{引用=

朝踏みつけにした
雑草の類が
帰宅したわたしを出迎える
見たことのない色を咲かせて

そういえば今日は蟻の行列をかわして
いくつかの水溜りで足を汚した
後悔しなくて済むよ ....
{引用=

。 
 。


(( 波打ち際を歩いていたら、楕円形の貝殻を拾ったよ。内側に当たる部分が少し窪んでいて、背中には凹凸ひとつなくて、歳月の輪郭はどことなく、やさしさに似ているね。 ....
{引用=
 
窓の外
ふるえていた風が
いつの間にか足元を這い回り
行き場をなくしてうろうろとしているので
夕刻、わたしは
ゆるやかな地平の傾斜に沿って
飛び込んでくるひかりの粒の ....
{引用=

真っ白い砂の中に混じる小石をじゃりと鳴らしながら、薄闇に光る下弦の月明かりが照らす平地を、真っ直ぐに歩いていく。そのうちに見えてくる、ゆるやかな勾配の坂道を登ったところにあるバス停で、 ....
{引用=

夜が融け月明かりには雲の群れ網戸越しには緑が漂い



音が消え鼓膜に伝う夏の声雨上がりには雨乞いを



風を撫でていくゆびさきしなやかに瞼の裏で星を見ている

 ....
{引用=
窓の向こう止まない雨の薄曇りへばりつく虫の四肢はばらけて


傘を差す人の姿が点になるわたしも誰かの点になれたら


息を吐くわたしが写る化粧台午前零時に紅を手に持ち


 ....
真黒い煙草をひとつ
口に咥える 

黒無地のTシャツ
叩きつけた腕の痣は
白色の地肌を
世界に剥きだしにして


になれば
ケロイドの上
やさしさを詰め込んで
眠りつく容器の ....
{引用=


俯いていた顔を、窓の方へ向ける。たぶん、うちの親あたしのこと産んだの後悔してるんだよね。と、千桜はベッドの上で足をぶらぶらさせながら、けだるそうに語尾を伸ばして呟いた。

「最 ....
{引用=


、筆を止める
月明かりにはまあるく
背中はやがて
丸まっていく

半身歩行
夜の夢遊

浅い眠りからは
気体だけが抜けていき
いつからかわたしは
人でない
 ....
{引用=

  反射
 

手を翳す
六月の太陽に腕が焼けていく

街並みを平らに
人指しゆびでなぞった跡を
わたしたちは
歩きはじめる

昨日、降った雨は
今日を濡らして ....
{引用=


冬になると、一枚板の壁の隙間からは風が、骨の芯に沁み入るようで、いつまで経っても、身体は温まることがない。だから足先から、這い上がる冷たい手の平にうなされる夜は、一向に眠る気配を見 ....
{引用=

午前三時、まどろみの淵で眠りについて、午前六時三十分、母の声で目が覚める。何もしていないのに、何故か身体中が痛い。きっと大きなクマが瞳の下で寝そべっているに違いなかった。目が、とてつも ....
{引用=
のそり。枝垂れすぎた桜が、穴開きブロック塀の上を跨ぐようにして、地面に口づけをしている。ような格好で、あたしの方にお辞儀をしている。薄桃色の、明るい、花色。雨上がりの陽に触れてそれは、どこ ....
{引用=


ないていた。



どこか遠くで、日を捨てる音がする。昨日と、今日と、明日と。夜にさえ、抱かれない。わたしの、帰る道。立ち並ぶ家に人は居るのに、話声ひとつきこえない。石壁に ....
黒木みーあ(14)
タイトル カテゴリ Point 日付
夏枯れ自由詩510/8/7 23:05
note.1-貝殻を見つけて自由詩010/8/2 18:49
息を吐く自由詩210/7/13 13:29
わたしたちは星屑の地平に眠る自由詩4*10/7/9 19:50
夏夜短歌110/6/30 23:27
短歌410/6/25 12:31
剥き出しの夜に眠る、自由詩010/6/12 23:55
千桜自由詩0*10/6/12 0:40
夜の半身自由詩5*10/5/29 22:18
街並み自由詩2*10/5/28 12:58
散文詩-彼方に寄せて自由詩3*10/5/18 12:57
目覚めた朝に、生まれたい。自由詩210/5/13 23:26
春のまぼろし自由詩1010/4/17 7:26
夜に死なない自由詩3*10/4/7 18:46

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