何かを求める
何かを探す
何かを目指す
何かに恋する
何かを愛する
目的語が明瞭な文章がタイトで力強いように
力強く輝き他人を惹きつける人間は
必ず「何か」を内に込めている
私 ....
「人を見れば泥棒と思え」
「君子危うきに近寄らず」
「だまされるほうが悪い」
「いい年をして」
「自己責任」
堀を穿ち水を引き砦を築き
ライフルに猜疑心の弾丸を込めて
堅く堅く身を守 ....
梅雨の合間の蒸し暑い日に
祖母(はは)を見送った父は
背負い続けた重たい荷物を
漸く下ろす事を許されたようだ
まなざしが温和になり
急にやつれて見えた
初老の男であった
親 ....
夏 稲は半可通の青空に憧れ
精一杯の背伸びをする
間近にある 黄金色の向日葵は糾弾の対象
秋 成熟した青空は遥かに高く遠くなり
稲は内々に埋まらぬ空隙を抱えながら
頭を垂れて収穫を ....
努力をした
歯を食いしばった
だから
生まれてこれた
努力をした
歯を食いしばった
だから
一等賞をとった
努力をした
歯を食いしばった
だから
試 ....
無職無芸の自分に向けられた罵詈雑言に
ヘラヘラヘラと冷笑を以て返すのが
心底辛くなったから
田舎を出てきた
そしてわたしを差す黒い指を
そのつどへし折って へし折ってきながら
ペ ....
男が
ひとりで 燗を飲む
気遣いのBGMは五月蝿い
男が
ひとりで 燗を飲む
肴もないのに
燗を飲む
男が
ひとりで 燗を飲む
辛さの目立つ安酒は
....
左官の息子は五歳の頃から友達だった
海へと続く一面の草むらを
真っ直ぐに突っ切って遊んだ
毎日あっという間に日が暮れた
左官の息子は都会から引っ越してきた奴が大嫌いだった
大雨の日幼稚園 ....
細くても勁(つよ)い芯に
四枚の葉が大きく広がっている
四つ葉のクローバーの形は調和と安定の象徴
故か
かつて飛行機のすべてにプロペラがついていたころ
最終的に四枚羽が理想とされ
それ以外 ....
あの子の
頭脳はノーベル賞級の学者も認めるほどだ
そのくせ
恋に落ちたら
頭脳も体も
全部溶けちゃう
あの子の
恋はいつも正面衝突
背の高い男が好みで
体当たり ....
人間は 誕生日から 次の誕生日までの間に
普通に生きてさえいれば
少なくとも 2%ぐらい能力的に成長するらしい
毎日で割ってみれば 僅かな数値しか出ないけど
日々 起きるたびに あ ....
ルパンは一番大切なものを盗んでいきました
それは
あなたの 心です
ずっと昔のアニメの
印象に残る名台詞
あなたは
一番大切なものを盗んでいきました
それは
僕 ....
人の歩みは
都会(まち)に咲く花
出てきたやつは
最初に真似る
東京の人は
悠々と歩く
わき目も振らずに
自信に満ちた足取り
「すべてを決めるのはあくまで俺だ」
....
古ぼけた
駅の路線図にある
黄 赤 青 緑のライン
一番先っぽのほうは
背伸びをしても
よく見えないが
「とりまる」
と書いてあるように思えたから
「とりまる」「とりまる ....
部屋のベランダから
深夜の都会に集う
夜光虫のような
光の粒を追った
ぼんやりとかすむ
まばらな光が
居るべき場所を求めて
とりあえずと思って
同じ場所へと向かっていった
皆かろ ....
生臭い昭和
汗臭い昭和
土臭い昭和
泥臭い昭和
黴臭い昭和
前向きな昭和
ひたむきな昭和
むきだしの昭和
のぼり行く昭和
さわがしい昭和
のたくった昭和
かたや聖書に手を ....
週末は 生憎の雨模様
花見は 生憎の雨模様
お盆は 生憎の雨模様
紅葉は 生憎の雨模様
名月は 生憎の雨模様
仕様がないと 布団に入れど
雨音しげく 眠れやしない
これ ....
いつものうみへ ろくにんでいく
はまべはきっと にぎやかだろう
ほかのつれども へんじしだいで
とびいりさんか
ちぢにみえける りとうのおかも
ぬのじはあおの るりのかげろう
をりなすふう ....
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