日本映画特有のこげた画面の中に君がいるよ
私は突然キスしたくなって
君の視力の話をするの
「眼鏡を取ったらどれくらい見える?」
度のきついレンズをやさしく外して
ぼやけた視界をいいことにして ....
心から信じてもらうということは
愛されているということでした



君のこと信じてるって言ったとき
嘘をついてる気分になった


生きていて大事なところで迷うのは
思い込みと信じる ....
わぁっと泣きたくなって
鯰の夢を見る
巨大鯰の古代魚
大きな口
足に絡み付く皮膚


一生懸命逃げる
逃げる自分を遠巻きにする
逃げるときにだけ、一生懸命になれる気がする


 ....
ゴミ捨て場に長葱が二本捨ててあった
外灯に照らされて
白くきらきら輝いていた
私は、あっ、と思い
見つめながら通りすぎた
玄関の前でもう一度振り返った
葱は白く輝いていた


家に帰 ....
成長したい
の 後に
変化したい
と 付け加えると
それはもう私の拒絶になるのだそうだ


足踏み状態でいつまでもいたら
いつか地面がえぐれてく
地球の裏側
マグマの攻略 ....
となりに
いてくれないとふあんです
たくさんのひとといるときのこと


すべてわかっているのでしょうか


わたしをだれかにあずけると
あなたはそっと、おとをころして
わたしがしせ ....
子どもみたい そう言おうとした私のことを
 子どもみたい と君は言う


都合よくさみしいときに君のこと
 思い出すなんて言えやしないよ


手をつなぐ そのことだけが重要で
  ....
がらがらの電車の緑のシートに座った途端
私だと思っていた私が
すとん、
と奥に潜ってしまった


私は一体誰だっけ
私は一体何だっけ


体の奥の、ずっと奥
はどこかに繋がるドア ....
 忘れようと 強く強く思うのに
  思い出にさえ 笑われる日々


 君がもし 覚えていないと言うのなら
  忘れてしまえよ 今日の記念日


 大切な あなたの生まれた日でさえも
 ....
言えないことがある
幸福だと 断言できるわけではないの
話したいことは たくさんあるの


あなたに伝えたい言葉
探して 探して
見つからないまま 最寄り駅で電車を降りる


 ....
 殺される夢を見た。幼い頃から、形を変えて五度くらい殺されたことがある。夢の印象は強烈だ。それに、夢を見ている間はものすごく必死なので、時間が経っても中々忘ることができない。時折、なんとなく思い出した ....  雪が降った。私の住んでいるところはいつも降らないので、少し嬉しい。ただ寒いよりも、明日の朝、屋根が真っ白になっていたり足元が凍ってつるつるしたりするのが少し嬉しい。
 でもそれはきっと非日常だから ....
ぎゅうぎゅうに凝り固まった脳みそのなかに
気泡が浮かんでくる

ぷかり、ずきん
ぷかり、ずきん

ため息

左の耳が聞こえない
中耳炎の海なかに
気泡が浮かんでくる

ごぽり、 ....
人を
喰いモノに、しています


喰らってしまえば
最後は皿まで
自分の指まで
泣きながら

喰らい続けるしかありません

引きちぎって
噛んで
噛み締めて

噛みちぎっ ....
パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった

あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた

ぼんぼんボールは跳ねていく
 ....
 京浜東北線に乗ったら、隣に乗り合わせた男がガムテープを鞄から取り出した。黒い生地の埃っぽく薄白く汚れたビジネス鞄。黒い繊維で側面の汚れたガムテープ。

 ビリビリ、ビリビリ。

 引っぱがし ....
 左手が塞がっていたので手袋を噛んで引っ張ると一緒に伸びすぎた中指の爪も引っ張った。手を抜くときに歯の合わさる、ガチン、という音が頭蓋骨の内側に響く。
携帯電話を右手でいじりながら電車を乗り継いだ ....
真夜中の暗闇
携帯電話・光る・・・
小さなディスプレイ・光る・・・
浮かび上がる顔
ボタンを押すのを少しサボると・弱まる・・・


そっと握って・片手で・・・
ぼやけた塗料がぎしぎしと ....
歯を食いしばって壁を撲った
撲ったことにすっとした
撲った右手が腫れていた
本当は私は誰を撲ったの


腫れた右手に湿布を貼った
湿布は冷たく気持ち良かった
剥がれないように手袋をした ....
さわっておかなきゃ
久しぶりに会った彼女に言われた言葉
安心しきって甘えるように喜んだ顔

私はやさしく頬笑んだままされるがまま

洋服の上からやわらかな手で撫でられる
撫でられる
撫 ....
なき(50)
タイトル カテゴリ Point 日付
本当よりも少し歪んで自由詩3*10/2/23 18:31
信頼について考える短歌2*10/2/23 1:36
自由詩2*10/2/22 1:20
葱(二本)自由詩2*10/2/20 1:56
壊れたくて乞われたくてコワ(レタ)イノ自由詩2*10/2/13 0:00
まっすぐなことばはにがてです自由詩4*10/2/10 17:59
ボーダーラインの上に立つ短歌3*10/2/9 14:42
家出自由詩1*10/2/8 11:17
忘れ物短歌6*10/2/7 1:26
自由詩2*10/2/5 23:44
私を殺す散文(批評 ...2*10/2/5 16:50
お風呂場で考え事をする散文(批評 ...1*10/2/4 0:51
偏頭痛自由詩2*10/1/30 9:54
ムシバ、ム自由詩2*10/1/29 8:47
自由詩5*10/1/28 9:35
皮膚の境目自由詩1*10/1/27 0:31
スライム散文(批評 ...1*10/1/25 23:08
蛍光灯より薄い白自由詩3*10/1/25 0:32
壁の穴自由詩1*10/1/23 23:12
自由詩3*10/1/23 18:35

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