豆電球ほどの灯りがあればそれで十分で
傍に紙と鉛筆があればそれで満足した
ミカンのダンボール箱が机代わりで
ダンボール箱の上に布でも掛ければ一端の机になる
窓はガタが来ていているのか、 ....
四畳半の狭いアパートで暮らして数年が経とうとしていた
脚の折れたテーブルとポンコツのテレビと敷きぱなしの布団しかない部屋
窓を開けても射し込む光は薄汚れていた
ギシギシと鈍い音が出る階段は何回も ....
彼の乗る機体は何でも赤い
赤服を着れば三倍速で動けて「
その素早さは肩書きに負けない
ジオンの赤い彗星
僕らが赤服を着ても普通で
僕らの為の赤い機体は
ガンキャノンが良い所さ
僕らは ....
今はその坂の上はレンガ造りの外壁が少し在るだけで
伸び放題の草木が絡まり合い
今はその場所には何にも無かった様な雰囲気を出しているが
其処に遊園地が在ったことを証明する様に白馬が倒れている ....
あれは暑い日でした
いつも通りに長い坂を自転車で下り
数十年前に廃校の中学校を横目で見る
校庭は手入れがされてなく雑草が高く伸びているが
近所の小学生が野球をする場所はなにもない
ざ ....
この部屋は殺風景だから窓辺に花を置こう
陽はそんにに射さないけど育てみよう
午前中はベランダに置いておけばいいから
そう言ってから随分と長い事にその花は外に在る
植木鉢からプランタ ....
人間とは不思議なもんさ...
舌打ちをしながら老人は街の雑踏に消えた
スケッチブックを広げて
素早く行き交う人々を描く
名もない絵描き
色彩鮮やかな水彩絵の具が
いつも傍で ....
車の中で二人は眠り続け
伸びる陽射しが顔に掛かり
眩しくて目が覚める
波音が耳の奥の方で響いて
君の声は擦れて聴こえずらい
本当に少しだけ優しくなれたら
傷付けずに同じ道 ....
ベランダに出て涼しい夜風を感じて
長い髪に風がすり抜けて
ふわり
と、夢の中に落とされた
目を閉じれば一番最初に君が浮かぶ
それ程に今に満足していないのかな?
会いたいと願えば願う程に ....
海の方へと走らす車の中
僕は何を考えて運転しているのだろう
自分に質問しても何も答えは出ず
アクセルを踏む足に力を入れた
優しさなんて口先だけ
と、思えてしまう
信じる程に失望は大きく ....
短所
破滅願望
自殺願望
仮想願望
心 弱体化
半信半疑
人物 嫌
前
憂鬱
自我 消滅
快楽 取得
世界 崩落
未来絶望
過去 ....
{引用=お嬢ちゃん、夕凪ドロップって知ってるかい?}
駅前で老人は呼び止めている
誰も足を止めずに長い髪を風に乗せて歩く
夕焼けを写真に撮る
カメラマンが其処にいた
近づくと後ろに周 ....
月は高く窓ガラスをすり抜けて
フローリングの床で優しく揺れている
君の声は夜風に乗って流れて
頬を伝う涼しさは本のページを捲って
私は一枚と一枚と戻している
扉を叩く音が静 ....
雲色のミルクをコトコトと温めて
お鍋はグツグツと音を出す
夜空を優しく撫でる様に流れ星が堕ちる
三回願い事を声にすれば願いは叶う
でも、本当の願いは胸の中に在る
北風は窓枠 ....
昔々、向日葵村と言う場所がありました。其処はヒマワリしか住んでいませんでした。どのヒマワリも背が高いので、ノッポさんと呼ばれていました。この村でノッポさんと呼べば、何人も振り向いてくれます。ただ、一 ....
ざぶん
ざぶん
さらさら
さらさら
波は寄せて
砂は浚われて
すっーと記憶を読み返せば
海水の味が甦る
ざぶん
ざぶん
....
生暖かい風を受けて
君は眠りについている
世界のリズムを君だけは止めたみたい・・・
緩やかに雲は流れて
静かに時は刻まれて
未来に進んでいる
水面を優しく撫でて
....
何にも問題が起こらず日々は過ぎて行く
唐突に自分自身に何が起こることはない
そんな風に感じている
ベランダに住み着いた
鴉に夕食の残りをあげる
有無を言わずに皿を突付く
その姿が何処か ....
緩やかに伸びる陽射し
カーテンの影が揺らめく日曜日
君のいないソファーに転がり
時の流れを穏やかに感じています
淹れたての珈琲の芳醇な香り
苦味の中に隠した砂糖の甘さ
見え ....
縁日の知らせを笛太鼓が告げる
心底に響く懐かしいメロディー
思い出す思い出に花を咲かし
酒の肴にする
最近の子供は金魚掬いを知らないだろう
と、飲み屋の親父はそんなことを呟き
串揚 ....
広大な夜空の万華鏡
瞬く間に移り変わる
世界の姿は明日と今日では何も変わらないけど
数百年単位や数千年の単位で少しだけ成長している
打ち寄せる波
浚われる砂
帰らない人
心の ....
午前二時の国道は静かで存在の定義を忘れてしまう
僕の声が遠くに木霊して野良犬が彼方で吠える
明日の兆しは生ぬるい風が吹く方
薄れて行く希望の中で微かに芽を咲かす
その花に名前を付けてあげれ ....
時々、思うことがある。
具体的な形はなく、フワフワと宙を浮いているだけで、手を伸ばして触れたら割れた。
そしたら、忘れていた。
言葉じゃ表せなくて、絵に描くことも出来なくて
何にも出来ないけど ....
誰かに理解してもらおうなんて思いたくない
そんな事を考えて数年が経つ
共に過した月日に傍に在るのは治らない病
例えば、「おやすみ」と言って欲しいと頼む
そしたら誰かは「おやすみ」と ....
たった一人を満足させるために
君は不自由な生活をする
寝不足と二日酔い
時間と比例して蓄積していく
両手一杯の雪の華
自分の手の温もりで
溶けて、さぁ...
哀しいけど生きている
....
今日も俺は外に憧れている
教室の外に確実に在る自由
犬の散歩をする老人
手の届かない高い所を飛ぶ鴉
クダラナイ授業と堅苦しい校則
僕を縛り付けるにはどちら一つで十分だろう
反抗 ....
君のオルゴールは静かに音色を響かす
今まで聴いた事の在る音の中でも存在感が合った
君は決意に満ちた顔
迷いと運命を受け入れた様な顔
昨日の切ない横顔の面影はない
手紙を読んでくれたん ....
昨日のアルコールが抜けていなくて
頭痛と吐き気を催す目覚めになった
ポストに足を運び新聞を取りに行く
ひらり、と舞った
茶封筒
君の決意が其処に書かれていた
{引用=
昔から ....
休みだからと昼間で寝むれる
と、夜更かしをした
そのために目覚めたら頭痛がして
さらに眠りに付いた
同窓会の予定が数週間前に届いていた
そんなことを思い出して手紙を探す
約束の日取りは ....
自分の信用の分だけ渡された仕事
自分で築いた
信用と言う建築物
一つの柱が壊れてたら他の柱に負荷がかかり
簡単に全てが壊れてしまうだろう
実体の無いものだからこそ
儚くて切なくて
ラ ....
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