片方の靴を失くしたまま辿りついた木目の艶やかな三門をくぐると雨降りの翌日の美しい鈍色の砂利の上で靴を履かない私の靴下は冷たく湿り腐りかけていた親指の爪が凍りかけて腐っても凍っても痛い ....  電車のホームに自らを叩きつけるようにおりた白い紋白蝶は風に吹かれて響くように揺れながら嵐のように揺れながら蝶のように美しく軽く軽やかな足取りの女の黒いヒールの爪先に踏み潰された。
 朝の光のな ....
冷静に、論理的に入り込むあなたの声は靴を履いてる


(真夜中の)窓がガタガタ揺れる音(風と私のシンパシィ)


違和感、距離感、違う違うの、ずっとホントは知っていたのに


 ....
青い青いドレスに映るいびつな星座の空を吸い込む
光滴る蜘蛛の糸で飾られた体で見下ろして
冷たい夜気が残る朝だけが凡てのいまを許してくれる



落とした絵の具の赤が染み込んで私を満たし水面 ....
空、雲、切り取る銀の窓枠 溶け合う風のように笑って


(不安なの)押し込めるために目を伏せた意味持たぬまま言葉を紡ぐ


一番に伝えたいことはいつだって音にすることすら叶わない


 ....
脳みそ携帯ともに静寂 言葉も思いつかない真夜中


「忘れたい」君を想っているうちは「夏の読書もままならない」


積まれてく言葉のブロック切り崩す為す術もなく閉じ込められる


 ....
少しだけ君に真夏を予感したパステルカラーのやさしい光


私から私へと語る真実の意味はいつでも矛盾している


手を取って笑い合うことが現実(いま)なのに遠くの声が疲弊している


 ....
透明な煉瓦の壁をよじ登る 淋しい顔のアネモネの咲く


5センチの距離がただただ遠かった 手を掴もうと力をこめる


ペディキュアは必ず赤と決めていた 戦う心がめげないように


 ....
息が しづらい
シンゾウ が 這いあがる (さみし い)

すって はいて
はいて すって

しびれる 手のひらで
のどをつかむ (ど きどき) 脈うつひふ

す ....
女であることを楽しむために赤いルージュを持ち歩く


本来の目的を果たせぬまま、ケンタッキーに向かっている


うじうじの覚悟がなかなか決まらない、甘えてばかりの窓の内側


つ ....
あるかないかの境界線 世界はことばでこうせいされる


くるしいの 後にくるのはなにもないのに そこに名前がほしくなるのは


28 E・ブロンテの死んだ歳 脱バージンのメリットは ....
強い風が吹いて手のひらを、どん、と叩く
指や手のひらを過ぎていく風はつるつるしていた

よしよし、と風を撫でる

強い風で乱れる髪を押さえる
指先にからまる髪の毛はつるつるしていた

 ....
手も指も 言葉もうまくあやつれず 今ここにいる。(勝手に動く私の体)


レース編み 金色の華奢な編み棒が指の間でもだえて
           (きらきらきらきら白さ倍増)


窓を開 ....
 たとえばティーカップ。

 かしゃん がしゃん ぱりん ばりん

 かしゃん! がしゃん! ぱりん! ばりん!
 かしゃんっ がしゃんっ ぱりんっ ばりんっ
 かっしゃん がっしゃん ....
やわらかな鉛筆で書かれたDon't be afraid

朝九時の埼京線の一号車に乗る私の隣

一人で座る映画館の座席(こぼして踏んだポップコーン)。。。

アルバイトで行ったジョン・レノ ....
戦って傷つけるみたいに書く彼女 濡れ光る赤に私は惹かれる


責任はないよ 決まっているじゃない ハードディスクを壊してオシマイ


甘くやわな やさしい言葉 くれるなら 電子メー ....
ごくごく、水を飲むように先生の詩を読む
それは、体の中に滑らかに入りこむ
内側の、でこぼこした窪みにたまる


冷たさが指先まで広がって
心地よく私は予言された雨を待つ
手のひらを太陽に ....
 きいちゃんに花が咲いたよ、久しぶりの電話口の良司の声は無邪気で幸せだった。よかったね、と返しながら私は良司の子供のような声に安堵のような興ざめのような脱力感を味わっている。
 きいちゃんは黄色いト ....
靴の中に散らばったいくつかのジグソーピース(履いて出かける)

毛玉のついた毛糸の帽子をすっぽりとかぶる私の頭

発熱する横顔を追いかける冷たいからだ

掃除機で吸い込む埃と誇り(ないと呼 ....
切った髪 床にのびて あくびする 晒した首筋 歌う襟足 ハルノカゼ 日なたまみれの ボクノヘヤ コノヘヤスキヨ ト云ウ 君が好き うつぶせになって大きく息を吐くと
風船から空気が抜けるようだった
私の身体には栓が必要

ふしゅしゅー(空気の(抜ける)音)

(3秒の空白)

(3秒の空白)

(6秒分)呼吸を ....
2008年に壊れてしまった言葉は私の中に眠っている


お前なんか嫌いだ
そう言われたとき昔のことを思い出した
ちかちゃんなんか嫌いだ
私は確かに何度も何度も口にした
風船みたいな愛しい ....
窓の内側で腰掛けている
表面張力が健気に見える雨の夕方
君に意味もなく電話をかけようかどうか迷う時と似ている
零れそうに張り詰めたコップと水の縁を
楊枝の先でつつく
君の声を聞いても
格別 ....
冷たさと温もりの色が混ざる道 日なたばかりを選んで歩く


やわらかな風と陽射しの午後の二時 黙った君に少し近付く


雨の前 ぬるい匂いを吸い込んで 家路を急ぐ 青い夕方


 ....
きらきら光るお塩の部屋で
ひろったバケツの底が底抜け
バケツに顔を突っ込んだまま
部屋を一周ぐるりとまわる

神さまは気まぐれに 私を包まれる

きらきら光るお塩の部屋で
ひろったバケ ....
心が湯舟に浸かったまま
出たくないというものだから
仕方なく 置いてきてはみたものの
脳みそだけでは 少し 足りない


誰かの期待に応える言葉が
今は筋肉痛だから
口にする度  ....
メール待つ そんなささいなことだけど 会えない時間埋まっていくの


コーヒーを飲んで息つくときにだけ 会いたい気持ちにやさしくなれる


会えないと言うならどうして夜の真ん中 会い ....
書き出すと止まらないのはいつも最初だけだ
最後はいつもくだびれはてて
逃げ出す
癖がついてしまった
他に逃げ出す場所なんてないのに

泣くのを我慢できるのはいつも最初だけだ
最後はい ....
型にはまったクッキーは端っこが
少し
欠けました
欠けてしまったクッキーのカケラは
少し
苦くてそれはもうクッキーじゃないのです

苦くて切ない思い出の人は
少し
太ってしまったみた ....
なき(50)
タイトル カテゴリ Point 日付
千手観音像自由詩1*11/1/2 1:23
叫び自由詩2*10/11/21 18:41
単細胞願望短歌0*10/8/30 16:58
MARIA自由詩1*10/8/18 17:12
盛夏/内包短歌0*10/8/5 20:11
熱帯夜/形成短歌0*10/8/4 15:43
初夏/分裂短歌2*10/7/27 23:59
ボーダーラインを消していく短歌2*10/7/16 1:44
こ き ゅ う自由詩3*10/6/30 3:37
ドアの内側の広い世界で自由詩1*10/5/30 9:55
ボーダーラインになってみる短歌2*10/5/22 12:17
つるつる自由詩2*10/5/15 17:56
カッコの中の私の体自由詩1*10/5/7 1:51
壊れる音自由詩0*10/5/7 0:29
『To be here now』自由詩1*10/4/25 1:21
ボーダーラインを書いてみる短歌3*10/4/16 2:34
冷たい水を飲むように自由詩3*10/4/11 1:17
テーブル農園のトマトに花が咲く。それから散文(批評 ...1*10/4/5 0:57
がらくたのそれからと私のまつげ自由詩3*10/3/30 19:22
気分転換短歌3*10/3/30 18:45
無題短歌2*10/3/29 0:46
うつぶせ自由詩1*10/3/11 13:13
破裂する風船について自由詩2*10/3/7 15:54
ぷるぷる自由詩3*10/3/6 21:24
ボーダーラインの中に立つ短歌3*10/3/4 23:45
光る部屋自由詩1*10/3/2 15:09
からっぽの狭間自由詩2*10/3/2 1:17
会えない時間短歌2*10/2/27 10:36
幽霊の塊と共存すること自由詩1*10/2/26 17:28
クッキーの端が苦いこと自由詩1*10/2/24 23:56

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