真ん中に
するり、と
入り込んで
溶けきった後
成長を、開始する
君のその
心に根付いて
愛という
餌を貰って
大きく、なっていく
....
この街の何処かで
ステロイドの人形が
冷えた歌を奏でる時
私はきっと
あの、行きつけのカフェで
モカカプチーノを
ゆったりと
啜っている
帰宅途中の少女が
出かかっ ....
あの
光る目を盗んで
チョコレートを
口へと運ぶ
事実
今は授業中なのだけど
私は自分の
欲望に忠実なので
食べてしまう
生産者が
緑色の板に向かう間は
絶好の ....
指切り、愛し紡ぎ
離すのは勿体無いと
絡めたまま
指切り、愛し紡ぎ
切るには惜しすぎると
繋いだまま
小指同士の契りに
約束なんて
本当は、必要無くて
ただ一 ....
朝靄に隠された
乳白色の意識の中
息を潜めるだけで、聞こえる
それが終わりではなく
始まりであることを
裏付けするような
透明と不透明は
限り無く澄みきって
螺旋の配列を
組み ....
いつのまにか
こすもは、すぺーすへと
ぐれーどあっぷ
していて
ぼうちょうをくりかえす
この、これは
どうもとめどない
らしい
これを
あい、とよぶか
かがくげん ....
私のこの
やはらかい、とされる部分を
貴方は
いとも容易く
貫いてしまったので
365
たまに、プラス1の世界で
私たちはまだ
息をしなくては
ならないようです
....
ちょっとだけストレンジ、と
か細く笑う君 は
その意味を知らない
まだ
全てを許しきれていない
それは勿論
僕も同じことで
そこにいる
快楽殺人者は、許せるけれど
デパー ....
ある筈のない
五行目をなぞりながら
レコードは音を紡ぎ続ける
私、と呼ばれる生き物は
禁断の実をかじりつつ
その音に
聞き入っている
ある筈のない
存在しない、五行目 ....
これから
私、という名の
暴走特急は
成長という駅へ向けて
猪突猛進
進んで、参ります
ですから
危険を伴いますので
窓からお手は
出さないよう
後ろを ....
爪の間から
ぼろぼろと、溢すのは
何年も前からの癖
何が溢れているかなんて、
知ろうともしないまま
昔話の中で
お爺さんは呟いていた
その空白にこそ
全ての答え ....
瞳の奥で揺れる
至極、あやふやな
日付変更線を
片足ずつで跨いで
昨日と明日の間
本当の、本物の今日で
息をする
世界を知る
でも
ここには
日付なん ....
限り無く空に近い
水平線の向こう側で
少女は空になる、と
言ったもんだから
僕は黙って
海に潜るしかなかった
何処までも青いだけ
そんなことはもう
ずっと前から知って ....
昨日は
今日とは違う景色
(で、した。)
明日も
今日とは違う景色
(だ、ろう。)
変わらないものなんて
何一つ
何一つ、無いこと
分かっていて
独りぼっち ....
臨界点まで
達してしまった温度は
やっぱり
オーバーヒートを起こして
冷却装置の
スイッチを入れてしまった
(ただいま)
(くーるだうんちゅう)
(しばらく、おまちく ....
水面に映るのは
あの日の残像
決して、私の顔なんかでは
ないこと
分かっている
溶け込むことは
容易なのだけれど
「ただいま」を言うことは
何よりも
何よりも難しい
気がする ....
朝焼けに 彩り添える 歌でさえ 笑顔の先に 思い出せると
翳した手 傷は癒えぬと 繰り返し 欠乏の果て 声は枯れゆく
さざ波の 白々しくも 酸い音を 瀬に背に受けて 空 ....
とっぷりと
暮れた空の中で
赤に染まりたいと願う
透明な私を
あの赤で彩ったら
なんて、なんて素敵なんだろう
と思う
折角なら
あの黒い鳥にも
絵の具になって欲しい ....
(前略)
地球行きのロケットは
とうに最終を越えて
次の便はなんと
幾億光年先、らしい
ここから見える景色は
それはもう
とても素晴らしいの、だけど
流石にそんな長い時間を ....
先程
119番を押して
不調を訴えてみましたら
それでは
救急車は出せません、と
言われました
症状を
事細かに説明致しましたのに
あの対応者!
病人を助けようとする
気持ち ....
上辺だけの友情が
まかり通るこの場所で
鼻歌を歌い続けている
窓は全開のまま
人々は未だに
その存在に気付かない
中庭では
明日を夢見るティーンエイジャーが
つまらな ....
明日雨は止むから
もう少しだけ
待ってくれないか
そう言って
鍵を閉めたのは
君だったのに
君、だったのに
絶妙に見えない
位置関係で
勝手に進んで行くのも
君な ....
雨上がりの世界
虹はもう、霞んで
短い終末を迎えた街に
新しい世界がやってくる
隅っこでうずくまったままの
黒く淀んだ
嫌われたものたちの声が
啜り泣いているのを
人 ....
こたつの中で
何本もの足たちが
陣地を取り合っている
頃
まどろみはそっと
瞼をノックして
心地好い終わりに
私を包もうとしている
目をしばたかせて
現実を直視
....
夕べ目を開けたら
水溜まりが出来ていて
手で掬って
口に含んでみたけど
酸っぱくはなかった
広がる波紋は
限り無く優しい
広がる雲は
限り無く冷たい
今日は月が
....
雨玉が
降り続く広野を
私は優雅に
疾走している
限り無く視界は閉ざされ
何も見えていない
いないのに
私は
限り無く優雅に
疾走している
後ろには
顔見知りが ....
足早に通り過ぎた
世界は今、遥か後方で
私を呼んでいる
擦れ違った私は
遥か前方で ただ
先を、見詰めている
ネジが何処かで
一本抜けてしまった
から
世界と私は
....
むきになって
取り繕った一雫、が
忘れ去られた今
ようやくチクチクと
棘を
発生させて
忘れるな
忘れるな、と
声を上げている
(ように、感じる)
洗濯機に ....
捻れて
ひねくれて、
螺旋を描いた それは
縦に縦に伸びて
真っ直ぐになった
本当は
最初から最後まで
真っ直ぐなものなんて
ないんだよ、と
諭すように
....
安心していたら
乗り過ごしちゃった
らしい
らしいので
線路を
てくてく歩いて
戻るよ
ほら 思いの路線は
いつだって
一方通行だからさ
....
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