ことば には
できない
愛ことば
ふたりの
あいだで
あたためられる
愛ことば
ことばに
できない
ことばを
たがいの
おもいやりで
つむいだ
....
Before
初恋に 破れ 背伸びし 珈琲は
苦いばかりの キリマンジャロ
After
初恋に 破れ背伸びの 珈琲も、
今や麻薬の珈 ....
仲良しで
大好きな
仔猫が
亡くなりました。
座る者の居なくなった
お気に入りの
クッションは
今でも 陽だまりに
置いてあるので
あったかいままです。
ちらい
病気のあなたは ちらい
いつも 優しく 広い あなたが
他の人には あたらないのに
わたしにだけ きつくあたる
それは
嬉しいことでもあるけれど
わたしの 心 ....
深夜
帰宅。
部屋に入ると
机の上に
白い封筒
手に取ろうとすれば
それは
カーテンの隙間から
こぼれた いたずら
月光の封筒
苦笑しながら
ベットに瞳を ....
雲ひとつない
真っ青な 空
広大だ、
仰いで
シャッターを切る。
現像すると
蒼い、 蒼い、
折り紙になった。
あなたが
峠を旅する
ひとならば
わたしは
その頂き煮立つ
一本の木に成りたい。
白い灼熱の道を
歩いてきた
あなたは
陰に入り
汗を拭うと
そっと
わたしに
....
「病気はどうして わたしを選んだの」
その答えを わたしは知っている。
わたしになら 耐えられるから。
病気との付き合いに
疲れたら
しゃがんで、
野の花に 耳を傾 ....
水清く きらめく夏の 想い出を
ビー玉にして 留めていたい。
5月
新緑は 鮮やかに
丸く 優しい
木漏れ日を 揺らして・・・
きみと ふたり・・・
わたしは
「すき。」
と 呟いた。
風が
さわわと吹いて
....
子供の頃からの
夢は あったけど、
詩人に成る為の
面接をしてくれる会社は無く
初めて 現実を突きつけられた
高三の夏
「進路」の前では
夢も 無意味だと
泣いた 夜。
....
眠るとき
口づける ひと
いる あたたかさ
やすらかな日々
紡ぐ
しあわせ
木漏れ日は まるい
お月様も まるい
太陽も まるい
地球も まるい
あなたの
みんなの
心も まあるい。
きみは いつも 僕を見上げる
信頼しきったまなざしで
ある日 僕が、
きみが トイレに行っている間に
いつものかばんを持って
きみの病室から出て
デールームに 隠れる いたずらを した ....
夕暮れは 心細いよね
とくに
愛にはぐれた 小鳥のような君に
この街の 何処の片隅で 泣いているの
僕は 君を捜し出すことも
そっと 側にいて 肩を貸すことも
出来ずにいる
....
フランス語 じゃないのにね 幼き日
ハロー!・ウィーン 謎だったんだ
雲ひとつ無い
染み入るように
晴れ渡った 青空
見上げていると
吸い込まれてゆきそうになる
黒いヘリコプターが一機
高く 小さく 飛んでいる
秋の終わりを告げる
句点、のよ ....
秋になり 思い返すは 夏の夕
掛け違えたの ボタンをあの日
主人の入院している
病院の化粧室
隣り合った
鏡の前で
「主人の面会に来たの」
そう云って
微笑むと
いっそう増えた
やわらかな
しわの ある顔に
紅をさす ....
白いノートに降る
碧い文字達
白い余白に込められて
文字を持たない 言葉達が
静かに
静かに
密やかに
奏でられる
その時を
待っている ....
犯罪を 君の正義は 犯罪を
無くしたいんだ 者ではなくて
今、
わたしが 欲しいのは
見え透いた 優しさ より
缶コーヒー 一本分の
暖かさ―――
朝
開いた野ばらの花びらに
光る 雫は
愛に 満ちている
喪主を務める まりこさんは
そんな・・・余裕・・・
まりこさんには・・・ない
手違いがあって
ひたすら ....
携帯を 銃と構え キーを打つ
殺し文句を 今夜、送信
蕾つく ききょうの花 茶巾寿司
妖精達の晩餐会に
雲が秋 ススキのほうき 空を掃く
*終わらない巻頭詩の盗作では、ありません。
わたしが、オリジナルです。
秋の陽に 深まり行くは 海の色
何処吹く風と 翔ぶ 鳥も 泣く
金木犀の薫りに
とっぷり町は浸かって
煮詰められ
心に熱く 蘇る追憶
ふたり
惹かれ合うように
くちづけた
それから あなたは
吐息で、 愛してるって 云ってくれた
....
わたしの 心の 奥底に
降り続く 雨を
見抜いたのは きみ
幼い頃の あの 忌まわしい過去も
人前では 何もかも
笑い飛ばして 切り抜けて来たのに・・・
「隙を見せた方が負けなん ....
夏を ほどいた
波が
少し
季節はずれの
サンダルのつま先を濡らす
ここに 影もないのに
わたしは 何を 期待しているのだろう
打ち寄せる 波のレースは
その度ごとに
....
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