「それは、違う。」と
言いかけた・・・・。
「それは、違う。」と
遮った・・・・。
「それは、違う。」と
平手打ちをした・・・・。
「めんどうくさい。」と言われたら ....
あなたが好きだったものを食べるとき
こけた頬の凹凸と
「水が飲みたい。水が飲みたい。」と
湯飲みを差し出した事を思い出します。
「いただきます。」と手を合わせ
皿の上のも ....
父の額に手を置いて
硬く冷たい頬をなでながら
最後の言葉を贈る。
「ありがとう、お父ちゃん。ありがとう。。。
次もまた、お父ちゃんの子供に生まれたいなあ・・・・。」
風に ....
はらはらと舞うぼたん雪は
遺された女たちを労わるように包み込む。
「パーッパッパー。」と高らかになる霊柩車のクラクション。
それは多分
物言わぬ父が告げたさようなら。
白 ....
温かな人肌が
冷たく・硬くなっても
置いた手の感覚が無くなりそうになっても
その場から離れることは出来ない・・・・。
(あったかいなあ。お父ちゃん・・・・あったかいなあ・・・・ ....
開かれた扉と
銀の台に置かれた白い破片。
崩れながらも形を残すそれは
熱い熱いと焼かれていった
愛する父の姿であります。
「お父ちゃん、お帰り・・・・。熱かったねえ・・・・。」
....
誰かの心に寄り添って
ただ
静かに手を握ろう・・・・。
ほんの少しだけ立ち止まり
ひとまわりした視界の先で
こぼれた涙を見たならば・・・・。
「声を聞いて欲しい。声 ....
千切れた身体を引きずり
たどり着いた場所で
残った肉体を地中に埋めた。
遠くで呼んでいたはずの名前は聞こえなくなり
冷たい空気の元
よりよく澄んだ空を眺め
静かにた ....
子供と呼ぶには
失礼だと感じ取った。
突き放してしまうのは
しこりが残るほど何かが重い。
抱きしめたいとは思っていても
震える両手はそれを許さない。
まっすぐな心を ....
綺麗なものが見たいと呟いて
角っこの先を歩いてみたくなった。
(観たいものが見えるまで、心を空にして彷徨うがいい。)
足は
石畳の階段を
アスレチックみたいに飛び跳ねる。 ....
別れる時に辛いのなら
一歩下がればよいのだろうか・・・・?
(軽やかに舞う身体。)
(杖に支えられる身体。)
相反する二人が
「さようなら・・・・。」と
呟いた。
....
人との繋がりが失われたとき
まず自らを責めなくてはなりません。。
(返答の無いメール/繋がらない電話。)
ー指先だけの関係に、求めるものは無いー
苦しみ
耐え抜き
....
「もうすぐです。その日が、来るのかも知れない・・・・。」
(あと、5年です・・・・。)と言われたけれど
2倍の10年目になります。
正面を向いた顔が髑髏に見えて
ぞっとしました ....
心を
言葉に託すのだ・・・・。
限られた時間を
色濃くする為に・・・・。
ただ一言
「すき。」を伝えてゆこう。
たった2文字のひらがなで
誰かが幸せになるよう ....
電池パックの裏蓋に写真を貼り付けて
心に姿を浮かべながら
身体の代わりに携帯電話を抱きしめる。。
コピー詩集を携えて
下町の路地を歩けば
スカイツリーによじ登り
ひしめく街並みの中 ....
泣くまい泣くまいと
ねじ込みを覚えだした時
泣くという行為の存在を
少しずつ忘れようとしたらしい・・・・。
細くなった父の手を握り返し
「ありがとう。」の一言を伝えたら
....
どこを探しても、一人しかいないあなた方。
何億分かの一のくじ引きで、二人三脚をすることになったあなた方。
「私は共に生き、幸せになりたいという申し出を受け入れて
お腹に宿りました・・ ....
父の声がしたので
居間の方へと向かって行った。
杖を持ち
自力で歩こうとする様は
病と闘う姿そのものに見える・・・・。
「私は今、父の心と気持ちに答えなくてはならない。。 ....
忙しい。忙しい。としか言わなくなったので
ほんの少しの荷物だけを用意して
高尾山に登ってみた・・・・。
曲がりくねる坂道を登るうちに
「これは、今までの景色に似ているな・・・・ ....
かすかに触れた指先を追い求め
いくつもの場所ですれ違う人影の名前を
ぽつり・・・・ぽつり・・・・。と呼びかけた。。
詩集を抱き
いちごみるくの欠片を放り投げながら
隅田川 ....
良縁を感じた日
ランドセルを下ろした少女と
話をしよう・・・・。
一つの終わりを迎え
受け入れることを拒み
返して返してと泣く
少女の傍らで・・・・。
(20 ....
「いつか、会わせてください。」と
12歳の女の子は呟いた。
ランドセルを背負い
スクールバスを待つ公民館の前で。
土曜日の夜
すれた匂いの飲み屋前
酔っぱらいを背に ....
繋がる糸にたぐられながら
「この人に、会うためだよ。」と教えられながら
小学六年生の女の子は
一冊の漫画本を買った。
彼は、27歳。
彼女は、12歳。
どこで出会い ....
過ぎた日々の足跡を探し
小さな鞄を置いたまま
故郷があるはずの空を眺める・・・・。
今は無い平屋の生家。
よく似た場所を見るたびに
庭で掃除をする母の姿が
私に「 ....
言葉と感情に潰されまいと
無になることを覚えた・・・・。
怒り・悲しみを表し、伝達手段の模索をしても
笑い飛ばされて終幕を迎える・・・・。
「知りすぎたことは、マイナスにならず ....
手塚治虫、仕事中居眠りをしたとき起こした編集者に向かって
「私は、寝てなどいない!!横になって眠気を取っていただけだ!!」と
言い放っていた。
私は、実家に帰省し家で湯船浸かったら高確率 ....
通り過ぎた足音に連れ去られ
この世の全てから誰かが消えた・・・・。
それは、助けを求める声さえも無視をして
「何もなかった。」という一点張りのまま
天袋だけを見つめている・・・ ....
7月13日
渋谷・新宿・池袋を往復し
アフター5の一時(いっとき)を味わいながら
君の姿を探してみる・・・・。
(東京での生活は、楽しいよりも苦しいだけが多いと感じた日。)
....
覚悟は、出来ていた。
凍りつく雪山の登山のように
赤が青に変わる現実も
永遠と言い聞かされた。。。
ぶっとい首輪をはめられて
(行かせまい・決して行かせまい。)と
....
落胆する声を聞き
見え隠れする感情に
「会いたい。。」の一言を飲み込んだ・・・・。
不確かな勘違いでこみ上げる羞恥心は
臆病者の烙印を押して
時折私を追う両目を見つめなが ....
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