{ルビ百合=ゆり}の木の葉のいく枚か色づきて穏やかならん秋の人達
日向落ち日陰落ちする{ルビ欅=けやき}葉の涼やかならん秋の朝とき
藤岡という御宅ありゼラニウム
秋の夜の小宇宙など見つけむと塩と砂糖を眺めたりけり
コスモスや順光よりも逆光の
にせ薔薇のにせのしずくのまことめきつど眺むれどふるることなくて
立ち並ぶ{ルビ欅=けやき}の枝に日は紛れ案外永き秋の午後かな
秋風に山騒ぎ立つ昼間かな「フリー」なる身の「ゆる」き光の
同じ旗同じはためき秋の空
天の川ねこの前歯を数えけり
{ルビ夜嵐=よあらし}に{ルビ旱蓮木=かんれんぼく}や{ルビ破=や}れ尽きぬ夢食ふ人も恋ぞ捨つらむ
秋の蚊を打ちそこねたる女かな
がさゝと猫の{ルビ上=のぼ}りし{ルビ芭蕉=ばしょう}{ルビ哉=かな} 子規 明治二十八年作。〈季〉芭蕉・秋
猫が草木によじ登った。ただそれだけの句。しかし「がさゝ」という擬声語が存分に ....
マウス置きサッシ開くれば秋の夜の雨ぞぱつぱつ庭に落ちんこ
もとかのとおなじ名もあり迷惑のフォルダ空にすほしづくよかも
オレマチのshortcutの地下道路ワカイオンナもひいちゃマズイし boom!
雲の{ルビ峯=みね}水なき川を渡りけり 子規
明治三十二年、子規三十二歳の夏の作。私の最愛の句。また子規には
{ルビ藻刈舟=もかりぶね}雨ふるかたへ帰りけり 子規
とい ....
同じ事を{ルビ廻灯龍=まわりどうろう}のまはりけり
子規の句。たしかに走馬燈とはそういうものだ。この句を知って以来、ひとつの古ぼけた走馬燈が心中で廻っている。私にとって普遍の走馬燈となって ....
葡萄つまみ雨をながむる女かな
{ルビ大西日=おおにしび}傾く頃や人と逢う
そうめんを茹でる音聞く{ルビ夕立=ゆだち}あと
ひまわりの茎太けれど傾けり
いったこともないくせに…
あの人もこの人も濡れ{ルビ夕立=ゆだち}かな
街の灯の点り初めたる夏の果て
千綿!
風が
燃えてる
僕らの
心のように
長い
カーブ
もどる
ことない
光の流れ
「時の王座」に
たどり着くまで
雨が
走り出す
焼けた
マシーンを
気 ....
口紅の色ほどよくて春の雨土はつち色水はみず色
義娘来て前夫の話しはずむ妻おれ、おるんよおれ、おるんよ
羽田にて別れ話となりぬれどようようおさめ富士の高嶺か
庭占むるカンレンボクの葉の茂り皆にうとまれ皆にうとまれ
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