遠い冬に生まれた夏が、またこの冬に巡る
僕はあなたの手にそっと触れ、

けれど
僕はあなたに触れることができたのだろうか

夏が 自ずからの素晴らしさに耐え切れず
崩れてゆく幾つもの午後 ....
嘘つきの午後に いる僕たち
嘘つきの夜も落ちてきて 建物は暗がりに隠れたつもりの輪郭です
そこの建物を一枚めくると フラミンゴがうたた寝し
ピンクは 建物の稜線からしたたり落ちるのですか

 ....
駅のコンコースに敷き詰められたタイルの一枚が
エレベータになっていて
上昇
もしくは
下降する という都市伝説
それは、踏み込んでみなければわからないという


カフェでビールを飲んで ....
30カラットで蜜蜂が鳴いている

空中に棘が咲いている
棘に切り裂かれ、花粉にまみれた大気は、
大気の色は?


棘に刺される
ある日、僕たちは棘に刺される

傷はぽっかり口を開け ....
心臓室が横断歩道のリズムで呼吸している
シマウマのリズムで白く呼吸している
アスファルトに焦げ付いたタイヤの軌跡が 網膜に傷をつけた

ノイズ

全ての交差点から発生した波が
街を覆い尽 ....
 私の部屋を嵐が行過ぎた
 隣人の部屋に避難する

隣人の部屋
 
 廊下には、泥水をかぶって、折れた枝
 幾重にも髪がからまり、とぐろぐろと黒い

雪が降り出した
雪は圧縮すると燃 ....
窓ガラスを伝う結露と同じくらいの速度で
ミルクが部屋中に響き渡っている
ミルクの連れてきた君が、囁く

大好きだよ

君の傍らで、始終うなだれている夏は、
さようなら、と駆け出そうとして ....
駅の喧騒の中で、君を待っている
君ではない人たちが通り過ぎていく 

  時計の針は動いて行く

壁に寄りかかって、僕はゆらゆらと揺れている 
君ではない人たちはどこにいくんだろう 

 ....
パチ パチ (拍手の音)
パチ/ オキテヨ

新しい世界はいつだって、制服を着てやってくる
下ろしたての制服に袖を通し
黴の匂いを嗅いだ

ボタンの悲鳴
にゅ、ぷるん にゅ、ぷるん
 ....
あんとき、
なんも考えること、できなくって
三条橋の、川原んいけば、
なんかあんじゃないのか
って気がしてた

変わろうとしてた、あらゆるものが
いっしょうけんめいに
風は 台風に
 ....
   全て降り尽し、
   全てを組み立て直し、カナタで東京は再生した
   

     惑星  東京  

   昔、月という都市が存在したのかもしれない
上海
バクダッド
パリ
ベルリン
ニューヨーク

決壊する都市の{ルビ群=ムレ}

旧新宿南口JR改札前
落下する東京
爆心地に 白く男
   
    今、耳の奥で、私に語り ....
東京がコワレタ


虹に吸われて、コワレテク


スレチガイ 呟きながら風を切り
不ぞろいな超高層ビル群 寄り添って
航空塔 赤く 果て
骨から鉄吸って 虹脈を流れ落ち
分子分解決 ....
東京が 自殺した

新宿南口JR改札前 高架
整列する雀
凹む電線
ガードレールにとまる女 白く。
瞬く横断歩道 

歩行者用信号機が青に変わり
かちり
盲人用信号がボタンを掛け合 ....
スレチガイが満ちている
耳を塞いでも満ちている

あたりかまわず、スレチガイをボタンで
{引用=留める。留めてゆく。留める。留めてゆく。}
白いイソギンチャク遥鳴して萌えている。
{引用= ....
聞こえてくる スレチガイしている音が
そして重なる

あるとき、「あ」と「い」が重なって「あ・い」が芽生えた時のように

スレチガイしなければ、塵と私の区別など、つくだろうか? 

スレ ....
一.

シンクロしている部屋に棲んでいる。

「今日は、耳を貸してくれよ」

ということなので、油に包んで投函しておく。
私は目を借りて、360°サラウンド。

帰ってくると

 ....
全ての窓から水が溢れ出し、流れている。


交差点
2本目のシグナルへ向かう 水群と、
4本目のシグナルから来た 水棲群(もう、繁茂している)は

 光換することなく。 


道、 ....
さかさまにシェイクされた、コンクリートの壁の天井を。
逆立て待ってたの、彼方の空へ飛び出したくて。
境目の、あやふやではっきりとした、灰色と真っ青の空が見たくて。
そして天井の壁に、聞き耳をたて ....
さかさまにシェイクした、ベトンのコンクリートの。
そして壁の天井は。
逆立て、逆立て、彼方の空へ飛び出して。
境目のあやふやな、はっきりとした、灰色と真っ青の。
そして天井の壁は。
聞き耳を ....
鋼鉄の透明な 透明の鋼鉄な 鋼鉄の透明な 
ドナスタークな鋼鉄の

透明の透明な あらゆる意味での 
灰を く 炊ぁく

包まれて幸せならば 苦を繰る 種に 
浴シン 散ぃる

ベル ....
昼、照らされている。

昼、白いタイルの、白い洗面器の、白いバスルームで
シャワーを浴びて、蒸気に包まれる。
絡みつく水が、透明でおいしい。

夢の入口は、白いフェードアウト。
死の入口 ....
雑踏
踏み固められてゆく私の周辺
千日の光束に支えられ 見えない頭上
羽ばたけ フラミンゴ

雑踏の鳴き声を 書き留めるとしたら。。?

フラミンゴ 泣き声の彼方
一年はあっという間に ....
桜は冬に似るものだ
全ての赤血球が重たくて だるいのです
路上で 赤血球を磨いていた 彼女は 路上にそれをぶちまけた
死んだ魚の目をしたそれは 坂を転げていきました
それでもまだ 欲情している ....
時間を重ねて
私をはがして

核に近づいていく

例えば 
水中に転がる 
真っ赤な斑点
(おそらく、魚の血)

私は それを超えて 
鮮やかで 
無防備だ

かきまわす四 ....
実は光なんて、しょせん空気の成れの果て
そのことに気づいた僕は、 
意気揚々と君にその事実を囁いてみた。
君はその時、ちょっと驚いた顔をして、
少しだけウナズイテ見せた。



実は人 ....
しなやかな群青体 溶けている 
殻を蹴って
熱い空気層の下 よく冷えた水層の中
にじむ 鮮やか 凍てついた花火

魚になりたい

そして、通過してゆく 

口から流れて えらで出てゆ ....
この都市の、上空100m 
本当の本当に 都市のど真ん中にて 
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
 が、もしあるとするならば

僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん ....
匂い が鼻腔の奥で 時に震える
蜂が 寄ってくる
他の男達もが 寄って来る

そんな 匂い をまとって街をゆく
手の平をよせて そこにあなたを思い描く

地下鉄の中で 静かにほどいて 
 ....
英水(59)
タイトル カテゴリ Point 日付
冬に生まれた夏へ自由詩705/11/25 20:07
遠心自由詩105/11/18 22:09
僕の空自由詩9*05/7/27 5:42
黄色い速度自由詩6*05/7/20 4:39
街に溶けて行く一つの方法[group]自由詩105/7/20 4:32
隣人計画 3[group]自由詩2*05/7/20 4:26
甘夏自由詩105/6/2 3:58
正確な心拍数の遥かなるマラソンへ出発するためには自由詩105/3/21 3:46
新世界自由詩205/3/8 7:19
ごめん(京都)[group]自由詩505/1/12 18:31
エピローグ  惑星東京(東京Ⅵ)[group]自由詩105/1/11 22:33
SM(東京Ⅴ)[group]自由詩105/1/11 22:31
決壊(東京Ⅳ)[group]自由詩105/1/10 8:15
上空自殺(東京Ⅲ)[group]自由詩9*05/1/7 20:27
ダム(東京Ⅱ)[group]自由詩005/1/7 1:40
プロローグ  スレチガイ/言葉(東京Ⅰ)[group]自由詩105/1/7 1:39
隣人計画 2[group]自由詩304/12/30 3:13
隣人計画 1[group]自由詩304/12/29 0:47
正気の国のアリス  (一人称単数)[group]自由詩304/12/20 19:59
正気の国のアリス[group]自由詩304/12/20 19:55
ドナスターク・休日自由詩204/12/20 19:53
バスルーム自由詩2*04/12/16 18:03
神戸 2004[group]自由詩4*04/11/16 19:27
東京 2004[group]自由詩5*04/11/16 19:07
ビトルビウス的人体図+1 Dimention ∽ 茶室[group]自由詩104/11/8 18:01
光と空気と人間の関係自由詩0*04/11/3 18:01
溶ける自由詩4*04/11/1 2:17
都市の中心[group]自由詩8*04/10/29 21:59
自由詩104/10/28 21:30

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