金魚が泳いでポイを近付ける
尾びれで破られた薄紙はまるで
朝に剥がした障子みたいに
穴を開けながら太陽を見てる
残念ですねと言われたとしても
金魚が欲しかった訳じゃなくて
逃げるように ....
君の歌声が透き通るから
ひと針ずつ縫った空気の流れに
足を外へ払う翼があって
落ちない夢を両腕に抱えた
色んなモノを失くして拾って
届けてくれる君の音楽が
僕の内側でこだまするように
....
気流は常に
僕等を見降ろして
空の間を漂う旅人
指先から
聴こえる鼓動を
撒き散らしながら
運命を捨てる
鳥たちの声よ
トランプのカードで
窓を作れば
みんながダイヤの前に
....
僕が生まれた日に
鳥は逃げた
命を貰ったような
気がして
空を描くことを
続けている
本当は飛べる
力があるのに
落ちることばかり
心配してさ
そうならないように
愛を描いて ....
また会えたねと
いつでも言えるほど
私達の関係は
良好だから
思い切って
飛び込んでみたいよ
本当はマフラーで
リボンを結び
離したくはない
自由な翼を
握っているのは
誰な ....
落ち葉を踏むと
くしゃみをするから
肺が潰れて
壊れてしまうね
折り重なった
体をかばい合い
伝染病のように
死んでいく
同じ顔をした
違う命に
秋という音が
渡される時
....
その光、その色
ジェラシーに似てる
太陽の末路
心にも沈める
海があったら
こんなにも熱く
燃えたりはしない
鍵穴から
ねじ込んだ想いを
君は受け取って
くれなかったね
あれ ....
立っている
風のないブランコの上で
身体に巻き付けた鎖の鎧
もう抱きしめたり出来なくなった
誰かの抜け殻に熱を上げて
錆びた鎖には映らなかった
思い出の日々を揺らし始める
砂時計 ....
赤い鞭が腕を滑って
削ろうとした生命線よりも
傷跡をひとつ手首に増やし
生きてることを感じられるために
私は今日も罰を受けています
剥き終えた林檎の皮のように
渦巻く心で毒を溶かす ....
『宇宙ごみ』
吐き捨てたガムを包む銀紙は
星になるのか石になるのか
宇宙のごみセンターに問い合わせ
地球のルールに従うように
銀紙の上に名前を書いてる
『流星群』
メロンソー ....
桜の一枚がハートに染まる
私の心は春に愛された
ひまわりの花が私を隠し
幻のように夏に消された
金木犀が思い出を連れて
私の日記は秋に流された
銀世界が口にマスクをさせて
私 ....
潮風で錆びた蝶々の羽根が
砂浜に沿って転がっている
波打ち際で動かない体が
螺旋を描いて燃え尽きそうだ
溜め息で模様が変わる羽根は
貝殻のように折り曲げられて
夜になって隙間をのぞ ....
時間の中に
抜け道を作り
空っぽになりたくて
飛び出した
濁った瞳や
淀んだ思いが
自転車のように
回転するから
透明に等しく
輝いていく
手ぶらの私が
帰る場所まで
....
病室の窓から
見える風船
白い魂のように
動いて
誰かあれを
掴まえて来てよ
だって私の
未来なんでしょう
花瓶の中に
沈んだ心が
飛び上がりそうな
景色だったね
抜け出そ ....
あなたの膝の上で笑います
あなたの喉の奥で涙します
丸めたティッシュペーパーを
ばらの花のように飾ってるから
そこに集まる人達の胸に
一輪の花とワンコーラスを
届けられらたら今日は ....
手書きのノートに
斜線が出来て
立ち上がれない
言葉を知っている
重たい文鎮を
乗せたように
闇に沈む船が
何隻もあり
光を求めて
与えられずに
深海の淵を
彷徨う魂
....
空の傷口から溢れる雨が
髪の毛をとかし束になるまで
触れられることのなかった身体を
守って来たんだ呪って来たんだ
掌を滑る雨の粒は丸く
パチンコみたいに弾かれながら
運命線の先に立ち止 ....
順番通りに死んでいくのなら
僕は何番目の星になるの
ビニール傘が裸になるような
風が吹いて雨が降って
おにぎりが三角じゃなかった夜
いなくなったお母さんのことで
食欲をなくすはずだ ....
水色の希望を空に溶かして
氷の上に乗せたブルーハワイ
胃が痛むくらいキュッと縮んで
思い出はドミノ倒しのように
現実の壁を薄くしてゆく
美しかった君の困った顔
他に誰が知っていると ....
痛みを取る薬でもなく
涙を乾かすハンカチでもなく
壊れそうになる僕等の心に
処方されたのは時間だったね
沈黙の2秒は君のために
3秒は僕のためにあるから
急がなくて良い笑って欲しい
....
ストローで
シャボン玉を
吹いたなら
優しさや不安を
包み込んだ
虹色の
回転ドアになって
割れないように
高く高く飛ぶ
心を吐き出す
みたいに
シャボン玉が
空を奪い合う ....
ポスターの中に
青春を飾り
剥がすタイミングが
分からないまま
四隅に止めた
セロハンテープが
粘着力をなくして
おどける
この世にしがみ付く
未練もなくて
日焼けをしたから
....
あんな風になれるのだろうかと
優れた人の力を見る度に
希望と絶望の点滴の音
溜め息と唾を吐きながら捨てる
大型の台風のように去って
僕の心に残った濁り水
透明になるまで何度も洗い
自 ....
君の代わりに抱きしめるカーテン
薄いレースは白く軽やかで
向こうの世界が透けて見えるから
触れると熱くて破れそうになる
窓際にやって来る風の唄や
耳を当てると何かが聞こえて
レースの擦 ....
死刑台に上がるような気分で
白いノートを開いて書きます
生きたい生きたい
夢があるんだ
白い言葉を黒に書くのには
チョークと黒板がお似合いですね
傘を忘れた
七夕の夜は
君の長い
プリーツスカートを
天の川だと
信じているから
その中に飛び込んでも
後悔しない
君の心の準備は
出来ましたか
音楽の中に隙間があって
思想や感情をそっと置いても
誰も回収しないからいつも
25秒で気持ちが高鳴る
まるで裸足で街を歩くような
そして痛みを忘れていくような
光があればどんな傷も洗い ....
白いそよ風が
天まで届く
その間に割れた
空気の音が
鈴と重なって
リンリンと鳴る
透明な自傷行為
のように
ガラスの体を
傷付けながら
あなたは何を
刻んでいるのか
....
小さな情熱が冷めないように
有能なプレゼント選びたくて
迷うことがたくさんあるから
都会の森はネオンで出来ている
いらっしゃいませと聞き取りにくい
店員の声は遥か遠くの
母国語をしゃべ ....
プロペラが回る高い天井と
かき氷のブルーハワイは
沖縄の島を連想させる
ヘリコプターと青い海の距離が
どの位なのかは知らないけれど
兵士が着ている迷彩模様は
裸になっても付きまとう ....
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