冬を轢き殺して
冷たい空気と声を引き裂いて
春の電車は来る
目の前を通過して見えない
速度制限無視の乱暴さで
別れを言う暇もない
いっせいに芽吹く色を
羨んだのはだれ?
冬は粉 ....
涙のかわりにぶつけたものは
剥き出しの闘争本能と吐露
ありふれた感情が伝う
ありふれた雨降り
窓の外の霞んだ景色を眺めて
ぼくは弱くなった?
戸惑いの夜は息も白く煙る
頬の温度を奪ってく ....
無意味な夜を幾つ過ごせば気が済むのか
意味ある夜を持つ貴方のようにはなれなかった。
明日この手を握ってくれたなら。
酷く肩が痛むのとつぶやいた夜は
年忘れだった
痛みを誤魔化し酒を飲み
酔いが回ったのは自覚できる
そこで止めたくはなかったのに
止めたくなどなかったのに
最後の詰めは甘かった。
しっ ....
僕らの歩む道はそりゃあだいぶ危なくて
気を抜くとヘッドスライディングで車道に飛び出す始末
あぁ馬鹿なことしたって反省しても
なにを今更とかなんとか返されてそれはだいぶ凹むし
轢き殺されてしまっ ....
凄まじい爆音を残して貴方は走り
それをわたしは見送ります
夕日が沈んで行くのは
この世の理です
爆音は遥か砂漠の彼方
毎秒360メートルの速さで遠ざかり
もう聴こえて来ないのです
....
たとえば
大空を一面の緑で塗りつぶせたら
貴方の呼吸が少し、聞こえるような気がしました。
まぶしい太陽の光が遮られて
貴方の瞳の色がきっと、見えるような気がしました。
ただの 気休めだと ....
機関銃でばちばち撃ち殺して
うわーいって喜んで走って
なんだかふわふわした光は
嗚呼あたしを祝福してるわ!
観て観てほらなんて綺麗なの
空ってこんなに青かったかしら!
機関銃は歌ってる ....
楽しげに理解不能な話をしている貴方が
少し憎らしく思えた
わたしはここにいるのにまるで空気
三歩の距離が果てしなく遠い
貴方の好きな音楽も
貴方の好きなコーラも
貴方の好きな中華料理も ....
酒を飲んだ
煙草をふかした
俺は毎日毎日働いていて
それでもまだまだ半人前で
自分の力不足を呪い
両親の苦労を思った。
若い頃には決してわからなかった
強すぎる酒の味や
くすぶる紫 ....
まぶしい光がわたしを刺すので
貴方を見つめていることなんてできません
つい顔を背けたくなるような
そんな命の輝きに俯くしかできません
言い訳なのはわかっていますが
真っ直ぐに貴方の瞳 ....
空の色がじんじんしていた
夕暮れ烏の渡りなど誰も彼も無視してた
こんなことってない
彷徨う影は蝙蝠ではなく烏だった
本当は真っ白なはずだった
染みなどただの一点もなかったはずだった
嘘 ....
優しい女ではなく
デキル女でもなく
格好いい女でもなく
綺麗な女でもなく
わたしは
かわいい女になりたい
うだる夏の露出
汗の雫の滑り落ちる谷間は
作り物めいた輝きを放つ。
しかしながら その脚を見よ
なんと正直なのだろう
いつの日にも変わらない
スカートの奥の密かな暗がり
そのチラリズ ....
蝶が飛んでいます 赤い空いっぱい
アタシは花で蝶に襲われて食い尽くされて
もうオシマイの唄なのです
黙って聴いています 蝶の中
アタシは蝶々です
月を目指してアタシは逝きます
....
「人の見ていないところで良いことの出来る人になりたい」
「人の見ていないところでこそゴミを拾いたい」
「別に誰も褒めてくれなくてもいい」
「ただの自己満足かもしれないけれど」
....
帰る場所がないと その旅人は云う
だから旅を続けているのだと
世の果てには虹の生まれる所が在り
太陽の還る場所が在るという
そこを目指して歩き続ける限り
寂しさなど感じなくて済むという
....
コトバが足りない日 涙いらない
オモイが亡くなる日 怒いらない
月だって嘲笑う夜はたくさんの雨
銀の砂がさらさらこぼれたらおやすみ
星のゆめ見てさがさない
華の太陽にいうわ
どうか ....
独り まだ梅雨も明けぬ縁側
線香花火に灯をつけて
霧のような雨を照らし出す
ここよ わたしはここにいる
ぽとり 落ちた灯の哀しさに
夕暮れが霞んでいたのを
....
将来の夢は赤レンジャーだったんだ
想い続ければ夢は叶うと信じ
信じ続けてそれは叶ったというのに
俺は大人になっていた
赤レンジャーなんて
赤レンジャーなんて
赤レンジャーなんて
....
払わんと 想ふほどに 降りかかる 不治の病を 恋と言ひける
さらば友 追いすがる手も 今はなく 遠いあいつの 消息捜す
生えないハネ 干涸びた泪
影に吐き出した汚物も黙ったまま
太陽は燃えつきては堕ちた
誰を捜しているの? アタシは見えない
傷なんてナイ痛みなんてシラナイ
ソラが青いのをアタシはしっている
....
何処かにおとしたの わからないわ
天使なんて誰がいったの?
落ちたハネは踏まれて沈んだ
太陽の花が咲いた日に。
赤いそら見上げてながれて
アナタがたいせつにしてた蔓きった
もうもどらな ....
あだびとを 想ふばかりの 我が恋は かたち変へても ひぐらし悲し
ハタチを過ぎて
さして美味くもない酒をたしなむようになり
大人の仲間入りをしたフリをする。
千鳥足で歩けたらいいとか
馬鹿みたいに思っていて
なのに頭の中はいつまでたっても冴えていた。
酷 ....
不完全な太陽と月の空に
どうか忘れないでいて
片足のもげた天使たちよ
あなたたちの生きる大地が
血の色で染まったことを
その上に今の生活があることを
誰かの幸せを塗りつぶ ....
そらがあく 月といる
ガラス色の空気
アナタが昇った虹はどこにあるのかわからない
ただのユメだった こわれそうだった
ぐるぐる回るたくさんの月 ひびく
どうしても追いつけない走れない目も ....
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