白々と独占的な月明かりの、傍らの屑星たちが見えるかい。
屑星たちは月の光を恨んでいるかい。
もっと遠くの星たちは、屑星たちを哀れんでいるかい。
月と反対の、山の際の屑星たちは、月に何て言うかい。 ....
自分らしさを演出する、名刺交換の儀式。
名乗ることの気恥ずかしさ。
激しい脈が心臓を叩く。
予定に無い自己紹介は、肉体的にも危険だ。

思い描くことの全てが、他人のものであるような不安。
 ....
誰も遊んでくれない。
どこからも電話が来ない。
テレビは映らない。
ラジオも聞こえない。
表に出ても誰もいない。
車さえほとんど走ってない。
翌朝が恐い。
日曜の深夜。
親を恥じる心。
親の体臭を厭う心。
親を見下す心、蔑む心、憐れむ心。
その心はやがて、
親の心をゆがめ、ねじ曲げ、こわばらせ、
おはようの挨拶さえ、
噛み合わず、ぎこちなく、
食卓に会話 ....
俺のげんこつは、いかつくて、怒ったように角張っている。
お前にげんこつを作らせたら、親指が中に入っていて丸く、下唇を噛んで恥ずかしがっている子供のように見えた。
愛しいひと。
俺はお前のげんこつ ....
ごまめを煮る、ごまめを煮る、
大晦日。
母が去り、娘も去りて、父独り、
帰郷する息子を待ちつつ。
食卓の寂しさ隠す出来合いに、
手作りの、せめて一品。
ごまめを煮る、父が煮ている、
大晦 ....
私は、寝ている人の顔に耳を近づけて、その寝息を聞いた。
 さらに、その人の口に手のひらを近づけて、その寝息を感じた。
私は、寝ている人の傍らに跪いて、閉じた瞼を見た。
 閉じた瞼の裏では、目玉が ....
私でないことより、私であることの方が容易い。
私はあなたになる。
それを、決めた。
誰にでも愛された、無垢の私。
誰にでも微笑んだ、今までの道。
私の何を褒めるのか。
なぜ私は大事にされる ....
ともかせぎ稼ぎに差の出る年末の父の言い分母の言い分

食卓にずらりと並んだご馳走に目もくれず寝る父のプライド

噛み付けば噛み付くほどに腹の立つ「息子」と「子供」を別にせぬ母

二十年触れ ....
生理として、
違和に抗う私の体液。
洟をたらし、涙を流し、
発疹し、痒みを増し、
打つ手と言えばこまごもり。

体温を感じるほどの接近が、
親愛の証であるか。
強烈に臭い息が、
好意 ....
早くそれを私に、という滑らかな声、
私はその声の主を見定めようと目を凝らす。
その人は、私の妻の姿をした、別の女で、
私が腕に抱いているのは、肉の塊。
スモークチーズのような、大きな肉の塊。
 ....
chitoku(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
他人の慰め自由詩105/10/31 1:37
名前自由詩104/6/25 1:41
よるべなき未詩・独白104/5/28 1:31
親を恥じる心自由詩004/5/19 15:38
げんこつ自由詩104/5/2 0:22
大晦日自由詩304/5/2 0:20
寝ている人未詩・独白004/4/28 10:23
リングの決心自由詩004/4/20 18:03
イエノウミ短歌204/4/5 1:55
こまごもるべし!自由詩104/3/29 17:22
膨れるスモークチーズと際限の無い循環自由詩104/3/28 0:53

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