昨日の昼ご飯
道ばたに咲く花
バカ騒ぎのパーティー
思春期の悩みごと
原油の流出事故
通勤中の出来事
何でもかんでも飲み込まれていく
巨大な空間
記憶の引き出し ....
何でもかんでも
捨てられないのは悪い癖
あのときの手紙まで
いまさら、出てくる 引き出しの奥から
すがりつく、わたし
逃げ腰な、あなた
ずるさが 今な ....
どれが当たるのか
さっぱり見当がつかなくて
とりあえず手元の教科書と資料集と問題集を詰め込んで
いつものかばんからもう一度出して
リュックに詰め替える
テストの日の朝
一 ....
家族を思う言葉は
どうしようもないくらい陳腐
体だけには気をつけて
無理をしないで
母からの電話の結び
遠く離れてみると
ありがたさに気づきました
初めてのひとり ....
ささやかな
雨がぬらす
静かな窓辺
くぐもった視界の向こう
よぎる虹のような
幸せは必ず去っていくもの
いつしか身についた予感
過去の体験が人を作るという
....
私がいま
事件に巻き込まれたら
いい人でしたよ
って誰か
いってくれるんだろうか
それでもって
誰かがつかまったら
少しずつ少しずつ
書かれるんだろうか
週刊 ....
誰かに呼ばれた気がして
振り向くと
イチョウの木が灰色に
ざわめいている
その名前で呼ぶ人は
もういない
私は誰にも
愛されていない
駆けっぱなしのパーマは
....
起き上がる前の
暖かい布団の中で
あなたに触れる
限りなく
やさしさに近い場所で
あなたと
生きている
いま
胸を焦がす情熱ではなく
ほおを切るせつなさで ....
くぐもるようなにおいはそのまま
3年ぶりの東京
深い深い地下鉄の 駅へと深く
あなたの後姿 必死で追いかけてた
手を伸ばせば届きそうなのに
邪魔をしたのは 買ったばかりのハ ....
私はたくさんのものに恵まれている
収入は同年代の女性の3倍
たまたま入った会社でも使えると思われている
恋愛には事欠かず
一生大切にする左手のリングも手に入れた。
そういう女 ....
きょうはドラえもんの誕生日だったの
あなた知ってた?
そういいながら彼女は無造作にブラジャーを脱ぎ捨て
胸元にはプラチナのネックレスが残された
そうかドラえもんは西暦でいうと何 ....
まっすぐ流れる川の向こうに
大きな病院はある
窓の灯りはみな消えて
無言のままそびえたつ
月あかりがわずかにもれてくる病室で
眠れない乳がん患者が
隣のベッドの寝息を数えてい ....
感情のもつれを
解きほぐすように
受話器から延びる線を
逆に回している
回線の向こうの
静かな苛立ちが
ザーッと時折混じる
誰か妨害しているの?
向かい合わなくて ....
闇の中に
孤独の地鳴りが
今日もまた
聞こえてきた
耳をつんざく爆音は
彼の抱えるやるせなさ
時代遅れの刺繍や
漢字だらけのでたらめな愛情表現
通り抜けていく風は ....
夏の灯に魅せられて
たくさんの蝶や虫たちが
集まってきた
蒸し暑いホームで
営業を終えた若いサラリーマンが
冷えたアクエリアスを ごくり と飲んだ
ジイジ ジイジ
....
蒼暗い幹の中で
流れる水たちが語り合っていました
この雨はいつやむのだろうね
雨の粒はやさしいリズムを奏でながら
水のつぶやきを消していました
雲の陰で ....
いつ転んだときの傷だったかも
わすれてしまっていたけれど
かさかさに乾いたかさぶたを
(だからかさ、ふた、っていうんだろうね)
ぺりっとめくると
透明の液体に混じっ ....
太古の昔に作られた土器の破片は
彼の細い指で掘り起こされ
想像力で埋め合わされて
似ても似つかぬ形に仕上がった
彼は太古の昔に思いを馳せ
喜びを感じるのだ
その夜
彼の ....
顔を上げて見すえる先の その先の いまだとけない氷を割れば
3分だけ待っていてね 目を閉じて待っていてね いなくなるまで
幼い日 歌いつつ急いた道すがら どこに戻れずにいるとおりゃん ....
わたしよくわかっているの
わたしなんでもわかってるの
いろんなことが
夏の影でうまれなかったせみのこととか
木から落ちた熊のこととか
いろんなことをわたし知ってるの
だか ....
守ることすらできない人間だ、という事実を腹に煮る午後
大空に咲かせる花の とりどりの ちりの一つとして 流される
帰り道のスーパーは一人用だと こんなにもだるい ひややっこ買う
....
何一つ返ってこない思い出を 心に孵す 雨の一日
あこがれて隣にいた日 声がいつも高くなってた 愛されたくて
傷埋める作業で埋められていくいちにち 長い影踏みながら
階段を一つ飛ばしで駆け上がる ふさふさ積もる私を捨てて
深夜になって届いたのは
素っ気ない中身を象徴するような題名だった
Re:
かろうじての矜持で
私は平静をよそおって
素っ気ないふりでそのままに返す
RE:Re: ....
フリルの付いたピンクのシャツを
柔らかく着こなして
エナメルのヒールで
床をコツコツと鳴らす
とても簡単な技術を
素直に身につけられないあたしは
結婚相談所のコンピューターか ....
プツリプツリと
切り落とすたびに
何かを
はじいてしまったような
夜のはざまに
落ちていく
三日月のような
たくさんのかけら
研げばいい
ぴかぴかに
磨き ....
いとも簡単に
超えていけそうな気がして
窓の枠に手をかけた
ぐらりと揺れた鉄格子
そのもろさゆえに
私は閉じ込められたままだ
どの国へ行っても
自由、という言葉は ....
どこかに飛んでいくはずだった帽子が
西日のさすテーブルの上で丸い影を作る
流し込む午後のコーヒーは
ざらりとのどを茶色に染める
丸い影の中を
赤茶色のありが
右に左に 左 ....
私はすべてを脱ぎ捨てて
黒いシーツに横たわる
陽炎のように立ち上る
あなたの熱に身を任せる
愛情を形にすれば
こんな交わりしかないのだろう
あなたの抱擁にむせびながら
限 ....
闇の中に伸びる道を
照らす月が
くねりと曲がって
宙ぶらりんの僕の
首を絞める
半月にぶらさがって
砂漠のかなたへ飛び越えよう
何かを
戒名を残すくらいなら
青ざ ....
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