洗濯機が、地響きも小さく回っています(グオーヤ、グオーヤ)。床をころがる、ずり回る、LANケーブルの蛇たちはついに世界をぐるぐると征服、電線のフリをして鳥たちをからめとりました。地響きの回転は早くなっ ....
ネオンと雑踏と台風とをまとめきれない街、そしてその旨。わからないから遠いんだよ。眠るようにするりと受け付ければ「飛ばされちゃおうか」とか軽やかにニア・ヒア。海沿の錆び方をした集合住宅、写真の中にいる気 ....
「スネアヘッドってつまりすね、ドラムの一番こうなんていうか、つまりすね、基本的なリズムを刻むってか、つまりすね、そんな感じのやつをスネアドラムっていうんすけどね、つまりすね、その表面の皮のことなんすね ....
アルコホル
眠くなる後悔する
の
夜のすきまには
都電はすべて ばらけている
傘の先つたう水を
すとんと間抜けた放送を
泥に似て垂れる人を窓につぶつける雨を
ゆられてふらめく光 ....
駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロッ ....
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういう ....
ゆびさきを、したさきを。するりと、ふれるかふれないかで、はわせるぼくら。しろいからさ。くろいからさ。いきつもどりつをくりかえして、どこかとおくへいこう。「あとじゅうねんたったら」っていって、そしていっ ....
君がシャワーを浴びる間に即興でできあがるパラレルワールド。
着信がメロディーで看板が歌詞でぼくらの街は音楽になる。
風景はマルチなシマシマにすりぬけるスピードのカラフルな焦燥。
街路 ....
都電そりの、道そりの、雨はひと粒、ふたつぶつぶ。見上げて手あげてる、照るよ。やや、よよ、夜道、にて、ぼんにゃりを揺りつぶてる、水をた、ポタ、を、た、とえば一滴とかぞえる、るでしょう。小雨は歯、は。すか ....
ミシシッピ・ブルーを忘れてしまった
2台の古いラジカセから
サラウンドで流れるサーフロックの隙間に
今日はなんだか涼しいね
の
違和感とマージして さようならも言わずに
歪んで照り ....
トレイン。突き抜けるぽっかりは、穴だ。くすぐったかゆいような、目の奥と喉の先と胸の隙間に。目をつよくつぶれど、車窓はちらほらランダムにフラッシュする。朝。ほんとうのまぶたは透明で、ぼくらは中継地点を間 ....
クーラーが冷やかす演劇的な鼻風邪。の、中での諸々。ぼくらは数えてしまうのに、どうやらこれは速度のようです。録画して再生するやつら尻目に、宣言してチェンジ、チェンジ。「急激に7〜8割忘れ、そして記憶に残 ....
ああ、酔ったままにどうしようかと思う按配の惨事だ。ファイヤーワークス、うなだれて。世界から消える準備は出来ているんだ。起き上がってすり抜けてこのまま、窓をかき開け抜けるイメージでほら、飛べるかもしれな ....
歩きながら印をつけて、この探検のタイトルは未定だ。バウンスしてクリップ、クリップ。スタートを風のように切ったぼくらなら、どうぞご自由で。つまりは丸い月をどうなぞるかとかそういう ....
拝啓、ムジーク。音楽的な夜が、ルララルラとやってきます。コルゲンのようなうずら卵のような、つるりと白く圧倒的にやわらかく飛び散りそうな、つきぬけてせつない月。ぼくらはぼくらなの ....
拝啓
自転車は風をさよなら過多に切りぬけて
そしてイヤホンの歌詞が
はっきりと飛び跳ねてしまう 不意の
踏みそこねたペダルに折り畳まれないように
ああ 忘れないように
妄想がイメージがスピ ....
ポンジュースが出るという噂と、狂おしいほどいつも通りの日々。例えば、そんな愛媛で風景している校庭が、東京の夕暮れの向こうにある。午後、水飲み場で、挨拶は永遠にすれ違っていく。す ....
午後いや午前も
コルゲンのようなうずら卵のような
つるりと白く圧倒的にやわらかく飛び散りそうな
つきぬけてせつないぼくらなのです
ただポケットでヴァイブする神経が
吸い付くように研ぎ澄まされ ....
喉の奥の、肺の先の、それでも呼吸器とは歴然と違う部分です。詰まるものを、イマジン。そんなようなしびれを指先に集めます。午後の窓の外に体を拭く記憶が放置されて、ユラる洗濯機の渦か ....
線をまたぎます。季節も七夕をすぎれば夜のための日々が延々と続くのです。アスファルト、アスファルト、きみは熱という熱を呼吸していますか?と話しかけてはこのマンホールのように丸い月 ....
大きくひとくくった、全日本夜。が、ひとでいうところの精神的なバランスを崩してつい、朝になってしまいました。落っことしてひっくり返って、くしゃみをするようにくるりくるり。「おはよ ....
ビーチサンダルのペタつく音にアスファルト、ひとり。光るのは蛍光灯と蛍光灯とそのまた右の蛍光灯と増える増える増える、倍々に膨れ上がる音響のように目をすぼめれば「ほらほら丸くないよ」と跳 ....
じめる夜、語彙は空気中に溶ける。ブルーが上塗るブラックな空にかざした手をむすんで、ひらいて。六月にペタつく肌に触れる、のが、机でなくて君のどこかならばと思う。さあ言おう、「でんぐりで ....
コントロール、して、クローズ。巻き付いて離れないターバンのような頭痛が周りを跳ねて泳いでトビウオの羽が銀色に輝いて次にくるくると高速で回転してターンテーブルを指先で逆回せば戻るような軽やかな時間に華や ....
[あ]
明日は晴れますと断言する少女と、一概にこうとは言い切れない少女とが、嘘が上手すぎて悩み方を忘れてしまった少女の、絵になって仕方ない少女なので、大きな木の下で哀れなオレンジに照らされている少女 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
話し相手をさがす。空白は濃度の問題で、強い時間に埋もれるほど離れては胃の中で体育座るかのような空洞、そう、空洞にも逆説的な密度があって、クラクラとしては見失ったスタイルに慣れて、ぼくらは文字通り緩い財 ....
原宿の真上を仰ぐ桃色に太陽の位置を忘れてしまった
歩道越え眩ませる目の橙に目黒通りに抜けつきる記憶
遠くまでがらんと大崎ただ一人つくった嘘のばからしいこと
秋葉原地球丸呑みテラバイト ....
1.エスパー(もしくは君)
エスパーも、変わらない。ただ気づいてしまうというだけで、同じように揺れ動いて、俯して、辛うじて立ち上がる。忘れてしまおうとしては、切れ端に、文字。読めないけれどつ ....
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