この夏を忘れないため息止めて流れる涙の熱さを感じた
柔らかな夜の狭間が示すのはひと時だけの幸せな夢
夏の夜の触れた身体の{ルビ一片=ひとひら}に震えた心はあの日のまま
一本の簪だけで留めていた貴方も髪も今切りました
夜が明けて腫らした目と飾り無い両手を見つめ生まれ変わる朝
ひらひらと光の粉と誘惑の扉が開く午後三時半
世の中の涙が空に溜まったからそろそろ梅雨入りしていいかな
SLの汽笛の音が響く時昔の未来が見えた気がした
現実を避けているから私には恋の予感も感じ取れない
スコールの様に涙を降らせても割れた心は満たせないのに
夕立を導くような雷が胸に落ちれば愛に ....
幸せな過去の時間を戻せたら今の未来も許してあげて
100通のメールで朝が始まった普通の日々は幻となり
自由さへ求められない社会だと衝きつけられた「お疲れ様」
君の名を間違える人も居るのだと初めて知る月曜の朝
永遠は在るかもしれないと少しだけ信じそうな火曜日の昼
週末の約束さえも複雑な迷路に落とした水曜の夜
明日が来て世界は ....
自販機の過半数が「つめたい」に 昨日で冬は終わったんだね
「届いた?」と電話越しから君の声 外は雪舞う3・14
百年が新たに年を刻む時
僕らは始めの大人になった
夕闇と暗闇の姿消え失せて煌々と輝く破滅への光
灯火を手に入れたとき我々は動物ではなく人間になった
夕方に「暗くなるよ」と母の声今は聞こえぬコンビニの光
地の上が賑やかだか ....
人は限りある時を生きてる
限りある時は刻々と過ぎてるのに
君は閉じこもってる
開かれない扉は隙間から光が漏れているのに
背中を向けたまま
「世の中がつまら ....
お金があること?
美しいこと?
そうじゃない
手を広げて
顔を上げて
蒼い空に微笑んでみて
どんな姿でも
生きているだけで
倖せ
生まれた奇跡を
いつの間にか忘れて ....
だれかに抱きしめて欲しい
だれかに許して欲しい
だれかに認めて欲しい
幼い子のように
頭を撫でて
「がんばったね」
「えらいね」
その言葉が欲しい
その言葉だけで救われ ....
like(好き)とlove(愛)全てはLから始まると笑っていう君はliar(嘘つき)
人知れず二人は惹かれ求め合い{ルビ永遠=とわ}の誓いは鏡の中に
彼女とは正反対の愛だから チャ ....
月一度 神のご加護を受けられぬ 命は吾の身体を流るる
雪面に生きた証を残すよう君の体に刻む愛印
左手のダイヤの裏に隠された本当の意味知らぬ幸せ
寝言では私の名前が出ないよう
呼び名はいつも愛犬『ナナ』で
「ねぇ今日は記念日でしょ」と花束を
....
戦いで戦いの無い世の中を得ようとしても得られるはず無く
行き先は極楽浄土と信じきり桜のように散り逝く戦友
生きる意味捜し求めて死ぬ意味を押し付けられた彼等儚く
....
昔より恋は繰り返すものだから {ルビ亦心=またこころ}が {ルビ亦心=またこころ}を
闇歌を綴る理由は歳じゃなく経験からの諦めた傷
偽りを誠に変えて誤魔化して逃 ....
「サヨナラ」の言葉は彼を他人へと 出逢う前にも戻しておくれ
惹かれてた 好きの言葉を飲み込んで会えなくなれば忘れられる?
左手の指輪の跡が告げるから その手に触れて見えなくしていた
....
純白の雪舞い降りて新年は清らかに唯幸せよ降れ
「譲ります」細き文字に貫かれ熱き心に雪が積もる
数億の命が競い手に入れた吾は身体を傷つけている
君が居ただから田舎を出てきたと言ってみたけど半分はウソ
体内のひとつ ....
遅すぎた蝕む闇に気が付かずココロはいつしか身体を襲う
息をするただそれだけを忘れれば永遠都市に行けるでしょうか
{ルビ紅葉=くれは}散る田舎の家の軒先は夕焼け色を纏ったカーテン
ばあちゃんが甘くなぁれと魔法かけ吊るった柿はほっぺが落ちた
寒いから嫌いという子に干し柿を冬だからこそ良い事も ....
黄昏に季節外れのお花見を 浴衣姿の君に一献
記念日に飲もうと言ってた幼き日 開かずの洋酒 明日嫁ぎます
ぅんまいねぇ
ジョッキがからりと音たてるラムネもころりと笑って ....
創造の神が居るなら破滅への航路も君が仕組んだものか
完全な物など無いと宵闇に薄らと笑う十六夜の月
暗闇で愛を語らず歌う蝉世界の歪未来の行方
夢の中でいいから
逢いたいと
願ったのは遠い過去
時々
目の前に現れる
貴方と私の影に
心が離れていく
影に引き寄せられ
離れる心は
また私を抜け殻にする
所々に残った ....
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