歩き疲れた直線道路で、遠くに見えた小さなコンビニ。二人で買った一つの肉まん。
君は「半分こ」と言ったけれど、僕はこっそり小さい方を食べた。
其れは君の手がとても冷たかったから。それなのに君 ....
明るいのは苦手だ。
明るいととても落ち着かなくてドキドキする。苛々する。
早く夜になれと願う。
夜になれば、外は私の心と同じ色になる。
いつか太陽なんて無くなってしまえば良 ....
人間(ひと)は成長するもので
とても短い間で変わってしまうもので
目を逸らしたら見失ってしまうよ。
瞬きをしている間に消えてしまうよ。
さっきまで目の前に描かれてい ....
私が何を想おうと、決して何も変わらないのだけれども。
心配だよ。不安だよ。
貴女は今、何処に居るのですか?
息は吸えていますか?ちゃんと吐き出せていますか?
この世に存 ....
きっと あたしは、キッカケが欲しいだけ。
あと少し ・ ・ ・ あと一歩が踏み出せないでいるの。
ソンナコト、ゼンゼン怖クナイ。
貴方が殺してくれるのならば、あたしは ....
ずっと、求めてる。
あたしが今此処に、存在しても良いのだと云ってくれる誰かを。
あたしが外に出ても、
街を歩いても、
お洒落をしても、
微笑んでも、
呼吸をしても、
声を出し ....
自分の未練がましさ只隠し、貴方の前でにっこり笑う。
今日も上手に笑えたかな?
溢れ出でるは真紅の血泡。
ドクドクと・・・止まらない。
何一つ、欲しいもの ....
「ねぇ抱いて。」
それだけで良い。
他には何も要らない。
何もしないでいて。
―――御前に其れ以外何の価値が在ろうものか。
自ら鏡を覗き見た事は有るか ....
誰かが云う。
明けない空など無い、と。
誰かが云う。
冬はやがて春となる、と。
―――それならもし、初めから光なんてものが存在していなかったら如何しようか?
....
いつもに増して暑い日は、不思議なものが見えるんだ。
さっきも向こうの電信柱に、知らない人が立ってたよ。
声を掛けたら、消えてしまった。
こっちに少し、振り向きながら
目だけ ....
† 僕は夢を魅る。
遠く・・・遠く・・・。
僕は鳥に成りたくて
見えない翼を羽ばたかせる。
広い、雲一つ無い青天を仰ぎ、 ....
今朝は何回鏡を覗いた?
ボクは何時もの様に髪を梳いている。
幾度と無く見飽きた顔がボクを見据える。
ふとしたら壊してしまいそうになる、不服そうな面。
....
先刻から、あたくしの周りだけが酷く煩いのです。
辺りには誰も居る筈のない廃墟。
季節はもう冬。刻は午前三時だと云うのに・・・
誰かが耳許で囁く ....
真っ青な空を見上げていたら
ふと死にたくなった
昨夜抉った手首の傷が
じん・・・
と疼いた気がした
焼け焦げた丸太を見付けて
其処に焼け爛れた己の幻影(かげ)が重なる
....
あたしの指に光るもの
あなたの視線を感じる度に、何故だか胸が苦しくなります。
「どうして・・・」
あたしは彼に、こんなにも愛されていると云うのに。 ....
空に ひとすじの ヒコーキ雲が描かれていく
スー――ッと、細く、長く・・・
でも直ぐに弱々しく消えていく後方
僕も あのヒコーキ雲の様に成りたい
細く、長く、う ....
狂ったあたしはあたしですか。
元気なあたしはあたしですか。
明るいあたしはあたしですか。
生きているあたしはあたしですか。
正しい帰途(みち)は何処ですか。
何処まで行け ....
あたしは、にこにこと笑っている。
いつも、にこにこ。
「エガオ」、と云ふらしい。
何かが違うと思っても、
誰かに酷い事をされても、
決して怒ったり、泣いたり、
....
【第一幕】
あたしは不出来なお人形。求められるモノは貴方への絶対の従服と忠誠、そしてこのカラダだけ。他には何も要されない。誰もがあたしを自分色に染めては透り抜けてゆく。それでもあたしは、唯の ....
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。
きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。
あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。 ....
僕に魔法をかけてほしいんだ。
そうして浄化して。
僕の中にある汚れたキヲク全てを。
助けは来ないよ、永遠に ....
好きだなんて云わないで。
そんなの只の戯言だと分かっているから。
愛だなんて云わないで。
そんなの只の絵空事だと知っているから。
甘い台詞で あたしの心を 掻き乱そうとは しないで ....
「熱しやすく冷めやすい」とはよく云ったもので、つまりは そう。
あたしは とおに冷め切っているのさ。
あなたは そう。未だ あたしに気があるものと思っているのね。
けれども今、あなた ....
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