竹薮に囲まれて
さらさらと
黄緑と白
雨上がりの光
賑やかな静けさの中
下り坂を行くと
後ろから
夕方と夜のあいだのような
ゆらゆらと妖しい紫色の声が
林檎を小さな太陽だなん ....
君はほんとにうっかり者だ
いつも不完全燃焼で
綺麗なものを見ても
美味しいものを食べても
毒ばかり噴いていた
そんなだから将監の水に
流されてしまうのだ
どうしたら君に
十分な酸素 ....
私の肩にいつからかマラカスがついた
回したり振ったりすると愉快な音が鳴る
完全手作りなので左右同じでなく
右の方が立派である
妹がそいつをとろうとする
痛い、やめろ
....
山の中を走る風は
ガムテープの匂い
あの景色あの感触あの想い
べったりと
しかし思いのほか頼りなく
運んでいく
ずいぶんとひどい事になったね
ウロコも剥れて綺麗だった姿が
まったく分からなくなる程
それほど必死で泳いだこの鯉に
私は目からウロコが出て仕方が無いのに
このウロコはどう ....
このうたどこかで聞いたうた
たしか祖母がうたってくれた
このうたどこかで聞いたうた
窓の外から入ってきた
このうたどこかで聞いたうた
あいつは綺麗にうたってた
このうたどこかで ....
ひとけの無いがらんとした灰色の
ただ広がっているだけのアスファルト
何故か工事がストップしたままの
どこにも繋がっていない道ではない道
わざわざここまで来たのは
あまり悲しくならないため ....
ある晴れの日のことです
くもは糸にのってふうわりと散歩していました
やあ
あんまりいいお天気だな
これはひとつ
おなじ名前のそらのくもとやらに
....
車の窓が濡れて景色が滲むと
ワイパーで拭取ります
家の窓が濡れて景色が滲むと
雑巾で拭取ります
私の目が濡れて景色が滲むと
本当は
本当は君に
拭いてもらいたいの ....
まわった
10回まわった
目がまわった
ゆかがまわった
いすがまわった
つくえがまわった
まどがまわった
かべがまわった
わたしの足をまんなかに
せかいがまわった
....
あんまり悲しく寂しいので
少しでも私に力の出るように
綺麗なものをそばに置こうと
一つ花を植えたけれど
いくら花が綺麗でも
綺麗なのは花だけで
このゴミ溜めはやはり ....
はやく給料持ってこないかしら
接待だから仕方ないのさ
三日に一度四人の家族は揃って食卓を囲み
おのおの世間話を披露する
これで二日は帰ってこないわ
あの女は気が狂って ....
悲しみてぇもんは
大きかろうが
小さかろうが
とんでもなく重たい荷物
持主にしかどんなに重いかわからない
かわりに持ってやる事もできない
置いていこうにも手からはなれない
とんでもな ....
あんまりいつもの事だから
誰も泣いたりしないが
昨日のお前はどこへ行ったのか
死んだのか
それともそこの隅でひっそり泣いているのか
行って帰れば別の人
どうしてこうも
行って ....
dolce lusingand
やっとのぼった太陽のように
朝日のように眩しく優しい笑顔の君を
力一杯抱きしめて思い切り泣いた
暖かさに溶かされるように
やがて腕の力が抜けていき
全部 ....
何もわからなくなってしまった
一緒にならんでいたんだ
同じ方角を見ていたんだ
いつも真直ぐに前を見つめていたんだ
右から左へ太陽や月が移っていくのを眺めながら
冷たい風のやってき ....
ある時、私の口ぐせが「もうだめだ」とか「いっそ死ぬ」とか「消えてェ」なんかだったりした時期があった。
物事に対してやたら悲観的で生きててもいいことねーなとか
もうやだ全部やめたい、やめさして下さい ....
雲が流れる
柔らかい風に乗って
雲が流れる
新しい世界を目指して
私も流れていけるかな
一緒に行ってもいいですか
時間が流れていく
私をのせて流れる
千切れた雲も流れて ....
背中に乗るのは淡い夢
青い空に白い雲
後先なんか気にするか
所詮1枚の紙キレだ
ほんのり涼しい風の中
明日の空は俺の物
気持ちだけは雲の上
天狗の鼻より大きいが
翼の角度の微調整
子 ....
あなたと二人で
あなたと二人で
あなたと二人で
また歩きたいこの道を
あなたと二人で
一緒に見た夕日
湖面に映って二つ
照らし出すよこの道を
あの時と違うのは
背の伸びた並木 ....
なんだいお前。あいつの事を可哀想だと言ったら怒られたというのか。お前はその事を悔いて、さらに恥じているというのか。
お前があいつを可哀想だと思うのは、仕方のないことじゃないか。何故ならあいつには ....
いま眠っている母さん
母さん、良い夢を見ていますか
私は母さんに
一通の手紙を書いています
母さん今までごめんなさいでした
私は死にます
私のことは忘れてください
私が私であって ....
いけない見るな 時計を見るな
このあとなんか どうでもいい
今この時に 終わりが迫る
たのむ見るな
私の顔と時計の針を
気遣わしげに見比べるな
お前のその目を刺してやりたい
時計の針 ....
お前は何を待っているのだ
いつから待っているのだ
風は冷たく
帰れ帰れと鳴いている
水につかったお前の細い足は
凍って今にも千切れそうだ
太陽は沈んだ
月も雲をかぶり星一つ出 ....
なわとびなんて 久々だ ふふ
どうやら下手になったようだ はは
目の前の子どもも下手糞だな いひひ
私も練習したものだ へへ
ずいぶん鈍ったものだがな はは
子どもと練習してみるがな あ ....
やさしい言葉をきくと
私はゆらゆらします
やさしい言葉はきれいです
きれいなものというのは
どうやら壊れやすいですし
汚れがつくと目立ちますし
また汚れが落ちにくいようですし
や ....
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