ああ、それは
みずのように
おとをたべてそだつ

ちをゆさぶって
そらをかすめる

いきをするたびに、せかいがひろがる

ああ、わたしは
はりをおとし
うたをたべていきる

 ....
ひうひうと喉を鳴らして
道を行く

あまり長いこと歩かないから
そのうちきっと倒れるのでしょう

倒れたらきっと
あとから来る 無慈悲な女が
私の身体を乗っ取って
ただの一度も使わな ....
部屋を折りたたんでしまう
とうとう手に入れた蝶を、
逃がしたくないので
部屋を折りたたんでしまう

押入れが床にキッス

窓が押入れの背中にキッス

時計のある壁が窓の背 ....
せっかく色がついたのに
わたしにお声がかからないので、
欲望ばかりが成長しました。

(隙が無いといけない模様、本にそう書いてありました)

なので大きく育ったこのセイヨクを
ぷちん と ....
沈む中、目を開いた

放つ声は丸く
天上へ昇っていく

耳元で緋がささやいた

私たちは花
咲いては散るばかりの花
幾重にも重ねられた月光を浴びて、
それでも報われない花
私たち ....
母は光にうたれ
海へと没した

水底に横たわり、母は今、眠る

母が血を流しながら歩いた道に咲く花は
彼女の血を吸い、みんな鮮やかに咲いた

そして実をつけたあと、
おし ....
あの日の朝の予感は
冬への暗示だった

荒涼とした世界
強い風と砂の吹き付ける海岸

わたしの髪は身体は、煽られ、咽び、叫ぶ

灰色の空
時化て濁る海

わたしはその全てを、ひと ....
南へ行った
貝の船は
人魚を沢山積んでいた


乙女は昔
流れの側で糸を切っていた

乙女は昔
空の近くで歌っていた

乙女は昔
草地を走った

乙女は昔
虫を産んだ
 ....
月曜日赤子の代わりに「うを」を飼う子宮の中でひれがたゆたう


「うを」のかげ腹の中より出でにけりお祝いをするの火曜日の夜


水曜日部屋の窓辺を遊泳す私の「うを」はきれいな人魚
 ....
飢えたる母は、
世界のはじまりを待って
空をきりひらく。
二人して棒を片手に庭を行く今日は兎のパイを食べる日


街中を泳いでいます可笑しいでしょう?だれもわたしをしらないんです
飢えたる母が目覚めるとき、
殻の中で鳥は乾いた。

足を踏み出すごとに言葉が生まれ、
十億の歌となって降りそそぐ。
さわ子は鬼になった

八つの頃にかたちを変えた
さわ子という名の赤い鬼

背骨のあたりに取り付いて
わたしにぬすめとつぶやき囁く

母は知らない
父も知らない
さわという名の赤い鬼 ....
薄暗い午後、
部屋の中にひとりでいると
不満、不安が沸いてきたので
十糸子のように
オレンジを買い、食べる事にいたします。

服を脱いで、リノリウムの床に座ってオレンジを掴む
ぼんやりと ....
昨日 男が欲しかった

非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。

けれども赤く、流れてしまった

あなたが早く来ないから、流れてしまった

お会いできるの ....
血の雨か破れこうもり叩くのは(違うわ)(違うの)こぼれる椿よ


万華鏡きれぎれになる私たちあなたはわたしわたしはあなた


万華鏡きれぎれになる私たちキッスを五回で魔法は解けるわ

 ....
赤い実の目立つ季節になりましたはじめまして私はミゼット


菊の香は虫を防ぐと人の言うそれが苦手な私は虫か


土の下虫によるのは冬虫夏草今はきのこになりしみどりご


柘榴の実人肉 ....
髪手足もえるもえるわあたしたち 赤やオレンジや黄色になって




べにをさす ゆびでまぶたをとじてやる 花にかこまれて きれいよあなた




Я ворона Я же,  ....
わたしたちが
忘れていった
どこか
土の
道の
上に

座り込んでいる
それ

凍えるように
広がって

悲しみを
押し殺す

息を吸う

(ゆめ など、おぼえてい ....
赤いランプの吊り下がる
あらゆる街の角に這いつくばり
わたしたちは歌を待つ

それは煉瓦の隙間から流れくるものであり
それは男の外套から聞こえるものであり

わたしたちは何も知らない
 ....
『命の重みは同じ?ならあんたを殺すのも蚊を潰すのも一緒よ。』 海より遠く、寒い砂丘で
さらってきた人魚をすてた

人魚の細く長い髪は
吹き荒ぶ風にあおられ
すぐに砂まみれになった

人魚は美しく、またひどく醜かった

その姿は今、
黒く長い髪 ....
「こうも深々と冷えて参りますと、どうにも腕が疼くのです」

冷えては赤い、赤い糸が
木々の枝から垂れている

片手に   を持ってひとり、歩く

(耐えられぬわけでは。)

(けれど ....
五歩にも満たない足跡だけで
彼女はここから
私から失せた

あらゆるところに私はいて
靴無しでも
遠くへいける
近くへいける

心臓の側に泉が湧き出て
今からそこへ

わたしは ....
                      あ  あ
   あ    あ
あ         あ
     あ              あ       あ
                  ....
誰も知らないところへ行って
私は黙って砂を掘る

気に入らないの と言えなかったから
砂にうずめてどこかに流す

浜辺はそんなものばかりで
私が知っているだけだけれど
あの子が立ってい ....
何が悪いか知らないが
朝から頭痛が続いてる

土曜なんだし
休日なんだし
遠くへ出かけてみたけれど

雨が午後から上がったせいで
人が多くて敵わない

子供が走るし喚くし泣くし
 ....
波が寄せる海から
風の吹く丘へと上がる

着るつもりだった服は皆
夜の内に焼いてしまった

毛皮をぬいでしまったから
私たちはすっかり裸

そうして裸のまま、手をつなぎ
丘をのぼる ....
「わたし あかいろがすき」

悪い癖で、また盗った。

チョークが二本とチョコレート

それが何かも分らぬうちに
それが何かを誤魔化されて

歌うくちびる
るるらりら

しょく ....
ミゼット(179)
タイトル カテゴリ Point 日付
歌がわたしの目をひらく自由詩2*05/12/4 21:15
氷道自由詩2*05/12/3 21:13
部屋を折りたたんでしまう自由詩0*05/12/2 20:32
ロンド自由詩4*05/12/1 17:24
花を宿す自由詩4*05/11/29 22:59
神話 Ⅲ自由詩1*05/11/28 22:42
冬へ自由詩1*05/11/27 22:19
さんごのかんざし自由詩1*05/11/26 18:34
彼女のへやに魚のうろこが落ちているわけ短歌3*05/11/25 20:46
神話 Ⅱ自由詩0*05/11/24 23:38
ある晴れた日に短歌1*05/11/24 19:58
神話 Ⅰ自由詩0*05/11/23 23:30
自由詩0*05/11/22 21:21
橙火自由詩3*05/11/21 20:08
憂国自由詩7*05/11/17 20:37
乙女椿[group]短歌3*05/11/17 13:20
冬書簡[group]短歌0*05/11/11 21:32
ある断片[group]短歌1*05/11/10 0:09
針を埋める自由詩1*05/11/8 18:55
黄金虫自由詩4*05/11/7 18:46
殺生自由詩5*05/11/6 14:38
遠い日自由詩6*05/11/4 22:18
森はどこまでも広がるのか自由詩2*05/11/3 21:00
鳥を放つ自由詩2*05/11/2 20:40
囚われる自由詩4*05/11/1 17:05
白墨と砂自由詩8*05/10/31 11:21
頭痛自由詩3*05/10/30 0:05
ラム自由詩6*05/10/28 22:48
マーブル自由詩5*05/10/27 16:59

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