寄り添い生きることができなくて
するり と ほどけた
朝がくる
あなたが静かに閉めていったドアを
あける こともなく
わたしは
夏風が木々をゆらし歌う
それを 見て ....
愛するあなたの 傍らにいて
いつか私は{ルビ孤独=ひとり}になり
静かに気を狂わすだろう
あなたの腕に抱かれるために
私は翼をそっと折り
静かに血潮は流れ出し
知らず枯れていくだろう
....
みつめている
うつくしい景色のむこうに
誰かへつづく ひとすじの想いがありますか
胸の中 熱をおびた
夏の風は ふいていますか
どこからか
あなたへつづく 想いがあるように
わ ....
はだしの少女
歩き出せば 誰かのかなしみを踏んづけてしまうから
この切り株から、絶対に降りないの
そうして何年も 赤い靴とにらめっこ
あれだけは履きたくないし…
森のうさぎはいいわよね ....
午後の陽射
見上げる、瞳
山吹色の世界で
あなたが 私に残した言葉は
今も 胸の中を響いています
遠く想う
あなたの生きる 街の風
あの日 藍色の翳りは
今も その胸の ....
トイレの前にはいつも長い行列ができ
ひつじの仕事はその行列をうまくさばくことだった
けれど だれもひつじを見ていない
ひつじは アイピローのようにうすっぺらで小さく
とても背が低いため、 ....
街に灯のともる 夕暮れは
さびしくて
たえられないと だれかがいった
群青の空に
森の影が 長くのびて
かたかた風に つららが揺れる
でも
私はしらない
この夕 ....
ゆきだ
冬姫がきたよ
胸の芯まで吹き抜ける風をつれ 風になって
ゆきだ
春姫がきたよ
吐息のような涙のようなあたたかな 風に舞うよ
ほら
森に気配が満ちてきた
ほがらか 小鳥 ....
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