白きバラ垣根に咲きて皐月昼妻と伝道奉仕に励む
二人して風邪をひきたり今日もまた庭のテラスに紅茶とケーキ
針箱に赤白黄の糸巻きが妻は手縫いで衣服をかがる
春色慕情
無関無色といえること
五月の夜に悟れり
本を買わず
本を失わず
酒食を節し
心の赴くさまに
生きて禍なし
完成はせず
技を磨かざるべからず
常に研さんして
....
まださむき五月のあさの机にて妻まだ起きず吾は聖書を
風邪をひき咳と痰とに悩まされ五月の連休初日過ぎゆく
愛そそぐ人をえたとのメイル受け子の幸せを神に祈らん
夜が明けて妻も目覚めて二人してこれからのこと話し合いけり
コーヒーを沸かせて飲みつ春の日の妻の休日過ぎてゆくなり
光さす朝の机に聖書読み部屋にみち満つベートーベン
愛する妻は仕事に出一人聴く交響曲第四番
雨後の庭朝日に青葉色さえて妻は明るく出勤しゆけり
遠くから近くから様々な楽しき音今朝の坂本陽ざしに映ゆる
後一年妻は最後の勤めなり読書をすると朗らかに言う
春かすみ藍色の水鳥が舞う湖の架け橋渡りけるかも
枯れ葦の水辺たわむる鴨の群れ飛び立つ音に心騒げり
浅みどり新芽つけたる木々を見つ心新し空を仰ぎて
黄みどりの芽と花が合い桜咲きける ....
朝早し冷たい空気通り抜け妻の車は勤務にいそぐ
妻に又何かをせむと心やり描き始めにし昨日の絵
一人いて心に懸る妻のこと共に料理を作る楽しさ
つつましき妻の花壇に蛙棲みゲコゲコゲコと呼びかくるなり
あれがいいこれがよしとて選びたる花々はどっと咲きいでにけり
良き日なりわが家には平和あれども哀し人の世トラブルに満つ
片田舎坂 ....
白と赤紫ブルー花咲きて妻の花壇は賑わいており
ギッシングふとふと読みて人生の目標みつけり
曇り空ベートーベン・ピアノ曲部屋中に響いておりけり
緑野にタンポポが一面に咲き妻と喜ぶ春のひと日に
春風がそよそよと吹く畦道を伝道奉仕に妻と行きけり
陽は翳り大イヌフグリ点々と春風の吹く川のほとりを
風に揺れ柳芽吹ける川沿いの野に鳥な ....
風温しさがし来てみた野っ原に土筆採るなり妻と友らは
早春の枯葉まじりに青草と前景にある杉の林が
喫茶「風」心は浮きて妻と共トーストとコーヒー
山際の店にいて人五・六人薪ストーブ窓辺の ....
三っまたの楮盛んに咲きにけり
大枝に二っ巣を架く青鷺が
春浅くいまだ少なき庭の花
崖っぷち弾けるごとし初桜
ああ春よ妻の花壇は一斉に花咲き出でて希望の春よ
今日の日も清くすごさむこの時を寸暇惜しみて学問の日に
桜井市訪れし時天皇の陵に立つ吾らの姿絵にしにけり
戸を開けば陽の光さす通り道妻は日曜勤務にいでし
冷気こめ朝の空気すがすがしくも今日の集会妻は欠席
夜くれば食卓囲む幸せを思いつ友の車来るまつ
夕となり妻の帰りを待ちつつもともに歩みし伝道の日々を
家を出でまた家に入り語りたる神の言葉は心をめぐる
目覚めてはまた起き上がり聖書を持ちて幾たびも共に忍べり
妻と共あたらしき湯沸か ....
如月の温くき休日二人して柿右衛門展思い出になる
洋服を二・三点も出されけりどれも似あいて妻はみめよき
妻出勤部屋を出でゆき戸を開けば横顔見せて運転席に
二月二六日
聖書読む手を休めては湯を沸かし妻が求めしクッキーを食ぶ
静かなる部屋に座りて書を開き真理を学ぶ如月の昼
み言葉はすがすがしくて今日はただ妻と神と聖書考う
息子帰って ....
陽の照る日おにぎりを二人して勾当内侍の塚の前にて
友くれし水仙の花しばしの間さびしい色に妻の花瓶に
ソロモンの言える如くに空しかり花も吾らの愛でさえをも
何がなんだって
疲れて寝るときほど
いいものはありませんね
世の中嫌な奴さえ
いなければ
いいのですがね
それがそうはいかんので
寝て醒めた時は
気分のいいもので ....
夕暮れの窓辺に雨がそぼ降りて灯りのともる大津の市街
今日もまた伝道にきし坂道のそばに植えらる蝋梅黄色し
立ち寄りて見舞いの品を二人して渡せば顔にむくみの見ゆる
夕食を吾らはとらむ ....
山の向こうの
野原の隅の
一輪のコスモス
そんな彼女を
僕は好きです
山の向こうの
川の中の
一匹のメダカ
そんな彼女を
僕は愛して
山の向こうの
林の中の
杉の木 ....
かってわたしは煙の精を葬った
そして色の精も片づけた
今や酒精も遠ざけようと思う
なかなかのやつで骨が折れる
金もかかる
楽しくやっつけよう
濃厚なやつ淡いもの
色精とよく似て手ごわい
....
茶をのみて
戸外に目をむけ
茶をのむ
ずーとそうしていた
何もせぬ老人
であった私
冬枯れの庭の
しおれた花を見て
豊かな色であった
このささやかな花園の ....
太陽の光輝く朝九時の叡山駅に心静かに
今朝の風あるかなきかにそよ吹きて山の彼方に希望をこめて
対坐してじっと見つむる妻の顔黒髪の房豊かなりけり
木々の間に雲みだれあい青空に風微 ....
一月三日
コバルトの湖にさざ波白く立ち一月3日並木道ゆく
さびしげに男が一人道よぎる生業は何をなすかとふと
「がんこ堂」面白き名の書店あり名に惹かれ寄りたく思う
珍しくな ....
思いには歌作るべき種もなく机に座りかくペンをとる
体にも心にも力与えずば気分は失せて骸骨となす
改めて妻と自分を並べみむ彼女こそわが心の絆
英訳「ハルダウン」(4)
When I finished the work of accountant, the store-head beckond me from the back yar ....
赤いマントを身につけてつとめゆくいつもの妻との7時半
リストの曲静かに響く今朝の部屋姉妹の歌を作りしのちに
窓越しに机に座り学びいる人の姿の好もしきかな
人にとり妻は親しきものにして親子に勝るものにありせば
淡き陽のさんさんとさす朝の路姉妹の車ゆるゆると出ず
朝になす家事のほとん ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
0.54sec.