ミルクを注いで
ウバ茶にくるり描く
先日はアールグレイでやりまして
白くて砂山のようでした
赤い土の色
今日はおいしい
鼻を震わす香り
少しだけ砂糖を落として
空の指が匙に ....
波打つガラス戸
挟み込まれた
部屋のあかりは冷たく
お月様 お月様
おいしそうに
格子なか
藍に塗り込まれ
隅の架線のふらつき加減
バタタと言っては
どこかに消える
原付の ....
石材屋の看板が光る
とぎ汁を固めたような色だ
熱帯魚みたいにきれいで
とても暗い
郵便受が口を閉ざす
瑞々しく歪んだ切り口
手のひらを右に傾けたら
パンクの修理に屈む男の背が
....
風邪気味の小径を両足で押してる音
ビニール傘をバタバタと
夜には嵐がくる
昼のうちに温かくしておかないと
熱が口から飛び出してしまう
コーヒー屋さんでココアを飲もう
ぼんやりと流れ ....
マスタードが
かかって落ちたんだな
床が汚れてる
かむと歯にあたる
たまに不思議な味がする
粉が変なのか俺が変なのか
水か酵母か
つくったばばあか
コーヒーもろとも喉を掻き分け ....
からしとレンコンを見る
ゆるしてくれ
なにもできないんだ
橋脚から電車へと流れる塵
蘇我行き
小さな標識は高速湾岸線
撓んだ架線の下に4つのとぼけた窓
行政書士の事務所だとわかる
やがて昼間の蛍光灯から左の英会話へ
手のひらには
ずっと ....
ホットサンドを握った指で擦る
胡椒の煙が気持ちいい
愛されてるピカピカのテーブル
夜風の頭上
月はちょっと遠いけど
うとうとしちゃって
楽しい
揚げたてのエビなら隣テーブルで男が食ってるよ
おいしそうにね
ひとり雨宿りです
赤い花が土蔵の横で
それと
桜の枝が薄墨の僕に重なります
やわらかな空は髪をつまんで
小さな歌と
如雨露のような雨粒で
この気ままな世界に居すわりました
....
重たく静かな黒松の壁
その右隣
荒れた土地には白い蔵がひとつ
町はだいぶ朽ちたが
彼はしぶとい
ビードロはヤニの味がするだろう
シャワーのような換気扇の音は
たとえばトラックや軽自動 ....
夏がくるくると流されて
風鈴が死んじゃったよ
竹馬のまっ黒な茎
川面に刺さって不思議なかたちだ
もやもやーっとした波間の夕日も
冷たいプロパンの隣で沈んでる白い車は昔のマーチ
ボン ....
まっくろな海食べたら
ちいさな島は大きな背中
涙に沿って走ろ
ハロゲンの輪っか
僕は対岸の
町あかりの一つ
ビーチボールが萎んでぐずった
もうそれすら
無いんだね
おなかがす ....
サラサラな白壁のシミ
そっけないのでテーブルを自由にしよう
国を造ろうと言ったのは誰ですかね
茶葉が頷いたぞ
灰皿に捨ててあったユニオンジャックを
稲妻のスピードで突き刺します
コップが落 ....
切通しの森より
艶やかな靄の衣で
じっとり舐め尽くす
貫通扉を抜け出して
男がひとり
つったってる
細長い腕
コーデュロイに合わせた色の鞄で
絵描きと名乗る
白樺のコート ....
単線の川を何本も越えて
夏も冬も残滓などという
あやしい斑点に化ける
枕の肌木に叩きつけるのは
雨粒より緩やかに傾斜した海
星なんて数駅も前から消え失せて
今は小指の先に宿る鈴蘭よ ....
電灯が砂の雨を遮る
右肩がざらつく
悴んだ小指
血の管が萎れる時は
無力だったと思う
音は暗い風の下
焦げた海には
おとなしい月が泳いで
引き込み線にお辞儀していた
やがてト ....
トンネルは夜だって明るいんだ
今も人差し指の冷たい腹、小指の爪
それだけで優しく窓を見つめてる
溢れたトラスの風切る姿が
薄暗い雑音に変わり
蕩々と水田へ軋んだ碁盤も
景色から剥がれ耳 ....
月が、まるい
鋼のアーチを弧で結ぶのは銀
遠く爪弾く赤い信号と
浮いた音符がふたつ踊れば
わかるかな?
それは大きな声で
東へと口をあける始発駅だ
切り炭を裂き
聳え立つ汽 ....
雨音ちりちり
夜風に揺れて
不思議な傷を
道にバラまく
白線縫われた東関道を
削りながら
鳴きながら
明日も同じ帰り道
水泡が曲がれば
いいんだろうが
バスがかわりに
....
溶けた琥珀が持つ日差しの輪郭は
枯れるまで4年かかった
ひび割れ
すっかりプラスチックのような風合いで
昼の駐車場に薄い影をもたらす
車も看板も、大きなビルも
割とありふれていて
....
ほんの3秒
滝のような緑
雨 渦の奔放
端然と崩れた花の色
不意の風通し
5時も近い
とん
木の 戸
アルミが散り散りはぜて
蛍光灯は暗い
錆の筆触で朽ちた輪郭
車 ....
たべたらなくなる
ミスドでは
アメリカーな音がバシバシ流れる
どうする?
なんか物凄い水煙に襲われて固まってますよ
店。
幟がもうダメだよ
左右から風雨のパンチ食らってぐ ....
砂糖は入ってないんだ
だから
三分の二くらい口づけたら
あったかさが垂れ下がってきて
なんだか染みになってさあ
マーブルの掻き散らかした
だらしない歪みが
はっつくんだ
ぼ ....
その眠気で東京へ向かう事になる
絨毯の水郷
利根の先は銚子の方まで消えていて
墨の筆でゆらゆらと戯れる
幾重もの電線は
枯れた田に馴染まない小狡い美しさ
鉄道橋が格子の両腕目一杯に浮か ....
その部屋は森の中にある
白いアルベルベッロを思う
しとやかな蔵
水たまりを避け
ガラスの食堂を潜ってしまえば
水面への口笛を湛えた淵が
鳥が浮かぶ
きっとそのうち
梅雨の濃 ....
停留所にいます
いつもの交通量ですよ
そう
この間のアシックス
安かったんでって
あれ、雨が酷かった日から
染み付いて白く淵になって
茶色だから、割と目立つw
そう、とれてないです ....
小野川を降る雨は
枝垂れを揺らし輪を投げる
粗目の軌跡で
暖簾を揺らしたのは
赤い尾灯の軽トラで
川沿い駆ける影も虚しい
この寒さは何なのだろう
傘立てには二輪
マティスのよう ....
雲まで黒くて
月にはみえない
霧の畑に古いデミオが
案山子の山を見てまして
ワイパーもまあ静かです
株価がどうとかラジオが煩い
国道横の欅ちかく
電信柱がくすんでる
そろそ ....
雨雨雨
蔓草まるまる昼の顔
隣で女がドリアをつつく
さあて
ハリオのポットと鍍金の晩餐だ
パンを焼いたら耳焦げる
凄い味わい砂のウバ
啜ると臓に鳴り響く
美術手帖もある
探幽 ....
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