ここ、最高ですよ。
南向き、日当たり抜群。
風通しも良いし、湿気知らず。
地震が来てもビクともしません。
今なら10パーセント程度お安くしますし、
住んで一年間の間なら、 ....
鞘がなき
ただそこに在り
五月雨に
白水仙は
凛とぞさやぐ
言葉を知る人がいる
言葉を知る人は、みんなが捨てていった
言葉の葉っぱを拾い集める
言葉を知る人は言葉の大切さを知っているから
みんなが捨てていった、なんでもない言葉の葉っぱを
優し ....
泣けない人の代わりに涙を流す人がいました
しかし、自分の意思とは無関係に
勝手に涙が流れてしまうだけで
涙を流す人は泣きたいわけではありませんでした
そして、こんな体に生まれた自分が
嫌 ....
富士宮ヤキソバ
富士宮が町おこしとして売り出した名物
未だにB級を抜けられない感があるのは何故だろう
頑張れ、富士宮ヤキソバ
一度食べたら他のヤキソバなんて食べられないから
....
地球の皆オラに力を分けてくれ!
マジ頼みます
マジ頼みます
・
もしもしも
子も指も視も死も
あなたから
夢残月に
心は乾く
・
清廉でもなく
....
ぽっこりと盛り上がったキュートなおへそ
ボディーは流麗な曲線美
甘美な潤いと澄み渡る香り
洗練された色彩を放つあなたは
....
人を殺す人は人を殺す
鳥や兎も殺す
人も動物も関係なく殺した
殺人犯として警察に捕まり
裁判で人を殺す人はこう言った
私は鳥や兎を殺す。
それと同じように人を殺すのだ。
食べて、 ....
あーした天気になーあれっ
あれ?
下駄が斜めに立っちゃったよ
一体どんな天気になるんだろうね
雨じゃなくて飴が降ってくるとか
ベタだけど良いね、甘そうで
雨じゃなく ....
土の中は真っ暗で
空気も悪いし
じめじめしているね
土の上に住む人は椅子に腰掛けて
ふんぞり返って言いました
今日は、土の上に住む人を家に招いたのですが
土の上に住む人は、家に着て ....
月に住む人の一日は
朝日が昇るのと同時に始まります。
井戸水で顔を洗って
ニワトリとヤギに餌をやり
卵と乳を取ると
パンとスープで朝食をとります。
それが済めば
クワを持って畑を ....
時計を作る人の時計は
どんな時計よりもずっと正確だ
一歩進めば、時差を合わせて
絶対に狂うことはない
でも、時計を作る人の作った時計は普通の時計で
一年も使っていれば時間はずれてしまう
....
トイレの向こうは僕の知らない世界でした
というより知らない商店街だった
肉屋を始め、魚屋、八百屋と
食べ物を扱う店ばかりが目立ったが
中には薬屋や酒屋もあるようだった
店はどこも活気 ....
チュー
初めてのチュー
君とチュー
レモンの香りじゃないけど
ちょっとだけ磯臭いけど
もういっかいしたい
もういっぱいしたい
やっこくて
きもちいい
チュー
君 ....
雨が降る朝に
しずしずとした部屋で目を覚ました
浅暗い色を含んだカーテンと
土を打つ雨の音と
何もない僕と
混ざって出来たのは
不思議なくらい心地良い空気
まだ少し湿っている ....
知らない田舎だった
真上の太陽は{ルビ燦然=さんぜん}と輝いて
風は田んぼの苗を優しく撫ぜる
白いリボンの付いた麦わら帽子をかぶった君は
太陽の眩しさのせいか、少しセピア色にみ ....
一つの怪しい露店が私の目を引いた
店はガラクタのようなものばかりが
騒然と押し並べてあり
店主は私の存在に気が付くと
すかさず、変な眼鏡を勧めてきた
....
昔、人は空を飛ぶ方法を知っていた
両手を広げて羽ばたくことをしなくても
軽々と宙を舞った
渡り鳥のように暖かい場所を求めて飛ぶ
渡り人というのもいたらしい
でも今、人は誰も空を飛 ....
甘いものを断つ。
昨晩、延々とその鉄の決意を語った君が
どうしてシューなんとかを食べているのだろう
僕が帰ってきたのに平気な顔でおかえりと言う
たった十数時間の間に、鉄は何万度という高 ....
それは、微かだった
おもむろに ゆっくりと
そして、微かだった
そろりと 音もなく
わずかに
微か
生きている
朝、
目が覚めると紙幣のベッドで寝ていた
床も壁も全て紙幣になっていた
洗面所も紙幣で出来ていたので
もったいなくて水を流せなかった
福沢諭吉に囲まれて取る朝食は食べにくかったが
....
「意外と、少ないね」
人の灰を持った君が苦笑する
青い空に煙り雲が散った
ここにシャボン玉が浮かべば綺麗だろうな、
そう思った。
町の薬局で消臭スプレーを買った
値段は598円。特売の札がかかっていたものだ
初めて買ったので安いのか、そうでないのか分からないが
お店のレジにいた太ったおじさんを信じよう
悪人には見えなかっ ....
蓋を開ければ まくろな世界
蓋を閉じれば ましろな世界
おいでなさいや かの方へ
くろから流るしろの泡
遠く狭く角ほどしろく
しろを被ったくろの岩
透けて先にはくろとのあいだ
....
ゆるゆると
わずかに息を抜き捨て
柔らかな薫りに裸を抱かれ
雨が月夜を溶かしたら
春花びらは
川流し波に揺られて
二つの空に二つの雲があった
風が吹けば波打って
雲に霞が立ち込めた
二つの空に二つの月があった
大気の澄み渡る晩には
無限の星屑が月を囲んだ
二つの空に二つの陽があった
全ては朱 ....
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