きっと 唄い始めた瞬間から
噛合わなくなったのは 僕の生きる全て

部屋に捨てられた 水色のギターの
できそこないの欠片を 泣きながら拾い集めて

例えば ただ唄おうと想う
目も開けない ....
あいしている、と呟いた
掠れた声の、その言葉は音も無く
只、向こう際の空気に溶けた

貴方の其の目に映る 髪が
するり するりと 指先を掠めていく
今 あたしが此処で呼吸を止めたとしても
 ....
先程手紙が届きました

丁寧に書かれた我侭と
殴り書きのあなたの名前

返事を書こうと思いました

突発的な唄の歌詞と
嘘を込めた自慢の詩達

「何をしたいのか何が言いたいのか」
 ....
空になるなら もう立てないなら
声を鳴らして 喉を枯らして

眠りにつくなら 唄えないなら
声を枯らして 喉を鳴らして


手を伸ばしても 意味がないなら
唄を紡いで 終わりが来る迄
 ....
黒い鉄格子に身体を押し付け
晴れ過ぎた空を焦がれる、其の目に 痛みさえ覚える 
あぁ きっとそうだ

錆び付いた目を揺らし
此処から出れないと知り始めた
後は鳴くだけだと言って
目を閉じ ....
他人の体温もなく、ひとり
 
影ができる 夕暮れ時

文字盤の無い時計の刻む、音

呼吸の音のひとつぶん、重なる



鈍色の空に溶けた残像

夢現に かすかな足音をきく

 ....
名前無く 灰の被つた 野の華を

独り摘み持つ 哀歌と共に
洗いざらしのような 空気が 夜を運ぶ

淡い 淡い 夢を見ながら 眠る君の

呼吸の音がしない部屋を 星が染めていく


いくら片目から涙が零れていても

君は笑ってくれない  と  ....
涙はするりと溶けた
それを掬った手は もうすぐ消えるよ
泣いた筈の目は乾いて 
本当に願ったことは もうすぐ叶うよ

ぼくときみの身体は離れていて
繋いだ手は継ぎ接ぎ
溶けないように紡い ....
梨玖(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
未完音自由詩008/7/29 0:55
あねもね自由詩108/7/7 23:09
鍵の無い手紙自由詩108/6/30 22:27
カランコエ自由詩2*08/6/24 22:03
籠鳥の夏自由詩0*08/6/24 21:07
サナトリウム自由詩0*08/6/19 23:12
短歌0*08/6/18 21:31
軽薄プラネタリウム自由詩2*08/6/18 21:23
世界の終わり自由詩4*08/6/18 20:39

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