ああ
誠実さとは弱さであってください
優しさは弱さであってください
謙虚も弱さであってください
苦しみさえ弱さであってください

わたしがあなたを知れないのは
わたしの愚かさであって
 ....
あたしの目
ざらざらなの 夜風
くれないの うらかなしげな
からからと たびびとのあしおと
ぐるぐると 眠り果てた 子ども

死にたがり 空 鳥はただ飛ぶ
うるさいの さざめくすべて
 ....
過去よ
あなたを 引きずっていく
とめどない ひかりの奔流
冷めるように ひろがる
その 指先の みずいろの波
鹿たちが 海を駆けていく
森の透くような そう
透くような 香りがする
 ....
僕らは 海から生まれたのに
どうして 鱗がないんだろう

ああ そうか 寂しかったのだ
こころを 抱きしめたいのだ
願わくば どうか
あなたにも 抱きしめて欲しいのだ

じっとりとぬる ....
青い風がなく
白い波がほとばしる
草木は朝日に輝く
灰色の月が眠る
すべてが見えるとは つまり
何も見えてなど いないのだ

座席がひとつ空く
泣いたはずの誰かが星を見る
失ったこと ....
描き写した花びらの
燃えつく因果のあざやかさ
いずれ消えゆき 死んでいく
辿り着く道は ただおなじ

わたしの燃ゆる夕焼けを
灯していった あの人の
暗い木陰で澄む 横顔は
どこかで読 ....
がたんと ごとんと
夜を行く 列車の鼓動にゆられ
わたしは天井を見た

誰もなにも言わずに 座っている
眠ってしまったような
ジジジッ 電灯
ああ お前もそろそろか
もうすぐ わたしも ....
やさしい天使だって
夜がくれば おやすみ
そんなこと ばっかでさ
泣いたって だめみたい
見えなくなることも あってさ

オレンジ飴の 甘さに会いたい
いつまでも 浸っていたかった そこ ....
白いおひげの モフ
びくびくと 世界に
だってさ 生まれたてだもの
わしゃわしゃと 撫でたら
モフモフと いじらしい

やわらかな黄金の モフ
わくわくと 景色を
あっ! あっちで花が ....
ケンタルラ ケンタルラ
ラッタルルラ ルルルルラ

あ、もしもし
わたしの ちいさな幽霊
今日はお日さま 見えますか
好きなものとか あるんですか
机に座るのが お好きと聞いたのですが
 ....
わたし
何も考えずにぶちまけた
ペンキ柄のTシャツが好きみたい
メッセージもくそもない
星とおなじ だって
あんまり 喋らないほうが
いいんじゃない?

でも 猫のおじいさんがはじめて ....
落ちこぼれの青空は恋をした
心臓みたいに跳ね回る
空中列車の汽笛の音
ダッダダララ ダッダダララ

雲を突く双子の山さえ
邪魔をできない きらきらの
糸をそうっと 掴む
ヒュルヒュル  ....
つめたい壁をなぞって
空に 息を吹くよ
月はくうと 泣いた
踊り子さえ 眠る
ブーツを知らない猫が いたんだって

液晶のなかに 身を埋ませたら
砂あらしの トカゲにだって
会えるね  ....
義務と責任に 取り憑かれ
小さな嗚咽を 飲み込んで
それすら 笑顔で遮った
君はどうして 無理をする

あればならぬと 奮い立ち
恥をかくなと 叱りつけ
そうして 自分を守るのか
背負 ....
古い傷痕を 掻き鳴らし
届かぬ月に 向かい飛び
黄金(こがね)の 涙を こぼすのさ
夜は あなたが 眠るから

魔法みたいに 生まれ来て
命みたいに 枯れ落ちる
おれが吐きだす 嘲りと
 ....
くじらが泳いだ 雲のなか
わたしは そうっと 手を這わせ

ほつれた からだに 火を垂らせ
燃えつく心を 口ずさむ

中途半端な 感性を
握って こさえた 造形の
美しさすら 知らない ....
あの頃みたいに 小さな絵本を
読んで聞かせて 欲しいのだ
いつか なにもかも 忘れてさ
眠りについて しまう まで

誰も知らない 小さな部屋で 
手を 繋いでいて 欲しいのだ
やわらか ....
もしも 運命的な美しさが
あるのだとしたら

あえやかな この背中の
ちいさな 骨のひとすじの
ま白さの なんと おぞましいこと

そうだ いのちは おぞましい
まばらにひかる この  ....
青い毛皮に 透き通る
月光はただ 揺れるのみ

わたしの神が 吠えていた
こころのままに 吠えていた

夜を駆け抜け 喰らいつく
わたしは言葉の 牙を持ち

素知らぬままに 噛みつい ....
べつに 考えなくていいよ
沈む 
あなたに 思考はないの
形すらないの 愛よ 
大抵
変わらない ものはないよ

何もなきゃ 愛せないの?
あなた 
考えなくていいの
信じたいもの ....
わたし
約束をするために 生まれてきたの
一度きりでいいから 指を結んで
守ってくれなくても いいの
また会おうって 嘘でもいいから

あなたの 人生のうちの
ちいさなちいさな ひとつの ....
ひとりで眠る
白い 心臓
星が ぱちぱち 輝いた

くすんだ髪が 目にかかる

わたしは 一つも変わらないまま
とおくの過去に まどろんだ

ひとりで死んだ
白い ざわめき
月も ....
哲学は究極的に 不可視である

見えないもの
知らないことを
死ぬまで
天国まで
じっと 持っていかなくちゃいけない

それは祈りだ
わたしでは どうすることもできないから
答えが ....
雪は あざむく
この夜の うすいけがれを
白は 掻き消す
生きること 死ぬこと
その汚さを

どうしようもない 小さな孤独が
しとしと しとしと 降り積もる
この白い手の 僅かな熱すら ....
あらゆる刺激も 悲しい真実も
時が積み重なって いつかは日常になる

わたしたちが 終わりに向かっていること
それ自体を ふっと忘れてしまうように

肌を焼いた 斜陽の
あたたかさに 目 ....
考えなくなっちゃっ たのかな
あなたの あなたの あのこころ

羨ましくなったんだ たぶん
くるえる かえれる いっときのあめ

凛として 生えたあの子の翼
飛んで 飛んだら 落ちていっ ....
知らない 知らない 知らない 街で
知らない 知らない わたしは たたずむ

知らない 知らない 知らない 花を
知らない 知らない 風が 揺らした

知らない 知らない 知らない 場所へ ....
照らせ 照らせ 光よ 照らせ
光は 孤独なのだから
ひとりでに かがやくのだから

回せ 回せ 宇宙よ 回せ
思うより なにもかも短いのだから
夜ひとつさえ 瞬きのうちなのだから

流 ....
運命というものが あるのだとしたら
それはわたしが 被造物であることを
否応がなしに 証明している

わたしの心を 映すため
柔らかい夜風が 頬を撫でる
頭から爪先まで 定められた音階が
 ....
満ち欠けの その一瞬で
僕は全てを 知った気になった

世に蔓延った愛が この世界を蝕んでいる
不自由なこの心を 救おうとする誰かがいる
救えるはずがないこの心を 活かそうとする

愛は ....
みぎめ ひだりめ(68)
タイトル カテゴリ Point 日付
弱さ自由詩025/5/29 17:47
共鳴感覚自由詩325/5/26 6:32
みずいろ自由詩625/5/22 7:18
海の体温自由詩425/5/18 19:27
ぼくのいない惑星自由詩225/5/8 12:41
花とレプリカ自由詩2+25/5/5 23:55
生まれたての幽霊自由詩225/5/3 19:47
ミュート・グラン・レイ自由詩425/4/29 16:46
トワイライト・モフ自由詩425/4/25 5:50
垂直落下、ルルラ自由詩225/4/19 19:10
流線形のせかいとわたし自由詩125/4/18 21:59
ヘリオスの子ども自由詩225/4/18 7:07
そいつのなまえは自由詩125/4/17 20:49
無口な君を忘れるな自由詩325/4/16 19:11
ライカンスロープ自由詩2*25/3/30 22:09
くじらの雲を泳ぐまで自由詩425/3/26 10:45
夜更かしのウィスプ自由詩225/3/20 18:32
エスメラルダ自由詩225/3/16 21:22
ルピナス自由詩125/2/20 18:35
愛の自由詩425/2/4 9:25
指を結ぶ自由詩1*25/2/1 17:52
過去は死ぬのか自由詩225/1/29 19:33
不可視自由詩125/1/14 7:38
スノウ・ホワイト自由詩325/1/9 8:20
日常になる自由詩025/1/6 18:10
後天的天使症候群自由詩125/1/2 11:14
知らない 知らない街自由詩224/12/28 8:28
孤独よ照らせ自由詩424/12/27 14:28
フィクション自由詩224/12/22 23:52
ブルーラビット・クォーツ自由詩224/12/11 9:38

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