今、私の体内には春が渦巻いている!
腹の底から笑いが込み上げてくる
私は笑っている 確かに笑っている
高らかに 朗らかに腹のそこから笑っている
何と心地の良い事か!
この朗らかな春の後に ....
雨は
どれくらいの覚悟で
私と土を濡らしたのでしょう
川は
どれくらいの意志を持って
木の葉と灰を流したのでしょう
波は
どれくらいの信念があって
島と船を飲み込んだのでしょう ....
いちばん星!と君が指したあの光は
いつ故郷を離れ
どれくらいの時を経て
君の瞳に届いたのだろう
大嫌い!と君が叫んだその言葉は
いつその心に芽生え
どれくらい君を苦しめて
僕の心 ....
詩を書くことも忘れていた
七色のの宝箱だった本棚はいつしかビジネス書で灰色に染まり
楽しげな文字が躍っていた手帳には無機質な箇条書きが並んでいた
歌うことも忘れていた
軽快なリズムを刻 ....
夜明け前
どうしようもなく腹が減ったので
もそもそ蒲団を這い出して こっそり開ける野菜室
梨は無造作に掴み出し さっと洗って皮を剥く
しゃるしゃるしゃる
しゃるしゃるしゃる ....
愛してくれとは言いません
でも愛してもいいですか
あなたの今日の幸せを
明日も笑顔であるように
祈る自由を私にください
あなたの言葉に耳を向け
おどける姿を ....
風ぬるく不意に響いた蝉の声耳に残るは夏の面影
レール沿い緑囁くさやさやと野分と呼ぶにはささやかな気して
午後3時いつもの場所で待ってます揺れるアカネが撫子にキス ....
愛しい私の娘よと
かあさま まりひとつ投げました
まりはお空に留まっていつも私を照らします
私の愛しい娘よと
かあさま おべべ掛けました
おべべは山に干したまま季節の色に染 ....
「この子は優しい子ですから」
私は優しい服を着る
「この子は元気な子ですから」
私は元気な服を着る
「この子は耐える子ですから」
私は耐える服を着る
「この子 ....
なんとなく
逃げ出してみようか と思った
土を蹴って
走って
草を踏んで
走って
風を切って
走って
ってってってってって
....
くぅ
ううう
くぅ
ううう
ベランダ越しに
くぅ
ううう
くぅ
ううう
やさしい声で
くぅ
....
ブックカバーは不思議な覆い
一度本に被せれば どんな本も同じ顔
シャナイでなにを読もうとも 誰にも何にもわかりゃしない
ブックカバーは不思議な覆い
しんしん表紙に降り積もり の ....
夢見る乙女は夢の中
夢幻に憧れて
現の境に気付かない
綺麗な色に
綺麗な光
綺麗な音に包まれて
綺麗な夢を見続ける
現の境は見えなくて ....
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