黒板に書かれたチョークの傘を
否定もできずに粉を浴びた日

君と僕の名前を消しながら
ためらう心は嘘じゃなかった

楽園だと思って飛び込んだ胸には
とっくに誰かが住み着いていて
これが ....
自転車で二人乗り
映画みたいには
うまくいかなくて

悔しそうに降りた
男の子の肩を
女の子が押さえる
数秒間の

無造作な仕草が
優しく見えて

きっと人は
寄りかかりたく ....
暮れかけた空に
光る星の名を
あなたに教えて貰った

それは生きるのに
役に立たなくても
心に花咲く同じ記憶よ

図鑑と懐中電灯の
隙間を越えて
指差す方角に
位置を求めた

 ....
頭の中の
折り紙が一枚

翼を広げて
羽ばたいていく

飛行機雲の
交わる中心に
何かがありそうな
期待を乗せて

水溜りに映る
青空へ触れて

ガラスの表面を
砕くよう ....
透明な箱が
横たわっていて

埋めることも
奏でることも
触れることも

できない宇宙に
立ち向かうけれど

思い出や
CDの曲や
未来の夢さえも

空白の時間を
必要と ....
少しだけ
冷たくなった風が
両腕の周りで
遊べるように

選んだ半袖を
迷うのもあと
どのくらいかな

素肌を感じる
心地よさを知った
僕の体温は
低いのだけれど

夏の太 ....
枯れ果てながら
忘れられる花は
一年後に咲けば
思い出して貰えるのに

頭の中で回る
ダイヤのような
君の記憶は
何を照らすだろう

新しい道を
歩く人がいて
振り返ることが
 ....
ベッドの上で
もがいてるだけの
スイマーだって

100メートル先に
目標があれば
進むことができる
気がするんだよ

自販機の点滅する光や
鈴虫の鳴き声の響きだとか

青の方 ....
風をよけながら
歩く空の下

誰かに守られるような
両腕のゆとりが愛しくて

袖を引っ張って
確かめる生地が
暖かさで伸びませんように

おろし立ての
秋のプレゼントを

か ....
今日も一日
横になっていた

詩を書く時だけ
縦になっている

思考が止まっても
時計の音が
メトロノーム
みたいに聞こえて

あと数分で
眠気が襲ってくる

明日は少し
 ....
君ならいつかは
耳を澄まして

遥か遠くに
置き忘れた夢を
取り戻すために
歩き出すでしょう

走馬灯のような
景色を煽り

ノンアルコールで
覚醒した未来は
喉が渇くほど
 ....
君に会えると
言った後で
君に会えないと
嘘付く花びら

たんぽぽの
輪郭が消える頃
夜はスカートの
下に潜り込み

君に会えるまで
数えた黄色の
長い爪を集めた
花占いが
 ....
背の高い人が
腰をかがめると
近付いてくる
唇のラインは

口に咥えた
タバコの煙を
手紙のように
渡された気がして

君の目を見たから
動けなくなる

互いの姿を浮かべて
 ....
いま全てを投げ出したなら
どんなに身軽で孤独でしょうね

しがみ付いている
この一瞬も横切る風は
冷たくなっていくのに

温かい言葉を探しながら
差し出す相手が
見つからないまま
 ....
壊れない社会のジップロックで
閉ざされた心が温められて

喜びの沸点を分かち合うような
家族がいれば幸せなんだろう

目の前の線路をコピーしても
繋ぐことがうまくいかずに置いた

動 ....
漠然とした欲求の中で
表現という橋を渡っている

右手に持ったペンの感触が
やっぱりここだと思わせるほど
ノートの上で走り回りたがる

消しゴムの体が小さくなる度に
良い作品が書ける気 ....
熱を含んだ雨が空を刻み
冷たい窓に水滴を残し
レシートの角で当てると痛がり
愛に例えるとそれは君だった

ハンバーグの肉汁みたいに
汚れたものしか出てこない体を

擦り合わせてパスポー ....
目の前の眩しさに
光を抑えてしまう
臆病な指先で
影を作った

未来が希望だなんて
歩いた人にしか
解らないから

凸凹の道を
駆け抜けてゆく

明日が幸せだなんて
皆に伝え ....
鍛えた体と星を比べると
熱い胸の音が肌に届いて

瞬きはいつか
消えてなくなる

朝だろうか
雨だろうか

色は鮮やかに記憶を結び
命は穏やかに鼓動を早め

見えない時間を
 ....
音程のない日常の悲鳴を
脱ぎ捨てたTシャツで掴まえて

染み込んだ声を空へ放つ時
光の花束を受け取っていた

音感のある生活は疲れて
傘の先端を伝う雨音の
心を語るまで帰れなくても
 ....
自分だけが
未来を選ぶような
青春のポジションを
守りたくて

買い戻した切符で
どこへ行くのか

人のいない海は
なかった
音のしない花火は
なかった

ざわめきの中を
 ....
あれは何だったのだろうか
白い下着に
染みた赤い穴

生臭くて吐き気がして
身体を逆さまに
したくなった

汚れた下着を
着替える前に
見つめてしまった
その一点が

創作の ....
咲いていく花の隣で
枯れていく花の測定

小さくなった体は
人も同じで
最後の匂いを
誰に残すか

花は何も選べずに耐えた
人は希望をひとつ許された

化粧ポーチの中に
赤い口 ....
壁をよじ登るようにシーツを握って
呼ばれなくても会いに行きたい

深夜のラジオ放送を付けっぱなしにして
作ったアリバイが崩れる朝に

北上する台風より早く
辿り着きたい場所があった

 ....
テーブルクロスを二つに折って
君がいた日々の模様を消した

遠くで聞こえる予鈴の音が
誰かの踵に潰されるのなら

忘れなきゃ前へ進めない
悲しみの全てを一緒に汚し
季節を見渡す気球に乗 ....
手荷物のない少年の背中に
砂時計のようなギターケース

少女として生き抜いた限界を
ひっくり返すつもりだった時間

あなたはどうして
うまく運べるの

練習したからかなぁと
少年ら ....
だるまさんが転んだと
遊びながら目を開けると
いつの間にか姿を消して

誰もいなくなった公園のススキが
半ズボンの膝を撫でていくのを
見とれているから置いて行かれた

皆どこに隠れてる ....
優しさと厳しさを
眼鏡のレンズに入れて
見える世界は

教え合って渡り合って
釣り合うようになるから
ぼやけた視界で
諦めずに探した

遅くはない未来を
待つよりも一緒に
掴まえ ....
都会のスピードに慣れようとして
おもりを外した身体で生きる

良く見えない星に掴まるよりも
ネオンの明かりが無個性に光り
次から次へと流れていくから
タクシーを止めるのが下手だった

 ....
先回りばかりして
内に秘めた強さを
花瓶に沈めた人が
透明な歌を望んだ

押し付けない
優しさを
どっちなのと
決めつけられて

勘違いされたり
色を塗られたり

背負った荷 ....
ミナト 螢(1000)
タイトル カテゴリ Point 日付
僕たちの失敗自由詩218/9/22 10:30
優しい温度自由詩318/9/21 19:25
家族自由詩218/9/18 18:28
自由詩218/9/17 19:06
空白自由詩118/9/15 14:51
半袖自由詩218/9/14 17:14
最後の詩自由詩118/9/14 14:54
青の方角自由詩218/9/13 16:06
長袖自由詩2*18/9/10 19:15
寝る前の詩自由詩118/9/9 22:42
働く人自由詩218/9/7 16:23
輪郭自由詩218/9/5 17:12
約束自由詩018/9/4 19:19
独り言自由詩118/9/2 19:38
生活自由詩218/8/30 19:28
グロリア自由詩118/8/29 13:56
自営業自由詩218/8/28 11:13
明日の行方自由詩118/8/27 14:35
自由詩218/8/26 15:43
forte自由詩118/8/26 9:51
完走自由詩118/8/25 16:43
10歳自由詩218/8/25 10:48
時差自由詩118/8/24 13:46
遥か自由詩118/8/24 13:37
移りゆく季節自由詩1*18/8/23 9:39
秘密の花園自由詩018/8/22 15:12
未来自由詩118/8/20 9:41
友達自由詩218/8/19 20:41
東京自由詩4*18/8/19 10:58
繊細自由詩018/8/18 18:04

Home 戻る 最新へ 次へ
7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 
0.17sec.