夏場所の汗の飛び散る響きかな
大銀杏結ぶその時暑き意志
勝ち名乗り受ける力士の安らぎや
敗北の力士の重き背中かな
呼び出しの声の響くなり夏の夕
睨み合う土俵の上の火花かな ....
如月や冷たき風と春の日がせめぎ合いする時の過ぎ行く
雪包む黒き小枝のその中に拳の如き蕾生きづく
日陰では寒い冬が続くけど日向に出れば春が包むよ
梅が咲き鶯歌う早春の喜びの時すぐそこに ....
歩んでゆこう
あの頂に
その道がいかに険しくても
いかに遠い道であるとしても
心に誓った願いだから
貴方と約束したあの地だから
あの幸せの地
苦難を背負って逝った君を心に抱いて
必ずた ....
夜の深まり
喧騒の一日が過ぎた
独り部屋に座っていると
静寂の響きに包まれる
私はそっとそこに体を預けると
今日の痛みも苦しみも
ゆっくとりゆっくりと溶けてゆく
私は立ち上がりつぶやいた ....
喜びに
怒りに
悲しみに
楽しさに
ころころ動く
心の神秘
どんどん歩む
戦い挑む
恐れて逃げる
油断し眠る
違う行動
多様な人々
多様な世の中
だから世界は美しい
険しい山道
健康な人の土地は不思議だ
心臓も激しく轟く
もうウ駄目と倒れる寸前目の前に広が得る情景
森林が切れたその中に見た。伝説の都があるというその姿を
ひっそりとしかし堂々建つそ ....
天よりの白き蝶々が舞い降りて街に野山に泊まるひと時
手のひらに落ちる雪の子刹那なる花開かせて命を燃やす
次々と飛来してくる雪達に地上は遂に沈みゆくなり
大いなる雪の力や村々を閉ざして ....
御来光心の内に光{ルビ出づ=いづ}
鏡餅白き心の重なりや
しめ縄や皆の家々神宿る
大雪に新たに立つや元旦に
初詣誓いを刻む柏手か
団欒やひと時の幸我が家族
門松に家 ....
大晦日の夜
除夜の鐘をただじっと聴きながら
その年のことを振り省る
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ
その一つ一つが蘇り、こころを揺るがす
どれも大切なこと
どれも掛け替えのない時
その一つひ ....
誰もいなくなった夜の海岸
音も無く波がよせている漆黒の海
遠く拡がる水平線のその上より青く輝く月が見ていた
ただ独り旅に出てきた私に
彼女の光は、なんと優しかったことだろう
何処までも何処ま ....
険しい山の中の小さな一つの村
深い雪に閉ざされていた静寂の夜
ひとり道なき道を歩み会う人も無かった
ふと、見ると草庵がぽっんと建っていた。
古びた今にも壊れそう草庵だった
その窓から小さな光 ....
漆黒の夜の深さの悲しみは
子を失いし母親の写真に残る
組んだ手にあり
気丈なるその中に
微かにぶれる手のその写り
涙の写真
沖縄の小さな写真館
極寒の夜
仕事で辛いことも有り
吹く風強い夜の道
コートをしっかり押さえ込み
寒さをしのぎ家路を急ぐ
今日のような日は
いつもの道も何倍も長く
平たい道も険しい荒野
されどあの灯火が見 ....
仕事終え帰りの道は暮れにけりああ冬来ぬと心しみじみ
暖かき風呂に我が身を浸らせば凍りし心溶かされてゆく
冬の星漆黒の闇ありてこそひときわ光るその天空に
静かなる夜独りいて目を瞑り心の ....
冬の夜の草原の中ただ一人全てを包む星に溶け込む
夜の風すさまじきかなこの我の心の曇り飛ばす如くに
山寺の人気も消えた本堂の屋根に掛かりしひとひらの月
残業を終えて帰りの駅出ればほのか ....
私の心が動いている
人々の心が動いている
社会が動いている
日本が動いている
世界が動いている
止まることを知らず
行く先に何があるかを分からず
ただただひたすらに
何処へ、何処へ
....
ああ、君よ
私のことを如何に思っているのか
私は君がいなければ全てが無意味に思えてくる
私にとって君は重き存在
何にもまして大切なもの
されど、君の気持ちを未だ訊けない
失うのが怖いから、 ....
漆黒の夜
ただ風が吹き抜ける山道
出会う人も無くただ一人歩く
背中に背負う大きな荷物はいつ降ろせるのだろう
私の背負ってしまったこの重きもの
そしてこのままこの急勾配の坂を昇り続ける
果て ....
一年の時
木を支え
この小さくも
大いなる
命を恵み
陰になり
ただひたむきに
生きている
一枚の葉の
つつましさ
最後を生きる
その時に
神の慈愛の
御手届く
赤に黄色に ....
飛騨の山
小さい流れが始まって
二つに分かれるひるが野の分水嶺
高みより湧出した一滴の水
また一つ、また一つ生まれ出でて
集まり創られてゆくこの銀の道
それが、ある一点で二つに別れてゆく
....
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