その詩を書いて僕は死ぬ

浮遊して目的もなく
受け取り人指定もなく
切手も貼られていない

これといって特別ではなく
目新しいところもなく
自己弁護も含まない

一人で生きる感謝の ....
小さく咳をして
教室に吸い込まれる
革靴だけが吸い込まれずに
僕のいない廊下に取り残される

「大学の勉強などいったい何になるか」
これは本質的な問いなので歓迎されない
チョークで汚れた ....
―――仮定1
詩はながくなればなるほど
自己弁護になって
だから失恋や絶望や
怒りや哀しみを表現するのにむいてない

―――仮定2
詩はことばのつらなりで
人はことばによって生きている ....
てのひらの痛みを
紙風船のようにかるく
空へとけこませ

誰がここまでたどりつき
誰がこの境界を踏み越え
誰がその先の景色を見るのか

吹きすぎて丘を走る
すれ違った季節たち
付加 ....
バスドラムを踏みすぎて
ブラッドベリィはくたびれた

チャーリー・パーカーが着くころには
心は真白い駅舎の中

誰も悲しい夢を見ない
あるひところの黄金時代を

取り戻そうと音楽は
 ....
風を凌ごうと咄嗟に
破り捨てた五線譜でビバークする
知っているよ
その風の強さを
その風の冷たさを

君の涙が乾いていく

音楽の軽さ ゆるやかに
流れるように声を重ねて
君の痛み ....
****
魚類微笑
軽やかに昇る月
四月
*****
なきそうになる
アスファルトから葉桜
******
水鏡
神様不在
雨つづく
*******
ひちがつと
七月を詠む季節 ....

木曜日
予備校の前で君と会う
MEGADETH止めてイヤホン外す
・・
君が言う
「スパゲッティがたべたいよう」
スパゲッティはありませんよう
・・・
水曜日腕を振るったごちそう ....
八重桜愛で
歩くスーツの肩寂し
早く帰って ビールのみたし
生彩を欠いた蝶の羽
五月を前にはらりはらり降り下り
僕は教壇の上から
少女達が浪費するかけがえのない時間を見ていた

どんなに愛を求めても
それは手に入らない

母を喪った友人が
人 ....
真昼に背伸びする
僕達の忘れ物が
緑のてのひらを
ひらひらと泳がせて

人の歩く畦の
少しぬかるんだ日陰で
ころりころりと耳そばだてて
笑っているよ 楽しそうに

もうすぐ旅立つ時 ....
天を衝くビルの頂から
          見知らぬ異邦人の心まで
六分儀で測りつくせる
          幻想が草々と繁茂する
浮力の発見は僕たちを
          近づけたか遠ざけた ....
あの光るのがカシオペアなのだと
教えてあげたいのだけれど、この葉蘭は軽すぎて
そこまで遠くへは飛べないだろう

時系列順に吹雪に襲われて
髪の先が針のようになる

瞬きする間に
聴覚はナイフ
触覚は靴べらのように
点描の世界は途方もなく
広い音楽の塊に変わる

そこでは生半可な
ユマニスムが幅を利かせることなく
電話もメッセージ
横断歩道の音楽もメッセージ
 ....
ヨーロッパの街 二人という恋
値札をぶら下げた奴隷が売り買いされ
違う未来が翻っては手を振る

足元で鳴る 石だたみ
スプーンの中に溢れかえる宇宙

やり直せるとしても その度に聴いてる ....
息が出来ないくらい
きつく抱きしめていて
そういえば君に言い忘れてたことがある

たくさんの曲がり角
いくつもの選択肢
どうしてここまで
君なしでやってこれたのか

一度しかいわない ....
捩じった螺旋の肉体
白々と夜薔薇を広げ

遠方より 船が近づいてくる

颯爽とベッドから抜け出して、
夜中の台所に立つ
喉を鳴らして水を飲む
女(金属的な恥毛 踝の中の胡桃)

あ ....
この両手いっぱいにこぼれるくらいの
ガーベラの花束を
小さなベッドルーム埋め尽くすくらいの
美しい花束が
君にとても似合う

雨が降るたびに
少しずつ秋が
近づいてくる

言い訳も ....
君が知らないうちに
きれいになったと
思ったのは秋の日で

僕らはほかの誰かの
バースデーに引きずられただけ

遠い世界の争いのように
僕らは憂鬱を抱いていた

話は知らないうちに ....
体の重さ
温もり
重さ
動かないこと
動けないこと

心の渇き
耳の奥で砂が
コロコロ鳴っている
鳴り続けている

祈りに似た気持ちで
軽やかに砂を蹴る足
君の輪郭を
眺め ....
そうね 魔法かもね
この広い世界であなたと逢えた。

そうね 出来るかもね
二人ならば いつでも何でも。
瀬崎 虎彦(381)
タイトル カテゴリ Point 日付
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五月の天使たち[group]自由詩7*09/5/8 0:37
里標自由詩109/5/5 2:21
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五月の音楽自由詩1*09/5/3 0:35
春の音自由詩809/4/27 23:37
戯れ句集俳句0*09/4/26 1:50
戯れエチュード短歌409/4/21 23:29
春宵短歌209/4/18 11:40
新学期[group]自由詩409/4/16 21:30
さようなら さようなら自由詩709/4/12 10:56
草燃自由詩1*09/4/4 15:54
In ictu oculi自由詩109/4/1 1:03
言葉ひとつで自由詩309/3/29 19:30
PLVS VLTRA自由詩009/3/28 8:14
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マジック自由詩309/3/23 8:03

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