黄色に銀杏の葉は染まり
秋の終りの冷たい雨を浴びて
一枚、また、一枚と散っています

月日は流れ香りだけ残し
貴方は遠い場所へと旅立って
私は二度と帰らぬ貴方を待ち続ける
未亡人と化す
 ....
師走の空は高く澄んでいて
雲は静かに流れています

朝方は特に冷えて息は白くなり
凍える手で自転車のハンドルを握る
力が入らなくてフラフラと彷徨うばかり

小学生の低学年の頃に ....
鮮やかな色に道路は染まり
君の淡い朱色の髪と似ていた

家と家の間を抜ける様に光は僕らを照らす
眩しくて瞳を背けた
その間に君は僕の視界から消えた

小さな悪戯が僕を困らす
 ....
静かに今日を終えようとしている
始まりはいつも解らないが
終わりはいつも解る

儚いと知りつつも力を込める
僕ら(人と)の関係は脆く壊れやすい
一つの嘘が引き金に成りかねない
 ....
壁のシミを眺め続けている
時間を潰す方法はこれしか知らない
退屈でも見ているしかない
やる事がないこの檻の中では仕方ない

嘗ての王も今は見世物でしかない
本能のままに生きる事も ....
人生とは大きな{ルビ河=うみ}

若い時は船を造る事が出来たが
歳を重ねるとその技量だけが残る
彼の体力は静かに老化した

彼の肉体は思いの他にガタが来て
少しの力で骨は折れて ....
小さな指の間からすり抜けた思い出達
瞬きをすれば明日になっている
そんな毎日を今、僕は過している

理由もないのに涙が出るのは年老いたから?
過去ばっかり思い出すのは未来に希望が持て ....
息を吹き込んで膨らんだ 紙風船
何回か空に打ち上げたら萎んだ
その度に息を入れる

テストの問題用紙で作った 紙飛行機
真っ直ぐに飛ばない姿は自分に似ていた
その度に分解しては作 ....
静かな部屋で独りで呼吸をする
普段は聴こえる事ない音が流れる
自分自身の呼吸の音を聴くなんて久しぶりな気がする

静かな部屋の窓から外を見る
鮮やかなネオンが人々を魅了する
「忙しく時間は ....
僕は何時間この場所に居るのだろう?
雲の流れや車の流れを風として肌で感じる
少しだけ肌寒い風は心地良く
嫌なことを忘れさせてくれる
公園のベンチで時間が過ぎるのを待つ人

形あるから何時か ....
学生は撫で合いを求めて学校に行く
彼氏と彼女の意味のない領域を作る
男女間に友達の領域は存在せず

社会人は生きる為に会社に行く
自分の時間を持つ事は許されず
仕事と言うなの課題 ....
シャッターの閉まった古本屋を横目で見る
薄汚れた窓ガラス越しに部屋を見る
手持ち無沙汰の棚が何かを語りかけてくるようで
僕は静かに瞼を閉じた

名前もない野良猫が目の前を横切った
首には小 ....
遠くで犬が吠えている

冷たい雨が降り続く中で傘も差さずに
僕は何処に向かう訳でもなく歩く

季節外れの桜は花弁の代わりに葉を落とす

認めずに生きようとする自分の愚かさに気づく ....
不思議なもので最初は誰もが怖さを抱いている
生まれて初めての呼吸の仕方

単純に考える事でしか出来ない
深く深く深海に行くに連れて
光が届かない闇の中で
僕は今、泳いでいる
 ....
紅く憂いに帯びた君
その紅い着物を丁寧に脱がせば
優しい色をした君の素肌を目にする
舐めればほんのり甘く
齧ればほんのりと苦く
双方の思いは交差したままに
僕らは時の流れに身を ....
名前もない{ルビ詩=うた}を書いています
それは誰かに向けたものではない
だから、何の為に書いているかも分からない

それは花と{ルビ同=おんな}じかな?
何の為に咲くかなんて分から ....
秋の空は何処か澄んでいて
見慣れた街並みさえも今日は違って見える

遠くで野良猫が鳴く声が響いている
それは孤独で鳴いているのかな?
それとも闇が怖くて鳴いているのかな?

僕には解らな ....
秋風に震えながら帰路を辿る
色づいた葉々が擦れる音が流れ
それはあまりに儚く
夕焼けの明るさに目を閉じた

海道沿いのバス停は潮風が吹き
砂が波に運ばれる音が聴こえ
それはとても美しく
 ....
朝焼け前の海に小船を浮かべ
冷たい海水から網を揚げる
その人の背中は何も語らず

先代の想いを受け継ぐ船
傷痕が静かに海面を滑り
明日に繋ぐ

夜が明ければ港に帰ってくる
今日も無事 ....
今日、貴方はこの世界を旅立ちました
それでもこの世界は何も変わらない
万人はこの答えに直面して受け入れてきた

若くして病で旅立つ人もいれば自ら望んで旅立つ人もいる

数十年前に一人になっ ....
少し深い森を抜けると小屋が一つある
表札は流れた月日を感じさせる
窓枠から屋根に向かい草木の蔓が伸びて
何年も掃除をしていないのだろう

もう、誰も住んでいないだろう
とボロボロのドアノブ ....
波音だけが静かに夜風に乗り
私の髪を通り抜けた

海面を漂う月
蟹は静かに砂に潜る

意味もなく
浜辺に文字を書いた
同じ波は二度と繰る事無く
私の足元をすり抜けて消えた

秋の ....
君の頬を伝う
一滴の感情
床にぽつり、ぽつり
時を刻む時計の針よりも遅く

言葉のナイフで君を傷つけた
僕をその事を知ったのは次の日の朝になってから
隣で寝ている筈の君の姿がない

 ....
長い坂道の途中で足を止めて見上げた
青空は二度と戻る事はない
一度きりの一瞬を心に閉じ込める

色褪せたアルバムの写真を一枚、一枚と捨てている
意識はしていなくても何かを感じている
言葉が ....
{引用=「幸せの定義」とはなんだろう。
そもそも、「幸せ」とはなんだろう。 }

ママゴトして遊ぶ娘を見て考えた
彼女にとっての幸せはママゴトセットに違いない
切れない包丁とビニール製 ....
今日も失敗ばかりで嫌になってしまう
そんな時はこの言葉を思い出して欲しい
ナンクルナイサ

人は誰でも間違いをするもんさ
別に君だけじゃないさ
今日の失敗の神様は君を選んだだけで ....
後悔しない生き方を探すんだ
最初は手探りで触れてみるんだ

誰しも捜し求める幸せの定義
数学で云う所の公式に当たるものを探す

宝探しは見つけるより探している時が宝

遠い昔 ....
同意書を確認して下さい

忠告を受けたのは一瞬だった
その忠告は余計なお世話と勘違いして
目も通さずにサインをしたのが間違いだった

優しい瞳の奥は混沌の世界が渦を巻く
ジキル ....
そうだ、そうなんだ。

納得していなくても頷くんだ
反抗期は大分前に過ぎたから
手より先に頭が動く
冷静に分析する事は決して悪い事じゃないけどね
時折、悲しくもなったりする
 ....
人は通る事ない道だけど標識があるんだ
錆付いていて何を標しているか分からないが・・・
寧ろ、分かろうともしないままに
僕は進んだ

左右に揺さぶれらながも必死に縋り付く
皮製の手 ....
海月(335)
タイトル カテゴリ Point 日付
未亡人自由詩6*06/12/9 19:39
師走空自由詩8*06/12/7 0:43
約束自由詩4*06/12/3 20:55
鐘が鳴る様に自由詩3*06/11/29 21:48
ライオン自由詩6*06/11/27 21:20
自由詩3*06/11/24 21:58
眠る前に自由詩2*06/11/21 1:05
明日自由詩3*06/11/17 0:13
バトン自由詩2*06/11/16 0:05
自由詩0*06/11/2 18:30
生き方自由詩0*06/10/31 21:11
夕焼け色自由詩1*06/10/30 0:14
輪廻自由詩3*06/10/25 23:27
自由詩2*06/10/24 0:19
自由詩3*06/10/20 21:44
無題自由詩1*06/10/18 0:43
未完成な一行詩自由詩1*06/10/16 23:03
冬桜自由詩2*06/10/15 11:55
受け継ぐ自由詩5*06/10/11 20:59
弔い自由詩5*06/10/8 23:12
歯車自由詩1*06/10/7 11:58
思い出へ自由詩4*06/10/5 0:40
刻めない時計自由詩2*06/10/1 22:00
一瞬自由詩1*06/9/30 22:19
幸せレタス自由詩7*06/9/25 23:37
ナンクルナイサ自由詩2*06/9/23 22:35
証明自由詩4*06/9/21 22:18
破棄自由詩2*06/9/19 23:51
寝転がった標識自由詩2*06/9/18 23:14
道標自由詩4*06/9/17 22:32

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