まだ冬になる前だったと思うけれども
とても寒い日の朝に彼女は二度目の自殺を図った
幸いにして命は取り留めたが彼女の心は治らなかった

けれど少しふっきれたような彼女に
「大丈夫みたいだね」と ....
     ひと、
     ひと、ひと、に
     あふれている
     まちのとおりには
     ひとつやふたつの感情が隠されていて

     屋台のまえに立つ
    ....
忘れない根に持ちますよわたしは、と言う君みたいな雨のはじまり

残っている洗いざらしのTシャツに君が選んだセッケンの匂い

あたらしい季節へ線を引くような雨あがりの青い空とは

あおい ....
白い雲がばらけて見えるのは錯覚ではない
夏は終わりを告げず
静かにわたしの前から去っていた

挨拶はしないことにしている
涼やかな朝の前にそらが幾らか高い

いつも薄れていく記憶の中 ....
     今日が終らないうちに
     明日が終ってしまうと言うので
     なにか記念に残るものを、と

     昨日の時間をタッパーにつめて
     最近買った冷蔵庫の真 ....
    紙に書いて 
    この暑さの理由を考えてみる

    一向に涼しくならないので
    風鈴を軒下につけてみた
    
    乾いた鈴の音は 
    涼しさの ....
 市立病院の待合室には
 老若男女、多くのひとが待っていて 
 呼ばれた名前と引き換えに
 番号札をいただけることになっている

 わたしの名前の代わりに
 渡された番号というデジタルデー ....
居るような君の気配を探している沈まない陽の五月の駅で

不意に出るひとつ外れたアクセント「そやね」と夏がちかづいている

このまちが逆さにうつる残り水その向こう側に居るはずなのに

あ ....
 「チャンスはいつも平等に」

 急行の止まらない駅でチャーリーはいつもつぶやく
 いくつもの携帯電話の着信音が鳴り響く遺失物届所には、
 いつまでも使われない傘と
 これからも役に立た ....
たにがわR(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
余生自由詩105/6/4 11:57
おまつり自由詩105/6/3 11:52
初夏短歌505/5/25 13:28
そらが高い自由詩405/1/1 21:22
明日が終ってしまうと言うので自由詩404/7/12 11:48
夏の理由自由詩304/7/9 21:35
処方箋自由詩704/6/1 16:53
君を探している短歌804/5/13 22:40
チャーリー自由詩704/5/1 11:54

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