耳で
どこでもドアを作る
お腹なんて
空いていないのに
....
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