私を忘れて下さい
私は貴方の望む女には
なれない
貴方のことはとても
深く深く愛している
けれども
ごめんなさいね
今はそ ....
エンヤコラサ
エンヤコラサ
今からこの婆
捨てにいく
エンヤコラサ
エンヤコラサ
今年はうちの
婆の番じゃ
目暗(めくら) ....
青い瞳は
どこまでも真っすぐで
思わず眼をそらしてしまうほど
澄んで瑞々しい
その瞳に
私はいつの間にか
捕らわれている
真白なワ ....
私は人を惑わす
この呪われた口よ
虚言と罵られようとも
真実を云っているだけなのに
人の生命(いのち)さえも奪う
罪深きこの言の葉は
どう ....
とてもとても長い道
まだ先は見えない
暗くて冷たい土を踏み締めながら
一歩一歩進んでゆく
足が痛くても辛くても
止まらず進んでゆく
とてもとて ....
嫌われもののからすは
誰からも愛されない
慈悲の心があっても
精進の心があっても
愛されはしない
冷たい冷たい冬も
ひとりぼっち
笑っ ....
どうして人は
独りになりたいと思った時
海へといくのだろう
あの人を忘れたい
早くあの人のことを
できるなら
出逢う前の私に戻って
....
どうぞ殺して下さい
貴方の手で
いいのです
もう無駄な生命(いのち)を
どうか終わらせて下さい
その貴方の手で
貴方にだったら
構 ....
その花は不思議な色をしていた。
白ではない、黄色でもない、まるで
光(ひかり)のような明るい色をして
いる。
母のアリサは「名もない花」と呼んだ。
....
この身は
まるで
ちょうちょ雲のように
ただ
ふわふわと
流れに
流れて
風が吹けば
そちらへ
すいっと
....
あなたが好きだったライム
一口囓(かじ)った
口の中に広がる酸っぱい味
こんな真夏の眠れない
夜には
あなたの顔が浮ぶ
あなたの細い長 ....
私は女
着物の裾から
ちらりと白い足
真夏のじりじりとした
昼時に
白い日傘を差して
坂を上って貴方に逢いにゆく
どこかで蝉が鳴い ....
お母さんがいつも
作ってくれる卵酒
あったかくて甘くて
すぐに体が
ぽっかぽか
お母さんが作ってくれる
卵酒が一番好き
よ ....
おお!
タルタロスよ
永久地獄よ
闇の闇
冥界の奥の奥に
存在する暗黒の狭間
罪人たちが集まる都
重い足枷を引き摺りつつ
....
人は私のことを哀しみと呼ぶ
人は私のことを寂しいと言う
なぜ?
なぜなの?
私は常に一艘の小舟
緩やかな波に揺られながら
月を友に夢など語 ....
あなたの心のいろは
なにいろですか
かわいらしい桃いろですか
さわやかな青いろですか
情熱のある赤いろですか
わたしにはまだ
いろがありません ....
誰かが私の影を踏んだ
踏まれた私は腐(ふ)ちてゆく
底無し沼へ引きずり込まれて
だんだんと腐ちてゆく
誰に踏まれたのだろう
どうして踏まれたのだろう
....
ぜんぶ
どうだっていいと云っているような
陽(ひ)の光(ひかり)
ロゴスもアイデンティティーも
すべてリセットすればいい
だって
「現実( ....
私は友人を食べました
お腹がすいたのです
すきすぎて
すきすぎて
しかたなかったのです
私の前を友人が通りかけました
おいしそうな
おいし ....
あなたはいつだったか
私の髪に赤く綺麗な
オキザリスの花をさしてくれましたね
春の風にそよそよと
私の髪で揺れていた
あのかわいらしい花
あの ....
風はどこからくるのだろう
風はどうしてふくのだろう
僕にはわからない
この時代にふく風が本物であるかどうか
じいさんは言った
風は知らず知らずし ....
私はお菊人形
白い面(おもて)に紅をさした唇
長い髪を粋に結い上げ
ハイカラな着物をまとった人形
自分で動くことはできず
いつでもご主人さまの
....
涙は枯れることは無い
でも、必ず止まるから
無理しないでいい
今は泣きたいだけ泣けばいいさ
どんなに辛くても
いずれは時が緩やかな
波 ....
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