透明で桜色した小さな瓶に針をいっぱい詰めて、あげます



小指だけ繋いでいたから小指だけもがれる程度でさよならできた



君に言う言葉を見つけるためだけに笑点メンバー召集しよう
 ....
あの子の話をしたい

あの子は、なんと言うか、傷つけやすくて傷つきやすい人間だ
柄のない刃物を握って切りかかる、ような
自分の手も血だらけになるのに、それでも切りにいかずにはいられない
痛み ....
幸せなうそを心にさしこんでこれで明日も頑張れと言うの



絶対にうそにしなくちゃやってけない あいつのことが好きだったなんて



吐きだしたゲロの酸味を昨晩の嘘の尻尾の味だと思って ....
君の全て覚えておくことできないし忘れることもできないでいる



塩味を残して流れていきました川辺の歌も二人の笑顔も



二十歳すぎ自分の体の年齢に心の歳が取り残されてる


 ....
空っぽの君の心は僕のこと吸い込んでもう離しはしない




熱帯夜なのに鼻水ズルズルであなたの嘘を考えている




いつまでも踊っていられるはずだった真っ赤な点滅信号の下

 ....
1ミリも信じられない人がいて縁を切りたい自分のことです



信じない。大人のことは信じない。気付けば自分も信じられない。



君のこと信じているよ夕食の羊はコレステロール上げないん ....
Tさんと僕との距離は引き潮の朝の波打ち際の音



繰り返す君の名前は永遠に波間に揺れる太陽みたい



波に浮く空き缶目掛けて釣針を投げ合うようなぼくらの会話



粒と波波 ....
十五日 伝説の波が 来たらしい もう広島は 残っていない


「誰しもが就職しないとならない」と書いてある本捨てられずいる


君はいつも「注文なんてしないわ」と僕の心を試そうとする

 ....
黄色いニュースが
少女が青年に襲われたと呟いている
放送コードを守った言葉で
暴行されました
乱暴されました


それに耳を犯された私は
どこまでやったのかなあ とか
どんな風にやっ ....
発車より八分早くついたのは期待じゃなくて不安のせいで


高速をひた走るバスに何もかも異化されていく私を残して


見たことのない看板はわたくしを歓迎してるか分からず怖い


東京に ....
 ことり ことり

音がしますね
なんの音でしょう

 ことり ことりこ 

不思議な音です
誰がこの音を出しているのですか

 ことりこ ことり

では、ことりさん、と呼びま ....
九や十 短歌を詠まば けらからと 泥濘尽きる 我が健やかさ


噂する障子の陰に潜み立ち耳目を塞ぐ我が健やかさ


仏くれば頭を垂れむ イエスくれば頭を垂れむ 我が健やかさ


眠 ....
窓を閉め忘れて出かけてしまって
冷え切った暗い部屋は他人の所有物のよう
冷たくなるというのは きっとそういうこと

買い物袋を床に投げ出す
床に散らかった本やCDやお菓子の袋や洗濯物を極力避 ....
誰からも笑われたくないそれだけを考えている顔も洗わず



胸骨の奥に水銀充ち満ちたさかずき一つ震える心地



理想的フォームで端から次々に否定されてくシーラカンス



ぬ ....
行くあてをなくしはじめた感情が君の濡れ羽にリセットされる


もし君のたましいの色分かるなら二つの目玉なくしても良い


着やせするタイプの私のはらわたはきっと{ルビ真青=まさお}にぬめっ ....
 親指の爪割れるほど押し込んで戻らなくなったリセットボタン


 第一話読み捨ててまた新しい本開くよな生活の果て


 ショッキングピンクのコートでナニゴトか挑戦をしたつもりになってる
 ....
 私が「死にたい」というと
 貴方は「みんな弱さを抱えて生きているんだよ」と言う
 その意味が分からなくて
 私はカロリーメイトを口に詰め込む
 口の中で砂になっていくそれを
 或いは砂にな ....
流線 閃く 遠く こだま
君は 光速で 思い出に 褪せる

届きたくて 伝えたくて
泣いた 想い 弾かれ 消えた

浮かべる 願い 込めた しゃぼん
風に まかれ 弾け 消えた

瓦 ....
かろうじて保たれていた平衡が崩れてそれでも世界は終わらなかった 私の詩は頭で考えすぎているという
言われて見ればその通りで
反論をする気も起きない
ぐちゃぐちゃと脳髄だけで思考をこねくり回していて
決定的に体感覚が欠けている

だがそれでいい
私はそ ....
詩をうたおうとして気づいた癖
「私」という言葉を使う癖
私は 私が 私の 私に
私の(ほら、また私)詩は「私」にまみれている
それはつまり 私は私のことしか好きじゃあない ということ

綺 ....
 私という人型の中に何が詰まっているのかわからない

 何もかもを吐き出してすっきりしてしまいたい衝動と
 がらんどうの空虚がもたらす耐え難い寂しさを
 背反して同時に持つ

 もしかした ....
真っ青なダッフルコートは私より目立っていないか不安なのです






何一つ自分が見つけられなくてグリーンスリーヴス変えぬ着メロ






みんなとは違う私を見せたくて ....
えらい博士の 言うことには
どんなものも
波と 粒とで できている
らしい

熊のカップも
澄んだ氷も
揺れるシャツも
あの人の拳も
みんな 波と粒 なんて
私には とても 信じら ....
しらしらと騒ぎつづける常夜灯。白ちゃけた腕と、シーツと、骨と。




言葉なく羊の群か葬列か 食堂へ並ぶ人々の背中




膏薬を塗りたくっても痛いまま白いカルテと暦を散らす
 ....
高島津諦(25)
タイトル カテゴリ Point 日付
桜色の小瓶に詰めて貴方に短歌2*11/6/19 17:48
刃物を握るあの子自由詩110/9/25 10:44
うそ短歌010/4/26 9:15
残し短歌009/9/15 4:34
夜と君と僕短歌009/8/29 6:13
疑い短歌309/8/24 22:21
短歌209/8/24 19:31
指先で弄んだ結果短歌208/9/12 2:49
ソロパート崩落自由詩108/6/10 5:55
東京に旅行に行きました短歌208/6/9 4:24
ことりさん自由詩208/5/7 3:28
わがすこやかさ短歌0*08/5/6 20:35
透徹するフレームワーク自由詩308/5/5 4:11
消失欲求短歌208/4/30 10:30
【短歌祭不参加作品】いろどり短歌0*08/3/31 13:59
【短歌祭参加作品】爆発しろ>人生短歌3*08/3/18 0:14
いきぐるしい夜自由詩208/3/16 20:26
しつ⇔そう自由詩108/3/1 19:05
循環夢短歌108/3/1 3:12
わた・し自由詩1*08/2/23 18:57
わたくしごと自由詩2*08/2/22 21:01
空密自由詩2*08/2/22 18:37
じぶんがたり短歌4*08/2/19 21:51
りょうしろん自由詩2*08/2/19 12:35
白い施設短歌2*08/2/18 8:04

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