何も変わらない街並み
古びた家々の塀を猫が歩く
穏やかな陽射しが満ち
平穏の昼下がり
縁台から君の好く吸う
煙草の匂いがした
だけど
君はもういない
坂道を駆け ....
いつまでも迷わずに行きなさい
周りばかりを見ているから自分自身を見失う
だから、周りを気にしてはいけない
足を止めた時だけ周りを見ればいい
君の言葉を胸に僕はこの街を去る
誰か ....
君が見せた優しさの中に狂気を見つけた
君の横顔に幼い面影が垣間見えた
温もりばかり求めて飛び出した部屋
寒空の下で落とした涙は凍りついた
凍えそうな身体を震わす
君が差し伸べた ....
西の空が赤く染まる
夕暮れ時
君の手が僕の手から離れた
スルリと零れ落ち
手を伸ばした先にいたのは
数年後の自分自身の手
ゴツゴツと荒れていて
爪は黄色く変色をして
指 ....
最後の月日を重ねる
砂時計の砂は残り少なく
瞬きの間で全てが終わってしまう
緩やかに全ては前に行こうとする
私の背中を君は軽く押し
踏ん張りのない私の足は前に出て
君の少し ....
夜風が音を立てずに私の髪の間をすり抜けた
それは君が私の髪に触れた時の感じに似ていた
闇に姿を合わす木々達が音を立てる
自分の呼吸の音を聴けと静寂を消し去る
私の{ルビ足=ヒー ....
機械仕掛けの都会の街並み
高層ビルの間を風が抜けて行く
人々は目的もなく彷徨う
そんな運命(定め)なのでしょうか?
緩やかに時間は下降線を描き
破滅の時を刻みつつ在る
....
異国の国で幼い君の横顔に絶望を観た
屈託のない瞳の輝きは希望に満ち
それが叶わぬ事を私は知っていたから
荒れて行く地に咲く花はなく
破れかけの本でしか知る他はない
私は君を ....
(砂浜に適当に流れてきた流木で文字を書く)
瑠璃
君はまだピアノを弾き続けているのだろうか?
何度もやめたいと言っていたけど
その度に僕は君を半ば強引に説得して続けて
僕がいな ....
夕焼けも闇に染まり
少し先の道も見えない
自分の前を歩く人の足音を頼りに歩く
アスファルト特有の硬さに安心した
後ろからは僕を急かす様な声がする
誰かが苛立ちながら僕が歩くその ....
窓ガラスの向こうで夜景が飛んでいく
暗闇の中で街明かりが僕らの後ろに流れていく
鉄と鉄が擦れ合う音が耳の奥底に響く
低音、高音交じりの不快な声が耳元を走り去る
右から左に抜けて、残され ....
他人の痛みを理解しようとして
無理して心の奥底まで覗き込む
其処には自分の顔が映っていて
今にも泣き出そうな顔だった
春の音が別れの時を読む
残された日々の短さ
二度と会う ....
1:至福の裏側で不幸の影をちらつかせる
孤独が好きな癖に人に縋り付く
満たされる事ない欲求を抑える為に
僕は君を抱いた
孤独になりたくないから人を求める
そんな君は世界の果 ....
狂おしい程に君を抱きしめた
背骨のが歪み軋む音が聴こえた気がする
優しく静かに心地良い音色
懐かしい思い出ならば色が落ち
白と黒と茶色で動いている
友は手を振りながら私の名を呼 ....
目には見えないものばかりを求め彷徨う
日々の中で何か違うものを探す
その度に何も変わってない事に気づいてしまう
太陽と月の繰り返しの中で生きている
至福から絶望へと変貌する時は短く ....
他人の痛みを分かち合おうとする
言葉で幾ら表しても
それは妄想の痛みでしかなく
君と僕が料理中に包丁で指を切る
痛いと言う事には変わりないが
痛みの深さはそれぞれ違う
....
長短の夜に君に出会った
優しく微笑んでいた
実体の持たない感情
無理矢理に形に表そうとするなら
君を抱くこと
つまり、愛?
やわらかな陽射しが窓ガラスをすり抜けて
....
誰かが死ぬ事は慣れていたつもりでいた
どうせ、自分には関係ないと幼い愛に溺れた
君から微かに香る
フェロモン交じりの喘ぎ声
強いアルコールを胃に一気に流し込む様な
熱さが胸を締 ....
軋むベットの脚は壊れそう
二人は一つになる為の過程を犯した
一つになれたのは本当に一瞬しかない
心を通じ合えた
甘い時間を過ごす事で辛い今日を忘れる
忘れるというよりは忘れたい ....
春を誘う様な陽射しを集め
自然の暖かさを肌で感じる
それは君の温もりに似ていた
珈琲の苦さが口の中一杯に広がり
小さな角砂糖を一つ落とす
真っ白なそれは黒に染まり
形がなく ....
静か過ぎる夜は心が穏やかになり
いつか君と二人で行った海を思い出す
あの時も優しい温もりに包まれて
僕は緩やかな眠りについた
朝焼けの空は眩しくて眩暈がした
君の寝顔は綺麗で視 ....
何かが物足りない?
頭の中のネジが外れたような
軽く押したり重たい物を乗っけたら
僕は潰れて壊れてしまう
夢や誇りを持ってなく
何かの為にや誰かの為に自ら動く事はせず
自分の代 ....
一つ二つと数を刻む声は遠く
僕は林の中で息を潜める
君は目に付く所を手探りで探す
ガサガサと風が木々(葉々)を揺らせば
そちらを見つめる
君の足音が無情に響く
砂と靴が擦れ ....
三月の暖かかくも切ない風
使い古し色褪せた制服が桜を覆い揺れる
今は未だ
一月の冷たくも優しい風
残された時を躊躇うことなく楽しんでいる
ぷかぷかと浮かんでいても
何れは陸 ....
何の変哲もない住宅街を抜けていくと
土地が高くなって
赤と黒と緑のレンガ造りの道に出る
車が橋(僕ら)の下を通り抜けて何処かに向かう
その姿(景色)を眺めて一日を見送る
部屋の ....
指先一つ離れた場所に君は座り
{ルビ神経=きもち}を集中させれば触れる
だけど、心の中で触れる事を恐れている
一つになれば「いいこと」も「わるいこと」も同じに感じてしまい
お互いの心の ....
静かに夜は明けて
眩しい光が辺りを照らす
その単調な繰り返しを繰り返す
嫌になっても変える術を知らず
心身が慣れるのを待つだけ
反発しても最後には諦め
感情を殺して思い ....
静かに日常の歯車は廻り
その横で穏やかに影が出来る
平凡な毎日を僕はやり過す
意味もなく遠くまで足を運ぶ
風は冷たく僕に当たる
四次元(気持ち)の中で渦を巻き
愚かな夢 ....
君の理想(世界)と僕の現在
有り触れた仕事を淡々とやり遂げる日々
「辞めます」と一筆すれば
僕の場所は無くなる
音もなく歯車は回り続け
砂のない砂時計は時を刻み
青い林檎が ....
少し肌寒い十二月の昼下がり
窓から溢れ燦然めく陽射し
甘い希望や愚かな夢みたいに
僕らはそんなことなど気にせずいた
近くいると君の全てを見る事は出来ない
遠くいると君の見えない所も見えて ....
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