君はもう忘れてしまった?
あの日 僕らが見た空の色
バイバイって別れたホーム
別々の電車の窓
見上げた同じ夕焼け
燃えるような赤い夕焼け
「見て 空がきれいだよ」って
二人同時に ....
駆け出したスニーカー
追うヒールの音が響く
誰にも内緒のまま
鬼ごっこをしていたんだ
肥大する想いは
そんなカゴじゃ囲えやしない
大事に育てた日々
かくれんぼはもう充分
君の ....
擦り切れた思い出ならばいくらでも 再生 再生 上書きできない
今はもう 懐かしいとか遠いとか 耳をかすめて 波の音から
一度でも あなたと海へ行ったなら 波の合間に溺れていたなら
白 ....
奪われた 赤いかさぶた 剥がされた また血が出ても 見ないフリした
手術した昔の傷に 口づけて 重ねて赤い傷となりたい
白い肌 「触らないで」と割れた声 口づけて消す 蒼い唇
....
かさねた手の平が汗ばむ
ぜんりょくで 君が好き
覗き込む瞳に僕が映ったら
大きな声で笑って 二人
飛んでゆく空の果てまで
あの人とあたしに降り続く雨
目から伝うのは涙じゃなく
口に出すことを
望まれなかった言葉たち
思い出がこぼれてゆく音
遠く 近く
道なりに歩くのが苦手
遠回りに意味がないって
大人は口癖みたいに言う
立ち止まって考える
誰にも追いつかないスピードで
回転する思考を留めて
こんな風に泣きそうな僕を
君は見止め ....
どこでもドアで連れて行ってくれた
あの遊園地はキラキラしていた
回転する庭の隅で
ずっと笑っていられた
どうしたって真ん中へ行けない僕を
君は引っ張ろうとして
踏ん張って赤い顔で
そ ....
あなたが巡らす透明な壁のどこかに
?ほんとう?に続く扉があって
あたしは今も
それを探しているんだろう
本音のようなものをさらして
身にまとう距離感
愛想よく笑いながら
人間関係はゲ ....
強い風が吹いて
あの人の紺の傘を打つ
骨の折れた傘の下で
あの人は片目を抑えている
コンタクトがずれるらしい
風の強い日は
視力を補って泣きそうになるなんて
馬鹿みたい
……なんて思わ ....
回転する空から
星がこぼれた夜
間違って少し失って
傷口がまた開いて
どうして人は
手を伸ばしても星は掴めないのに
大切な人の傷口に
ナイフを突き立てることはできるんだろう
....
本当はあげたかった
あのクッキーを
あなたは知らない
あなたの用意した甘いモノを
わたしは知らないし
旅先で選んだキーホルダーを
あなたは知らない
あなたの部屋のあな ....
ありがとうが言えずに
飲み込んだら
安っぽい甘味がした
さよならさえうまくできずに
たくさんの言葉を飲み込んだ僕は
砂糖菓子に窒息する
繰り返す梅雨の憂い
水溜りに映るのは
また歪む空
さよならのかわりに
泥水を蹴り上げる
汚れても笑っていた
強くありたかった
暴れる水面に
反転する空
....
本当はいつまでも
隣りに居たかった という真意
嘘で固めた道の
続く未来は悲しい
祈ってるの 貴方の幸せを
あの扉がもう2度と
開くことはなくても
淫らな言葉で埋め尽くす
ずっと続くはずのない人生
脳を焦がす衝動
嬉しさに似た哀しさで
つつがなく騙してよ
あたしは いつか貴方の
忘れる景色になりたい
すぐ壊すから今は黙って
なじませた体温が心地いい
望まない答えは口づけて消す
上の空の貴方 貴方を失う以外
つらいコトなんて何一つ
わかんないまま
悲しいなら泣いてよ
水音で泣き声をごまかすから
逆様にした時計の砂は
またさらさらとこぼれる
残された時間にたくさんの
「おかえり」を伝えてゆくから
窓の明かりが消えた街に
歩く足音
吸い込んで高く澄む
黒く黒い空気
張り詰めた頬
耳を塞ぐ音楽が
どうしても君に会いたいと
叫ぶ
見上げる
高く澄んだ黒に
点いては消える光の名 ....
「人間関係はゲームのようなもの」
と 言い切ってしまえるあなたに
手札を見せて戦う癖のついた
わたしは退屈ですか?
理由がどうの?
戦略?
テクニック?
そんなものは ....
それ以上
踏み込まれないための予防線
巡らす有刺鉄線
あの人の本音はどこにありますか?
その領域に垣間見える
黒の黒さに
望むところって笑う
僕の声が届いていますか?
....
足りない部分を埋めあうピース
尊いかなんて関係ない
いつだって二人で創れるものは
完成しないままのパズル
記憶の断片
照らし出す寂しさの乱反射
キラキラと眩しいから ....
掠れてゆく記憶から
立ち上る陽炎
痛みだけが今もあせずに
あの恋の結末を主張し続ける
いやでいやで仕方のなかったはずの
あれやこれやは影もなく
楽しかったことの輪郭だけが
....
あの唇に触れたい
と思う
真昼の摂氏8度
あの手に触れたい
と思う
真昼の月をなぞる指先
その歌声があんまり甘く優しいから
自惚れてしまいそうになる
わたしのために歌っ ....
あなたに照らされて輝く
この想いはさながら月
ただ大切にしたい
淡く優しい光と熱
愛したいとか 愛されたいとか
もうどうでもいいよ
あたしのブランクを
錆び付いた鍵穴と言うのなら
貴方が鍵を突き刺して
ゆっくりと回して
ふたりでしか開けない
扉があるなら
乾杯のグラス持つ指に触れたい 苦味も好きと言える日までに
まだ知らない ジントニックのその味も それを味わう その唇も
泥酔を希望してみる 空グラス 氷を砕くあなたの口元
....
「比べてみよっか」と
あなたは笑って手を広げた
重なった五本指の向こう
あなたの笑顔がまぶしい
*
丁度指先三本分
ふたりの距離を
一気に埋めてしまいたいような
もう少 ....
アルコールの勢いで
口にした本音は
居眠りしたあなたの前
泡になって弾けた
頬が熱いよ
その指が揺らすグラスの中
カラカラと回転する視界
コントロールさえうしなって
貴方という人に
酔わされる
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