あなたのいない日々が
透き通るまで
タメ口ひとつ
忘れた心に
果てなく感じる
距離の重さを
例えようもなく
見上げる桜は
ドレスコードみたいな
淡いピンク
飲み込んで
溶 ....
八段目をうまくクリア出来ない
こんな毎日を誰が見てるの
時計の針が正しく刻んでる
薄明の月も少し笑って
命を更新していく放課後
持たされたランドセルを跳び箱に
超えていきたいマーブ ....
歩き方をいつ
覚えただろう
走り方はまだ
知らないのかな
遠く光が進む
道は孤独
君はその中に
名前を残し
笑顔も増えた
あの頃よりも
互いに交わした
言葉を胸に
抱い ....
永遠という言葉の中に
私が含まれるのはいつだろう
例えばスプーンに座って
誰かを待ってる
上がらないシーソーは退屈で
お尻が冷たくなるだけの時間
言葉というリズムに乗れたらなぁ
麦わら帽子を置いた向こう側
取り残された惑星のカケラ ....
雨音は
考える時を与え
立ち止まる街の
空気を洗う
映画館で投げた
ポップコーンや
最後まで
続かなかった言葉に
もう一度はない
そういう覚悟で
この瞬間を
生きているの ....
珈琲の中に
城を作った
溶ける角砂糖
火傷する体
十個目の窓に
助けてと願う
白い粒子が
マグカップの色で
塗り潰されて
スプーンで
混ぜると
黒い海に光る
星 ....
洗面器の中に
水を張って
浮かべた夜空は
もうひとつの庭
駆け回りながら
届かないと
諦めてしまった
心に集まる
大地の音感
聴き返す時間を
貰えるのなら
門限は破ら ....
生まれた時に
手や足や目に
なってくれた方へ
二人でできる
喜びのポーズを
発明していく
人がいるから
もう寝そべっては
いられないよね
朝露の温度が
冷たいうちに
....
音符に合わせて
歩いてみると
雲の上に
足跡が残るから
いつもより早く
目的地に着く
南風の暖かい
空気はシャツの
第2ボタンを
開けたくなる
雪解けの
アスファルト ....
マスクに包んだ
内緒話で
毒抜きをしてる
唇に何故
チューリップ色の
花が咲くのか
這い上がれ
地上で黙する者よ
線路の外側を
守ってるから
命は雪崩を
起こさなくなる
....
影はその人の
気を引いてくる
大きくなったり
ぼやけてみたり
スカートの中に
何かを隠し
風のように
遊んだ夜のこと
小さな水溜りの
内側で
ポロンと弾ける
月は輝い ....
セーラー服の第2ボタンの下
見えない手形が押されたあの日
腐った果実と一緒に捨てた
体の行方が心とはぐれて
ダスターシュートの入り口で死んだ
触れることも触れられることも
許せなく ....
透明な砂漠が
空に広がり
回るペダルで
時間を止めながら
誰よりも強い
世界を探そう
意識の中に
光を打つ魔法
薄いセロハンを
瞼に乗せて
たゆたう風の
踊りを眺めて
....
涙と雨を掻き混ぜて
同じ輝きになるまで
見ていた
虹のベルトを
胸に締め付けて
白いワンピースの
模様にしよう
洗っても
消えることのない色を
思い出と呼んで
心にしまえば ....
夕暮れは
皺が寄った赤い空
この指先で
解けてしまうほど
今日は結べない
リボンのように
誰かの心を
惹きつけたまま
輪の中に入り
燃えていたいよ
火傷するくらい
熱 ....
心臓のインクリボンが
黒い点を打つ
静寂と私
足音が迎えに
来てくれるなら
明かりがなくて
良かったと思える
闇にこそ
吹きかけたい溜め息で
魂の十合目を
昇るから
....
肩を並べて歩きたいだけで
綺麗になろうとは思わなかった
見た目で得する人の分まで
損してやってる安い運命は
少し苦くて喉に引っかかる
思い出みたいな時代の鏡を
右手で割って左手で守 ....
疲れ切った身体に
染みる歌が
寒さよりも早く
こっちに座る
使い古した
勇気のチャンネルを
一人でずっと
回して来たんだ
生きるために
タイマーをかけること
この先も続く
....
誰かが眠る
夜のベンチの上
欲しいのは
毛布だと言えるなら
きっと幸せな
一日になるね
夜のベンチに
冷たい涙を
落とした瞬間
星の集団が
感染したから
こんなに熱を ....
分裂していく
あの雲のように
幼い子供の
シャボンに映る
虹色の街を
越えて行ったら
追いかけるものが
なくなってしまう
路上に置いた
翼を広げて
輪の中で泳ぐ
そん ....
毎日の両腕が
囲んでいる
空気や鞄の
大きさを見つめ
比べる相手も
いない掌の
隙間に挟んだ
ポケットティッシュが
歩き出す僕の
宇宙になった
冷たいビニールが
安っぽく ....
ネクタイの結び方を知らずに
目の前にあるお手本を避けた
慣れた手付きとヨレたイニシャルで
社会という橋に虹を架けて
はみ出さないように生きていくこと
不器用なトレンチコートの紐が
....
何につまづいてどこで倒れて
誰の手も届かないこの場所で
立ち上がることが怖くなったから
今は目を閉じて時間を戻そう
パールのネックレスのような長さで
繋いできたはずの思い出が揺れて
....
曲がるトンネルに奪われた視界
両手にぶら下げたビニール袋は
あたしの歩く距離を知らなくて
ガサガサと立てる音に付いて行く
振り向いて欲しいお母さんの顔
あたしならもう靴擦れの跡を
....
恋も病も終わりなど見えずに
体を燃やして尽きるのを待つ
たったひとつの命を削った
髪の毛を抜いて道を作るなら
誰もが避けてくゴキブリのように
曲がりくねった暗闇を行こう
太陽の日差 ....
眠れない夜に限って
外は雨だね
時計の針と
水滴のリズムが
重なり合って
押し潰されそうな
街の月明かり
薄いドレスの
裾から溢れる
光が足りずに
宇宙へ旅立つ
シー ....
大人になると
目に映る全てに
順番を付けて
幸せを急ぐ
振り切って
好きなものを
選べる力が
正義なんだと
言い聞かせた夜
ミシンをかけた
雑巾の表と裏が
どっちでも同じ ....
ポストの胃袋に
積んだハガキは
あっち向いてホイ
知らないままの
顔で運ばれてく
極楽浄土の
土産に持たせた
白い砂糖が
雪に混じっている
姿を見せずに
気配を残した
....
黄身の大きさが違う目玉焼き
食べれば同じ味がするのだから
きっと左右のバランスが違う
この眼にだって夢は見えるだろう
頭は嘘を付かないプロペラを
心で回して不安定になる
前髪で ....
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