灯台へ向かう道は
何箇所も工事中で
ガードレール代わりに
細い鉄パイプが括り付けられ
細い海峡に似た入り江は
冬の日差しで満たされる

今日
君は黙り込んで
売り払った車と
明日の ....
年老いた子供たちは
宇宙戦艦ヤマトの艦長になって
強力無比のバリヤーに守られ
波動砲で全ての敵を蹴散らして
前方に広がる星の海へ

嗚呼でも
極厚の特殊合金越しに
宇宙の寒さが身に染む ....
吹雪の中を歩いていると
灰色の世界に浮かぶのは
手が届くような白い太陽

北には日本海
南は山ばかり

ひょっこりと氷壁登頂家が
足元から現れたのは
本当にびっくりした
二人して
 ....
50億年前
宇宙が出来
45億年前
生物が誕生

ポンと叩かれ
ふっと生きはじめ
夢中で生きて
死んでも生きる為
生殖した

いつも疑っていた
誰がポンと叩いたか
それは解か ....
むらをぬけるみちに
かわいたかぜがふき
しろいつきがうかんでいる

露を含んだ緑の苔は朝の光に酔いしれる

ガラスも
きんもくせいも
しろくすながつもり

遠くから呼ぶ声は銀色の波 ....
いずれは大河へ注ぐ源の
細い流れは
野を行く幼子のように
冬の透ける日差しの中を往く
冬枯れて覆いかぶさる
草の葉の下で
岩を乗り越え瀬を転がり
時と戯れる若者の気軽さで
ポクポクサラ ....
良きダイビングするために
黒いゴーグルの女は
永く待ち続けたのです

よき便りも
悪しき結末も
畢竟それだけの事だったのに

大陸性高気圧は
水銀柱を押し上げ
ちぎれた雲が
南へ ....
むこうの田のなかで
ごろごろ転がしている
しろいのが白鳥です
ほらよく見てごらんなさい
稲の切り株のあたりで
落穂や二番穂をむさぼっています
あのやさしげな長いくびは
あなたの腕のようで ....
翼が水面に
触れるか触れないか
それを楽しむ
それが飛ぶ者の在り方

傾けて弧を描いて
差し伸べて
張り詰めて
愛するように
触れずに

飛ぶために身体のあらゆる部分を
作り変 ....
信号を渡ると
防波堤のむこうで
お前が
小さな翼を
そんなに忙しく羽ばたくから

お前が何千キロの空路を旅した
勇者とは思えないで
笑ってしまったのだ

虚仮脅しの人間関係に
す ....
冬の湖の町は
低い丘が連なり
白い壁と茶色の屋根の家が
重なり合って建っている
罅割れた土の壁は
老いた人類の
肌のぬくもり
紅色の小さな実をつけて
柿の木が寄り添う

美しい人よ ....
マンモスは氷の中にしかいない
過去の或る時
きっと氷河期の氷の上で
跪いたきり
起き上がれなかった

マンモスは
それきり一頭残らず
地上から消え
今はマンモスは氷の中にしかいない
 ....
雨の日はしずかでいいな
洗濯物が乾かないよ

晴れの日は気持ちが清々するな
日焼けするよ

夕暮れは優しくて
忙しいのに
夜は静かで
ふー、全部いいんだね

と言うから
全部嫌 ....
秋晴れの朝
鎌を振るい
コスモスを刈る人がいる

汝、いずくんぞコスモスを刈るや
死せる人あり
慰みにせん
コスモスは萎たれるのみ、叶わず 
奉ぐるにあらず
コスモス憎し

咲き ....
今日は無用の日だ
天気が好いだけ

朝からむやみに晴れ上がる

やらねばならない事は
いつもの通り
約束は無い
何かの記念日でもない
人生のその他おおぜいの日

記憶には残らない ....
ひょいと持ち上げれば石の下にも
木々の葉の裏にも
川にも、山にも、雲や風の中にも
ニコニコ笑って神々は居る

チョット助けてよ
ほら手伝って
と声をかけても
にっこりわらって
ないな ....
アオサギが視ている
水の中を
アヲサギが覗き込んでいる

どんなに深く覗いても
みつめるものは
小魚だけ

きらきらとかがやくもの
どんなにきみは
それをのぞんでいるのだろう

 ....
古代ケルト紋様を研究している
美しい大学教授は
海草の匂いのウイスケに酔い
アイルランドの
月を探しに出かけていった

昔は料亭だったという
太い梁のある店の灯りが
夜に浮かび
精霊 ....
水晶石に似た秋の日
マツムシソウの咲く藪に潜み
椎の実の落ちる音を聞いていると
誘う声がした

老いたハンミョウは処女のように
悲しげに首をかしげる
ダフネは立ち止まり
誘いつづける
 ....
時間は思い出からなる
思い出は同時に存在するため
(一回限りの、回帰不能な時間)
は存在できない

空間は寂しさである
寂しさは永遠という単位
で読みとられるため
(計測できる単位を持 ....
僕の窓から
うさぎが見える
いつも一人で
踊っている
河原で
時には
人気の無い
公園の木陰で
誰かを待ちながら
所在無げに

恋人の窓からは
洗濯干し場の
はしごが
みえ ....
僕の窓から
不意に
せせらぎの音が聞こえてきた

じっと聞いていたのに
もう
聞こえない
ジット が続かなくなったのかな

そういえば
小さい頃は
ズ-ット だった
いつか
 ....
いきなり
目の前に飛び込んできたのは
黄色い蝶です
秋に向かって明け放れた
私の窓から

季節なんてと
挑戦状をたたきつけて
不敵にヒラヒラ舞っています

私だって
この生にバン ....
大事な忘れ物を
取りに帰って
きます


大声で
別離を
告げて
走り出しても
間に合うのだろうか
待っていてくれる
だろうか

乾いた路地をぬけ
白い雲のながれる
神 ....
崩れそうな小屋だけ写した写真集に唆され
海を目指して出かけた。
岬の藪の中に、崩れそうな土蔵があるんだ。

遠目から観る土蔵の壁は、罅割れが黒い毛虫のように張り付き、
崩れた屋根は秋空に畝っ ....
大橋川近くの酒場で
降る雪を
窓越しに見ていた
街灯の灯りの向こうを
大きな海亀の甲羅が流れていった

哄笑と囁き
古いジャズのスイング
青いソフトに降る雪は・・・
触れ合うコップの ....
赤土の荒れた雑木林
青いスモモの藪
カルモヂインの田舎で過ごした
終らない夏休み

素早く指を絡め
戸口で交される囁き
覆された宝石のやうな夏

50M×2.1M×9コース
閉じ込 ....
コンビニで買ったパンと
手には古い釣竿
ヘッドライトを頼りに
必死でたどり着いた
飛沫にぬれる岩礁

これはいささか無謀ではないか

岩を砕く波の音におびえながら
一人地球の先端に腰 ....
私は一個の惑星だ
光と影の半球として
世界は存在する全ての事実で構成される

私は闇に浮かぶ
激しく疾走しながら静寂に
世界は存在しない全ての事象に包まれている

私は海底に埋もれた貝 ....
・・・世界は終ってもいいので、そこの処をひとつ宜しく 
夢の中で頻りにお願いしていたのだが
目覚めたら、何を頼んでいたのか、忘れてしまった
思いっきり悪党ずらをして、
そこのところをひとつ・・ ....
まんぼう(61)
タイトル カテゴリ Point 日付
海へ自由詩104/2/6 11:21
スペース・オペラ自由詩404/2/6 11:18
だんべ(ぼたん雪)自由詩504/1/22 8:15
夜明け前の唄自由詩404/1/22 7:45
まゆ自由詩104/1/19 10:25
雪の下自由詩603/12/25 12:23
青空を見上げているスイマー自由詩103/12/20 12:36
冬の野自由詩203/12/16 11:16
鳥として自由詩403/12/14 14:02
未詩・独白203/12/8 17:13
初冬自由詩1*03/12/5 11:43
マンモス自由詩403/11/22 23:07
信心自由詩103/10/23 9:36
弔意自由詩3*03/10/18 9:41
今日自由詩003/10/16 10:07
神々自由詩403/10/12 12:56
沈思黙考[group]自由詩003/10/12 9:18
月夜自由詩103/10/10 18:03
秋の日 自由詩203/10/7 9:25
踊る石自由詩303/10/1 1:04
ゾルバ自由詩403/9/27 15:16
連想自由詩403/9/27 9:46
秋のステップ自由詩403/9/26 8:53
時間自由詩103/9/22 11:09
休日散文(批評 ...003/9/17 14:29
(酒場)自由詩303/9/14 10:30
(屋外プール・・・西脇順三郎へのオマージュとして)自由詩103/9/14 10:26
夜釣り自由詩103/9/5 9:39
惑星自由詩103/9/1 10:36
世界は終ってもいいので自由詩103/8/27 12:55

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