ねじれた風が
ビルの隙間に滑り込み
舞い上げられた紙屑は
ひらりと路上に落ちてくる
刻まれていたのは
たった一言
【2005/1/22 筆】
年末に なればなるほど 暇になる 師走の夜は 布団が温い
どんな短い言葉にも
裏に潜んだ思いを読んで
一人憂鬱な帰り道
僕らの間に一つでも
信じれる絆があるとして
それは声とか温もりだけでなく
時に絵文字であったりしてさ
今日何度目かポ ....
不愉快な空気が満ちる
朝の鈍行列車から
酒と汗と香水の混じる
夜の快速電車まで
幾百の惰性と諦念が
溜息を吐きながら循環する
最近は白髪を数える楽しみを覚え
気が付けば歳だけは食って ....
零れる汗に目が染みて
抱えた荷物に途方にくれる
何もかもを投げ出すには
少し遅すぎたのかな
社会人になってみて
背負ったものは責任と
僕の器を蹴破るほどに
膨れ上がった残業時間
....
積み重なったゴミと
布団が敷かれた部屋
僕だけが居る空間
僕だけが紡ぐ時間
やがて眠りに誘われ
次に訪れる朝を待つ
次に辿り着く夜を待つ
ヤニに汚れた四隅
腰掛けて見上げる
天井 ....
随分と久しぶりだね
何の用だい?
君と最後に会ったのは
かれこれ3年以上前
顔も声も温もりも
何もかも忘れかけていたよ
笑ってばかりいないで
何か言っておくれよ
そう 僕の知る君は ....
冷め切った路地に
泡沫の玩具が舞って
寒さ堪えて歩く僕の
肩に弾けて消えていった
子供達の無邪気さと
自分の卑しさとを比べ
小さく息を吐いて
無造作に首を振る
涙が出た訳じゃな ....
長袖に染み込む空気は
もう安らげるほど
涼やかじゃないんだと
何気ない十一月の黄昏
駆ける自転車の上で
小さく身震いをした
二十七年目の誕生日まで
あと半月といった所
眠り足掻くだ ....
庇から零れた一滴
微かな時間を奪われて
誰も気付かぬ苦笑い
皮肉を孕んで頬濡らす
眼鏡に張り付く七色が
淀みを儚く映し出す
娼婦の囁く愛の歌
路上に輝くガラスの破片
雨音と詠う ....
国道に掛かる歩道
午前四時に佇む僕の
肩に降りかかる雨は
思うより冷たくもなく
疎らに通り行く車
水飛沫を避けて歩く
十一月の雲を眺めても
滴が落ちてくるだけで
長い土曜の終わ ....
長い夢から醒めた僕に
突きつけられた現実の嘘
温めてきた僕の想い
僅かでも君に繋がっていると
信じていたかったのに
届かない声を振り絞り
伝わらない言葉を投げかけて
君の心を待ってい ....
呟いた台詞をどれだけ記しても
書き殴った言葉をどんなに叫んでも
僕の声は旋律を切り裂いているから
どうやっても詩になりきれないんかな
涙と汗は溶け合いながら
湿りきった風に運ばれていって ....
錆びついた鎖
軋みながら揺れる
勢いをつける度
鉄が擦れる音が響く
繰り返し繰り返し
同じ早さ 同じ速さ
変わらない風景
足場を失った大地
ぼやけた地平線
茜に染まる街路樹
....
螺旋階段の天辺で
摘んだ小石を力無く
放り投げてみたのです
放物線もそこそこに
乾いた音を立てながら
コロコロコロリと転がります
地上などとうに見えぬのです
勢い増した小石はやが ....
いつ頃からそこに在って
何の為に生まれてきたのか
思い出す事もできなかった
痛みを産み出す事も無く
時折耐えがたい痒みを発し
忘れかけた存在を思い知らせる
なぜ治らないのか
なぜ ....
今日 道端で詩人が死んだ
一切の言葉が許されない
循環する空気が身体を冷やす
温もりの欠片も無い肉塊
言葉の澱みが鼓動を止める
今日 道端で詩人が死んだ
寒さに震えていた訳でな ....
枯れた言葉で何を紡ぐの?
どんなに張り上げても
半径5メートルが精一杯
空気を伝わらない音は
凋んで縮んで地べたに落ちて
喉の痛みが心を焼いて
気持を包む裏腹の失望
意味を紡いだ ....
君の名前を入れてみて
検索ボタンを押したなら
数千件の検索結果
どれも君じゃないけれど
思い出したくないって
何をしてようが関係ないって
何度嘯いてみたとしても
何度言い放ってみたと ....
君がはしゃぎながら口にする
何だか騒がしいだけの歌はさ
元々は昔の哀しいお話なんだぜ
だけど君はニヤニヤと
崩れた表情を晒しながら
唾を飛ばしながら歌ってんな
カバーだかパクリだか ....
足を上げて歩けないのは
日頃の疲れからなのか
明日が見えない今日を
繰り返すしかないからか
履き潰した靴の数だけ
削れて行く生き様があって
磨耗した靴底に気が付けば
見えない針が刺さ ....
空いたペットボトルが
部屋中に散乱していて
飽いた孤独だけが
心を満たしていて
秋に釘打たれる事を嫌って
少しだけ冬を待ちながら
半端な季節と半端な気持
天秤に揺らしているだけで
....
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