とても優しい夢を見た
風も光も体温も
すべてが優しくなって
すべての嘘と強がりをすてて
今なら正直に言えそうだ
あの日あの時
あなたの事を
本気で愛していた事を
綺麗なあなたに
名前をつけてあげたいけれど
あなたの名前はもう
決まっているのね。
もし私が壊れたら、
あなたにもっと
素敵な名前を
つけてあげられるのに。
駅のホームで
すこし優しくなれるのは
いつもとはちょっと違う場所で
電車を待っているから
いつもの道で
すこし優しくなれるのは
切りとられた空が
それは
それは青かったから
....
あの日と同じ月を見上げて
「1年前と何も変わらないね」
と君はいうけど
今はほら、
君の髪型が変わったじゃないか
綺麗な空模様に
お気に入りの曲
かけがえのない笑顔達に
大切な人の温もり
目の前に広がるいくつもの未来
それだけで十分に
幸せなはずなのに
いくら煙草の煙をすりこめど
一向に埋 ....
あまりに綺麗な世界の中で
素敵なものが多すぎて
いつも君だけを
見ているわけにはいかない
よそみしてしまう時もある
だけどその感動を
君のいちばん近くで感じられたら
いちばん最初に君 ....
背伸びしてゆく町で
小さな家さえも失くした僕らは
エジプト行きの風に乗って
三日坊主の逃避行
からみついた嘘を
口八丁できりさいて
....
カラカラの洗濯物
風の匂いを吸い込んで
ロサンゼルスまで放り投げた雲も
そろそろ戻ってくるだろう
最後の夏が終わるけど
また会えるよね
君と君と
かき集めた砂場のすなを
そっと ....
コトリさんコトリさん
逃げないでおくれ
ボクは何も
取って食おうなんて
思っちゃいないのだから
それじゃあ
まるで
sekkin=nigero
とinputされた
ロ ....
あの青は知っているのだろうか
大海の向こうの優しさを
国境を越えた憎しみを
アスファルトに染み込んだ綺麗な血の匂いを
埃まみれの文字に隠された秘密を
届かずに色を失う百億のコトバ達を
....
駅前の 商店街の
こぎたない
忘れ去られた ボタン屋に
おそろいの
カフスボタンを
買いに行こう
お揃いのシャツを買って
僕の右そで
君の左そで ....
さっきまで
少し怖い夢を見ていたんだ
もう覚えてないけれど
だからホッとしているのかな
左耳のピアスの穴ごしに見る
生まれたての世界に
君がいち ....
隣に眠る君に内緒で
この小さな部屋の片隅を
そっと箱のようにして
宇宙から
切り取って
しまえないものかと
そのドリンクホルダー付きの特等席から
ブラックホールの絶景を望めないものか ....
ペットボトルが散らかった
小さな部屋の
6センチの窓から顔を出した月を
今はねむいから、と
人差し指で押しのける
ぜんぶ
見えなくなって
ちょっと冷たかったかな、なんて
ハミ出さな ....
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