ヒタ ヒタ ヒタ
鋭く光る闇に向かい
どこへ行こうとしているのか
色様々な刃の絡み合う音
道化には耳も目も口も
痛みという感覚さえ鈍くなっている
そうして息だけが
....
靴の中でいつまでも残る小石
無視できるほどのわずかな痛みなのだが
私は歩くのをためらった
寒い北風が忘れられない
ただコートを羽織ればいいだけなのだが
私はそれさえ考えら ....
陽も明瞭さにかけた頃
ドアの向こうに
霞んだ香水のにおいがあった
机の上の花が ――1輪の花が目に入った
ヒナギクの花
部屋の明かりは消えているのに
なぜか
....
目を閉じた
これを暗いというのか
はたまた白いというのか
自分にはどちらでもいい
見えるのだ
この目が
何気なく人間は手を動かせられる
何気なく呼吸し
何 ....
僕は 僕は!!
この粉をすべて掬いあげたい
手から一つ一つが
暗闇に吸い込まれていく
僕は服を使って
口も使って
両手も使って
全部残らず掬い上げる気持ちで
かき ....
生まれたんだ
おはよう こんにちは これからよろしくね
萌葱の栄える季節になりました
子供のアナタはへたっぴな絵を描いたね
だけどそれは
あなたと一秒の創りだした足跡 ....
周囲にある見えないものを
私はそれとなく体に引き込む
次は吐き出す
針の音が刻んでいる
日に日に、刻々と過ぎていくものを
それは同時に死でもあり
生でもある
....
夜部屋の一室
私はひっそりと考える
『シ』と言うモノについて
暗い空間の中に自由にできない腕で
恐々震えながら伸ばす
たまに掴めたそれは
にび色
電子機械の中 ....
雨という言葉は
雨からやってきたものではない
最近になって私が雨を知ったのは
金曜日の前の日だろうか
もっと幼少の頃から知っていたような気もするが
それまで冷たいというこ ....
無い物ねだりを始めた君は
朝靄の中にある
タンポポがそっと綿帽子を飛ばす光景を
密かに見逃している
原っぱいっぱいに広がる黄色い世界が
雪の絨毯に変わり
緑の野に変 ....
右手には運命がある
左手には可能性がある
右手にはプラス
左手は添えて
目の奥の思考回路が単純で
間違い回路へ繋がる
左手にはマイナス
右手には説明書
神 ....
劣悪な環境におかれてワタシの心は
破裂寸前になっていた
両手をグッと握り締めた
数ある罵声を受けて
世の不平に晒されて
癇癪を起こしたワタシの手足が
そこにいるあなた ....
さようなら
言葉は一つ 想いは二つ
最後にこんな言葉が言えたのは
僕には幸せだった
君のため
独りよがりのダンス
続きはない
だから辛いってこともある
だ ....
寒いじゃないか
ハンバーガー
一つ食うに困る人がそこにいるぞ
ヨレヨレのスーツを着た男性が公園
湖のナマズのような
ぶっちょう面で座っているぞ
昼間から酒を飲むひげ面 ....
さび付いた木の葉
一枚一枚を空へ浮かび上がらせて
僕は僕より弱い物の運命をつかさどる
僕の運命を
大きな黒い塊が
時には振動し
時には荒れて
彼は僕の ....
忘れようとする
それは心のエコロジー
節約ばっかしても
不意に蘇える
忘れたよ と笑った君
でもホラ、泣いた
何年たったって
どれだけ過ぎたって
枯れ ....
泣いている声
穴が開いたように
暗い底から聞こえてくる
だけども姿は見えない
夜の東京
もしかしたら聞き間違いだったのではないのか
射光する物体が通り過ぎ
ネオン ....
見えないとはどういうものか
いや
見れないということに
恐怖を感じるべきだ
ここにいる誰にも問うことが出来
解決には至らない
詩人よ
歌人ではない詩人よ
....
人は夢を見ます
記憶の整理だとか
願望だとかという噂もあります
それでも夢を見ます
鮮烈に残る夢も
忘れる夢も
この心の目だけは見ています
悲しいこともあるでしょ ....
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