少しだけ強引に肩を抱きながら
唇が重なる。。
零れ落ちた独り言を
最後まで聞かれていた。。
ぬるりと動く舌を味わいながら
頬をなでる手のひらは
俯きそうになる顔を上 ....
「配属日を、楽しみにしていた。」と伝えたが
戸惑いの滲む返答に笑う。
(まだか・まだか・・・・。)と
過ぎるとき
早送りのボタンを押して
恋愛映画の1シーンを流す。
....
手を、握り締める。
ひとかけらの希望とともに・・・・。
目標を無くした瞳は
冷静という名の思考を手にする。。
「次がある・・・・。次がある・・・・。」
踏みしめた両足は
....
ミルクティーを飲むと
フランスパンのサンドイッチが食べたくなるの。
食パンも、バターロールも
駄目なのよ。
ハム・レタスが
卵と一緒になって
ふやけたパンで
食べ ....
生きているだけで、戦争だ。
と
言った君の様に
戦う場所は、ここだ。
と
思った…。。。
くじけないで・くじけないでと
読み上げた
柴田トヨさんの声を聞 ....
トマト畑に、食の神様がいた。
真夏の午後
トマトを一つもぎ取って
冷たい水にひたして
丸かじりをする。
甘いお菓子よりも腹に溜まり
喉の渇きを潤したトマトは
祖父 ....
すり抜ける右手と
後ろ向きの背中
静かに見送りながら
小さくなるのを待つ。。
(断ち切れなかった、未練の様。)
すれ違うカップルの声が
右手と同じ様にすり抜ける。
....
噛み付いたときから
血と肉の味に依存した
殺すつもりの言葉
何かを思い出したように
何かを埋めるように
深く深く落ちてみる・・・・。
おなかいっぱい食べて/吐き出す ....
ふんわりと甘いケーキの向こう側に
笑顔が見える。
おめでとうの一言と拍手で
喜びを感じ取る小さな手は
一つ二つと繋がってゆく。
(幸せなひとときを感じて、
ほおばる ....
最後のお礼にと
クッキーとケーキを包んで
挨拶に来た。
他のところへ行こうとも
必ずに回る営業時間に・・・・。
伝えることも無く
伝えたいことも無く
シンプル ....
出会いの1つに
一生がある・・・・。
にじみ出た物の先
振り払うことの無かった手が
恋だとか
愛しているだとかを通り越して
誰かと誰かを引き寄せる。
魂の共鳴 ....
「ブロッコリー1つ。」
シチューに入れようか?スープにしようか?夏野菜のカレーに入れようか
と
考えている合間に
1個85円のブロッコリーは売り切れた。
豚肉・カレールー ....
「名刺は、記号。」
だと言われたので
百枚ばかし刷って
十枚二十枚を、鞄に入れた。
「梓ゆいです。」
と言って一枚差し出せば
ひとつの記憶と
ひとつの記号にな ....
牛乳を飲んで
煮干を食べて
腹筋を50回やっても
イライラは続いています。。
自転車にまたがり
車の少ない深夜
新青梅街道の車道を走ることが
身体を動かす分
....
ざわ・さわ・ざわ
ざわざわざわ・・・・。
Q,今、一番欲しい物はなんですか?
A,睡眠時間…。
深夜三時以降
始発電車も無い闇の中で
電話を、取ったことだけは覚えて ....
「駐車禁止と貼られた紙に、ノックアウト。。。」
ぶつけて凹んだ、ハイジェットのボディーをなでながら
(一万五千円は、大きい。。)と
財布を開ける。。。
「すぐに、ここから逃げた ....
普通とは何か?を考えながら
会社のシャワー室で湯を浴びる。。
深夜零時以降
電話と呼び鈴が鳴るうつろいの中
自分の使命を振り返る。。
マンションの最上階
隔離された ....
夏の夕方
汗染みを作り
自転車を漕ぎながら
青梅街道の遠くを眺める・・・・。
(何をすべきか?何をしたいのか?)と言う想いは
広い車道と同じ様に
遠くの物を見えなく ....
白い画用紙に1つ
小さな遺体横たわる・・・・。
命があるように
呼吸をしているかのように
静かに・静かに・横たわる・・。
ひとのようで/けもののようで/むしのようで
....
ゆらゆらと
洗面器に貯めたぬるま湯
三日間
布団で眠る事が出来なかった髪の毛を洗う…。。
(普通が何なのか、解らない日々…。。)
ゆら・ゆら・ゆらり・ゆら・ゆらり…。
....
定価一万円の服を買った日
これはよそ行き様と決めて週に一度
着ることを安らぎとしている。。
○春は、リボンのカットソー
○夏は、麦わらのカンカン帽
○秋は、大判のストール ....
呟いた一言が
急行電車に巻き込まれ
ほんの一瞬
そこにいるのか/いたのかも知らぬままに
遠くへ・遠くへと
引きずられて行く…。。。
曲がり道のその先
塀と塀と ....
待ち時間の最中
エンジンを止めた車の中で
ほっともっとの豚汁をすする。
イルミネーションを取り外した三鷹駅の北口
暗闇を恐れる人々が
路線バス・タクシーに飛び乗り
....
死と向き合う時
見えるものは何かと
振り分けを考える。
『故郷へと向かう高速バスは、静寂のターミナルに停車をして寒い空気の中に降り立つ私の心は、都会の無機質に揉まれて麻痺をしてしまっ ....
レイアウト用紙の束を抱き締めた。
暑さが厳しい8月15日
数年前の挫折を思い返しながら
カット袋を抱えて行き先を告げる。
これから先の節々がが
まだまだ遠くから聞こえ ....
開いた唇から落ちるのは
無意識の反動で
顔を伏せた瞬間
「それでも良い。」
の一言が
(覚えのない傷を、増やしたのかも知れない。。)
…気が付いたのは、いつの頃か ....
夢を残し
寿命を終える魂は
天へと帰って行く。
葬儀場を見下ろす魂は
愛する者達の傍らに寄り添うと
ありがとうを繰り返す。
横を見れば
生涯を捧げたアニメーショ ....
「もうすぐ、死にます。」と言われたら
誰に何を伝えよう。。
お父さん・お母さんには
「ごめんなさい。」
兄弟・姉妹には
「よろしくお願いします。」
友人・恩師・知人には
....
甘辛いモモ肉の中に、パイナップルを見つけた。。
(お主、何者だ!)
オレンジ色に染まるパイナップルを見つめ、一人ぼっちのにらめっこが始まる。。
(お主、何者だ!)
昼休みの教室 ....
忘れ物を知りませんか?
白と黒の世界で、迷子になりました。
忘れ物を知りませんか?
声を出さずに、埋もれたまま
化石に成り果てました。。
忘れ物を知りませんか?
忘れ物 ....
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