白く光る雲が流れていく冬空。
夕暮れの橙色が水色と混じり合って、それは綺麗。
烏の群れが西の空へ向かって飛んでいきます。
帰る場所があるの、良いね。
冬の短い日が暮れるのは、何よりも寂しい ....
空 に 見 つ け た
君 の 羽 根
も う 何 も
考 え た く な く て
唱 え て み た の
「 ア ミ ノ 安 息 香 酸 エ チ ル 」
灰色の冬の木々に
降り積もる真白い雪
夏の間緑に生い茂っていたなんて
想像も出来ないくらいに
冬の木々には色がない
夏に冬の寒さのことは考えない
しかしそれは根底で
あたしを ....
もうそろそろ夢から醒める頃合でしょう。
あなたを包むその殻は
いつまでも守護し続けられるほど強固じゃない。
……判っているのでしょう?
誰もが自分の足で立って
そうして歩いていかなけ ....
夜空の端で光る
冬のあいだ
君はシリウスの子供になる
かじかんだ手をポケットに入れて
足許だけを見て歩く
冬は嫌い
冬は嫌いだよ、寒いからさ
呟きながら
夏の海や{ルビ茅蜩 ....
閉ざされた窓の外は氷点下の青空
冬には
見えないものも見えるものも等しく正しい
さよならも云えないままに消えてしまった夏は
凡てが微熱に喘いでいた
空
向日葵
海
神様
....
始発電車
公園のベンチ
知らない道
街のショーウィンドウ
君の姿を捜している
今日久しぶりに
君の夢を見たよ
もう此処にはいない君
とても滑らかなその声も
少し意地悪なその瞳も
僕はまだ 憶えている
僕たちは何処から来て
何処へ行くんだろう
命の ....
思い出せない、雲の名前
**
いつか見た、夏の空
二人見上げて、秘密の約束
螺旋のように絡み合って
もう戻れなくなってしまった
ああ ぼくは、
青い月 ....
壊れた窓枠に夏草が絡んで居る
肺の中に迄拡がって其れは
あたしの息の根を止めてしまう
「廃墟は未来だ」と云った
行く末を知って居るかの様
不変なものなんて無いのだろう
空の ....
透明な言葉を{ルビ食=は}み
壊れかけた空を仰ぐ。
春の木洩れ陽
真夏の夕方
秋のそよかぜ
真冬の午后
一年は短くて遠い過去だ。
ピアノの音ももう聴こえない。
同じ春など来 ....
君の手を握ろうとしたのは
風の冷たさの所為ではなく
白い指先がただ心許なくて
僕の傍に繋ぎ止めなくては
消えてしまいそうだからだ
たぶんそれは愛ではなくて
同情 ....
「病院」と云う単語を口にすると、決まってあたしの脳裏には秋の終わりの桜並木が過る。枯れた葉が風に巻き上げられ、足を進める度にかさかさと乾いた音を発て、粉々に散った。手が冷たくて、外套のポケットに入れて ....
風 向 き が 変 わ っ て も ま だ 大 丈 夫
夕 暮 れ 電 線 あ た し は あ た し
終わらない夏に迷い込んだ
遠ざかる海の青と君までの距離と
どうしても掴めない明日への{ルビ道標=みちしるべ}
灰色の街は誰も居ないよ
壁の落書き程度の罪と罰
遊泳区域の檻 ....
今、自分の中で大流行してます。
自分の名前でも面白いし、芸能人でも面白い!
ぜひぜひどうぞ☆
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僕 達 は も つ と 一 緒 に ゐ る べ き だ つ た 。
遠 く で 鳴 く 蜩 の 夏 。
{ルビ白雨=ゆうだち}が上がって
青さを取り戻した空には虹が出ている
端から端まで七色な
それはそれは見事な虹だよ
夏の夜は短いって
夜好きな君は嘆いているけど
僕は昼間のほう ....
ス テ ロ イ ド
傾 ぐ 夢 さ え 痛 む な ら
遠 い 目 蓋 に 果 て よ 、 残 夏
雨降りの校庭には
死んだ生徒の霊が出るから
連れて行かれないように
傘は深く差して
声を出してはいけない
理科室の前の廊下は
いつにも増して薄暗く
硝子棚の奥で
骨になった ....
センレツナ
キオクダケヲノコシテ
キエテシマイタイ
これきりにしようと云って
飲み込んだ言葉は届かない誓い
夜の闇にも 朝の光にも
世界が終わる兆しはなくて
いつだって同じ毎日だ
朝顔が咲いています。
緑色の葉は光を蓄え ....
君が泣く夢を見たので今日僕は
形在るもの凡てを憎んだ。
カ ン パ ネ ラ 君 の 骨 な ら 返 さ な い 。
殺 し 合 う に は 低 す ぎ る 空 。
夕暮れ電線 錆びた門扉
忍び寄る夜の気配
誰かが呼んでも 気付かない
額に角 真っ赤な舌
嘘吐きは泥棒の始まり
あたしが泣いても 気付かない
ゆっくりと ....
焼けた鉄の匂いがして
午后四時
夕暮れにはまだ早い
大きな橋の上から見下ろす川岸には
まだ若い女の子と男の子が手を繋いで座っていて
川の流れは緩やかでみどり色
遠くまでちゃんと ....
包帯の白い左手{ルビ空=くう}を切る もいちど翔んでみせようか? そら
海までの八号線はいつも夏 湿った空気と寂しい人魚
あたしは嘘吐きです。
好きな食べ物は桃
と云うのも嘘だし、
好きな本は小公女
とか云うのも真っ赤な嘘。
貴方を愛しているのも嘘なら、
自信がない、と云うのも
勿論嘘に決まっている。
....
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