壊れそうになる自室の空気
苛立ちと 雑音
繊細な指で完璧をなぞると
星が流れ落ちる
混沌に飲み込まれ窒息しそうだ
恐れという籠に閉じ込められ
眠ることも休むこともできない
相変わらず見透 ....
最近、寂しいところが少なくなった
宅地開発が進み畑はなくなり
無人化した団地は壊され
樹木は切り倒され、インフラ工事は進み
ホームセンター、リゾート・ラドンセンター、
24時間営業の店、 ....
殺戮と破壊、
そして破滅を繰り返しても
学ぶことのない人類
誰しも魂を病んでいる
ひとり残らず
しかし、それに気付かない
現実の狂気の中、
嘆きと涙と血に塗り固められ
暮れてゆく ....
静寂がほしい!
情報過多がカタカタと音をたて
脳内を犯し侵食していく
「もうたくさんだ!」と声を張り上げても
耳を塞いでも侵入し、俺を壊してゆく
ディスプレー越しに俺を覗いている
この ....
ドジでのろまなカメよ
なぜ慌てるのか なぜ急ぐのか
人の目を恐れ 急かされ 脅され
見えない何者かに怯え慄いている
マイペースを貫け 人に合わせるな
おまえはウサギなのか カメなのか ....
さみしくて さみしくて 冬・ひとり
さみしくて 人・独り 灯をともす
生まれいで 独り死ぬ かなしさよ
されど我の手を握る友がいる
我は頼る 愛と赦しを 死んでも信頼する
我は憩う ....
あかい火の粉をまき散らし
舞いあがり旋かいする
太陽の核とひとつとなり
金色に変革をとげた
不死を身に宿したフェニックス
すべての民族はあなたに希望を見いだし
その杯をいただきます
不死 ....
子どもがかけてゆく
風船をおいかけ
風にとばされ
鬼にけとばされ
影をおいかけ
雲のかなたにとんでゆく
子どもが泣いている
夢をおいかけ
鬼においかけられ
かけてゆく
小石につま ....
うねる海岸線にカモメが群れる
風をうけて舞い上がり飛んでゆく
白いシャツに透ける輪郭は
子供から大人への通過点
白い砂は貝殻の破片を散りばめ
遠い島に流されてゆく
アゲハ蝶の羽 ....
陽の光で焦げついた表びょうし
ページをめくるたび
懐かしい香りがひろがる
時代のおもみを指で感じては
ため息ひとつふたつ
栞のよつ葉のクローバーは
貴女あての恋文にとみちびいてくれ ....
綺麗な言葉を並べることができない
穏やかさや 潤い 愛を語りたいのに
瞬間の歯車の中で繰り広がれる物語
悲しみや 苦しみ
ささやかな幸せさえも 零れ落ちてしまう
通過点の 点のよう ....
思いどおりにならない
今日一日さえ
ましては人生も
思い通りには
はこばない
待たねばならない時がある
全ての時に時がある
飯を食らうのに時があり
寝転 ....
青空 雲一つ浮かび
景色 燃えるように色づく
窓辺に陽光 差し込み
ひかり散らばる
初冬の空気 冷たく冷え
朝晩はコタツに頼る
時は移ろう 春夏秋冬
人は年老 ....
空白 余白 余韻
無音 ない ない ない
白 しろ
何もない
ただテーブルにみかん
ひとつ
空間 から 殻 からからと
無 無
空っぽの私に
....
自分を大切にできる妻は
他人をも大切にする
働き者で、勤勉で、怠らない
人を助け、人のために祈り
人の話をよく聞く
謙遜で、高ぶらない
私はそんな妻の姿に
キ ....
イエスよ
来てください
憐れんでください
助けてください
弱く愚かで罪深いわたしを
憐れんでください
助けてください
ああ主よ
怒りが沈殿している
叫びが封印されている
呪いといえば
そうかもしれない
爆破してやる
暴走してやる
叩きつけろ
怒りを、叫びを
そして呪いを
呪 ....
浮かんでいる言葉をつかみ取り
並べたり、眺めたり、呟いたり
日常が絵になり詩になる
それが、ミミズが這っているだけでも
カラスが鳴いているだけでも
おもしろい
詩を死と言ったり
....
何がいけないのだろう
何が咎められるのだろう
信じていればいいではないか
自分を、他人を、何かを
「これでいいのだ!」
とバカボンのパパは言い放った
これでいいのではないか
....
黙って手の指を見つめる
いかにも繊細すぎる指が伸びる
まるで毛細血管のよう
心も考えも何もかもが細かく
脳のシナプスのように連なる
見えない何かに怯え
聞こえない神の声もキャッチす ....
南の空に黒雲が立ち込める
殴り倒したい怒りに支配されても
沈黙し自分を責める
こころ
根底に潜む憤り
怒りが俺を蝕み
死をもたらそうとする
西の燃える空に
最期の三日月が突 ....
外は曇り空
親指の爪が伸びている
じっと見つめる
この歳になっても
相変わらずの不器用もの
若者をみて妬んだり
羨ましいと思う
雨音の予感がする
恵みの雨の予感がする
....
老いてゆく 病んでゆく
死んでゆく不安
冬は訪れる
それを受け入れる
受け入れつつある
全てを受け入れ
享受する
決して
諦めるわけではない
神は与え とられる
....
きのう書いた詩を読み返してみた
苦笑いしかできなかった
命のない言葉の羅列だった
夕べに死んで
今朝うまれた俺よ
何を思い、どう生きる
決して振り向くまい
今日は今 ....
晩秋の日差しの中
庭先の洗濯物が
風に揺れた
わたしは黙っている
不安と静けさが同居する部屋で
神と向き合う
やがて平安に包まれるよう
愛に包まれるよう
ただ黙って待ち望む ....
星は日々生れ落ちると
あなたは言う
当たり前のように諭す
そんな日々の出来事が
とても怖くて
おそろしくて
逃げ出したくなる
逃げることはできないのに
終わりそうで
終わらない人生よ
しがみついて
よろけて 倒れても
下を向いても
終わらせたくなくて
また歩く
いつまで生きるのか
何処まで生きるのか
あきらめない
....
バスには乗り遅れてしまった
あこがれも置き忘れ
古びたベンチで一人
溜息をつく
それでも天を見上げて
両手を差し伸べる
なぜだろう
夢は終わったのに
と ....
柿の実がたわわに実り
コスモスが咲いている
秋の名も知らぬ花々が風に揺れる
歳を取るごとに身軽になってきた
久しぶりに家でくつろぎ
妻と共にいるが
特に話すこともない
買 ....
優しすぎて何もできないとしても
ひとを平気で傷つけるよりいい
真面目すぎて生きづらくても
それで真理にたどり着ければいい
素直すぎて損ばかりしていたとしても
それで神の御 ....
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