お出かけだろうか
お引っ越しだろうか
寒そうなお住まい
春を待ってる
大地に深く根をはって
高い空に伸びていく
いつでも私の場所はここ
創造のための大切な日常
生きるのは
60歳まででいいと
思っていたのに
亀を
拾ってしまった
万年は
生きないけれど
30年は
生きるらしい
80歳まで
頑張らねばなるまい
楽しい30年に
なりそ ....
時々
感じていた
自分だけが
浮いている
自分だけが
取り残されている
それもまあいい
この年になって
そう思う
違っていたって
けっこう楽しい
壊れない
壊れそうに見えても
壊れない
描き続ける
もっと楽しい明日
あの緑の向こうに
見たこともない私がいるはず
壊れたって
また作りなおせばいいさ
ぼくに少しだけ
愛をください
ほんの少しだけ
愛をください
多すぎる愛は
ぼくを殺してしまうから
庭先にあふれるこぼれる赤い花揺らして散らす春色の鳥
風の中
春の知らせを
待っている
眺めているだけで
かまわないのに
こんな私には
届くはずもないのに
どうして
歩き始めてしまったのか
カラカラと
空回りする虚しい時間
どうか
邪魔をしないでください
どうぞ
私を行 ....
こんなに
風の強い日でも
こんなに
暖かな日差し
だから
辛くなんかない
君は
元気ですか
いつも
時間に見張られている
でも
いつも
時間を忘れている
心のいちばん奥にある
深い深い空
覗き込むことが
少しだけ怖い
高い梢にいる
一羽の鳥
私の知らない
街の景色
風が吹いているね
君の場所にも
真夜中
駅前の自転車置き場
こんなところで君は
いったい何をしているの
冷たい風に
くるくる回る
置いてきぼりの
クリスマス
寂しくなんか
ないはずなのに
月が
寂しそうに
見える
どんなに
愛を注いでも
少しも
愛を疑わない
たいせつなことを
教えてくれる
君は私の
だいじな友だち
今はもう聞けないテープを出してみるネットラジオのなつかしいジャズ
君は
伸びようとする
もっとずっと
高く
ふたりみたいな
ひとりぼっち
いつも
空を見上げている
形を変えながら
ここではないどこかへと
流れていく雲
その向こうに
あるものを信じている
私の好きな夕焼けは
命の終わりへの
一つ一つの目盛り
....
曇り空ストーブの上で鳴るやかんおはようを言う亀と私と
笑ってないと
君らしくないなんて
言わないでほしかった
怒っているのも私
泣いているのも私
全部の私を認めてほしかった
笑っていたって
こんなにも寂しい
消えかけの
飛行機雲
もう
届かない
夕暮れの街
昔のカレーの匂い
遠い日の記憶
お母ちゃん
庭に出て
古ぼけたピンク色の
ベビーバスに
ホースで水を流しこむ
赤い金魚が二匹
水の流れに
逆らうように
体をくねらせる
ベビーバスの縁から
ゆっくりと
水があふれて
....
こんな街の
空にも
神様は
おられる
そんな
気がする
こんがらがってばかりの毎日
だから
迷うことを楽しんでいる
洗面所の壁を
優雅に歩く
脚が一本
足りないなんて
誰にも
気づかれないように
金魚らの赤い背びれを撫でてやる指先に滲む生ぬるい水
いったい君は
何を隠そうとしているの
隠そうとすればするほど
よけいにそこだけ目立ってしまう
顔をそむけて
知らん顔
けれど二人は
似たものどうし
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